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韓国、反日の原点は「戦勝国論」。負けた日本が折れるのは当然?約束も歴史も捻じ曲げる=勝又壽良

荒唐無稽の裏に朱子学が潜む

前述の2点によって、韓国の日本に対するスタンスが、極めて荒唐無稽であることが分かる。こういう浮き世離れした主張を平気でする背景をさらに追及したい。

それは、韓国朱子学の影響が極めて強く、現在まで残っていることだろう。自己は道徳的に正しいが、相手は劣っているという儒教理念に基づく差別意識である。韓国の国内でも「敵・味方」で区別して対立しているが、国外では日本に向けられている。

さらに悪いことには、儒教で「化外:けがい」と称し、中国から遠く離れるほど「野蛮」になると教え込んできた。日本は、「化外」である。これに韓国朱子学が重なれば、もはやどうにもならない「下等の存在」が日本である。朝鮮は、その日本の植民地にされたという劣等感がいまも生き続けている。特に、知識階級にそれが顕著である。

それを示す「例文」を取り上げたい。

日本が犯した不義の戦争、そこに参加した人たちを処罰できない韓国社会は、果たして現在、歴史の責任からどれほど自由なのだろうか。

※参考:【コラム】企みが招いた悲劇…原爆投下、そして韓半島分割(2) – 中央日報(2021年8月5日配信)

このコラムは、韓国を代表する最高の知識階層が書いたものである。ここでの主旨は、韓国戦勝国論に立っている。韓国は、日本の戦争責任を裁けなかったから、歴史における責任を負うという、まことに仰々しい主張を展開している。

これこそ、「反日」の原点と言うべきだろう。そこには、韓国朱子学に基づく優越論が背景にある。

同じ筆者によって、次のようにも指摘されている。原文は難解であるので、私が「意訳」した。

「米軍が朝鮮半島を一元的に占領し、日本を米ソで分割占領していれば、朝鮮では戦争が起らず栄え、日本は逆に疲弊して現在の日韓関係は逆になっていた」

これは、歴史判断で禁句になっている「イフ」(仮定形)を用いた、最悪の記述である。ソウル大学教授が、ここまで歴史学の原則に反する判断によって「反日」を煽るのは、自ら学者の生命を捨てるに等しい自殺行為である。

米軍は、なぜ朝鮮半島を米ソの分割統治にして、日本にはそれを適用しなかったのか。それこそ、「歴史学」の視点が生きる絶好の分析対象である。一言で言えば、朝鮮半島は経済発展の余地が乏しい地帯であるからソ連と分割統治した。日本は、将来の発展余地に富んでいることと、対共産主義防衛の拠点として「利用価値」があると判断した結果であろう。

これを表すように、米軍は韓国独立後に撤退した。韓国を捨てて日本防衛に力点を置いた戦略であった。北朝鮮は、この軍事空白期を利用して韓国を侵略する悲劇を招いた。米国における韓国の地政学的位置は、日本よりもはるかに低かったのである。客観的な分析を抜きにして、米国が日本へ罰を与えるべきだった、とするソウル大教授の論法は破綻するのである。

こういう時代離れした認識を要約すると、次の3点に絞られる。

1)朝鮮は戦勝国である。日本を処罰できる権利がある
2)戦勝国の朝鮮が分割統治された
3)敗戦国の日本が分割統治されず不公平である

前記の3点は、歴史的事実に反することである。「リテラシーの欠如」は明らかである。こういう不満は、妄念となって巣食っているので、いくら説明し、証拠を提示しても理解しようとしないだろう。反日勢力は、今後もずっと生き続けるに違いない。

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