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4年ぶり大幅高の大発会で見えた2022年相場の大波乱。マザーズ急落とバフェット指数「過熱」が意味するもの=山崎和邦

マザーズ市場に追証連発、東証一部のトレンドを変えたか

大発会の大幅高・翌日の小幅高、これを合わせた分が6日(木)に半日で消えてしまった。新年早々から時価総額の大きい大型株が上昇し、本稿で言うところの「This is Japan銘柄」(日経新聞1月6日で言うところの「これぞ日本という代表的な銘柄」)に資金集中があったように思う。これは緩和マネーの縮小で売られやすい小型株が急落し、消去法的に大型株に買いが入ったと思われた。

マザーズは新年早々大幅下げで、1月5日には1年7ヶ月ぶりの安値を付けた。マザーズは2018年の1,367円と2020年の1,368円、「鬼より怖い1文びっこのダブルボトム」を示現して、そこから890円まで478円幅、高値から見れば35%安を演じた。当然に、追い証が連発したであろう。

アベノミクス相場の大天井が2018年10月、マザーズが同じく2018年に天井を付けてからそれ以後、2020年3月に527ポイントまで急落した。半値以下になった。高値の40%にまで、60%を下げた。そこから同年10月に2倍以上になったのだから、下げがきつくても止むを得ないだろう。

マザーズ銘柄を追求してきた個人投資家は、追い証の始末の最中に第一市場を振り返る暇はない。したがって他の資金が、例えば海外投資家の資金などを含めた筋の違う資金が第一市場の大型株に入ったと思われる。米株式市場では、景気敏感株が買われる動きを受けて大型海運株を始め、トヨタ・ソニーなどの「This is Japan銘柄」が新高値を付ける動きがあったが、木曜日にはこの動きも一旦は終わった。

バフェット指数は「過熱ライン」越え

当面の市況は、週末現在で25日線と概ね並び、騰落レシオも概ね100%近傍を維持、200日線と概ね並び、「程よいレベル」だというところであろう。我々が気にすることは「レベル」ではなく「方向」である。

昨年2021年は、世界の株式時価総額は年間約2,000兆円伸びて、過去最大だったことが知られている。日米だけでなく、世界全般に財政出動と金融緩和の当時並行という金融緩和の最先端政策を使って経済再生に向けた。これを好感し、再生後の経済を先取りした相場だった。米国株の上昇が目立ち、月末にはNYダウは史上最高値を更新した。世界のGDPは年央にコロナ前の水準を取り戻した。

いわゆるバフェット指数(時価総額とGDPとの比率)は「過熱ライン」に来ている。また、筆者の「マーシャルのk」からヒントを得て始めた「時価総額と個人金融資産との比率」も「買われ過ぎ」の域を超えている。この両者ともに「買われ過ぎ」のレベルを超えてから久しい。

2022年以降はFRBの資産の縮小を早期に済ませ、その後、二度または三度の利上げを行うということも市場は織り込んだ。実際に、それが実現されれば市場に影響を及ぼすかもしれないが、今のところそれは全て織り込んでいる――

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<山崎和邦の投機の流儀 vol.501 1/9号>

・第1部:当面の市況
(1)NYは、ナスダックは4日続落・ハイテク株売り・景気敏感株買いの小動き
(7)恒例の日経新聞1月1日版の著名20氏のアンケート
(8)昨年2021年の個人マネーは米成長株とインデックスに流入

■ 第2部:中長期の見方
(1)2021年の日本の株式市場の概観
(2)日本経済全体をGDPから観る、及び家計に「過剰貯蓄30兆円」
(3)岸田首相の「新しい資本主義」について
(4)中長期の見方
(5)日銀・ETF購入・出口戦略
(6)2020年の株式市場
(7)「唐突だ」と多くの読者諸賢から言われた安倍政権成立当時の憲法改正について、再び触れる。岸田政権は必ずこれを出してくる。
(8)原発再開と東電株
(9)三たびトルコ事情

■ 第3部:読者との交信欄 
長年の読者T様との交信 
- 新年2度目にあたって -
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山崎和邦 週報『投機の流儀』』(2022年1月9日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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大学院教授(金融論、日本経済特殊講義)は世を忍ぶ仮の姿。その実態は投資歴54年の現役投資家。前半は野村證券で投資家の資金運用。後半は、自己資金で金融資産を構築。さらに、現在は現役投資家、かつ「研究者」として大学院で講義。2007年7月24日「日本株は大天井」、2009年3月14日「買い方にとっては絶好のバーゲンセールになる」と予言。日経平均株価を18000円でピークと予想し、7000円で買い戻せと、見通すことができた秘密は? その答えは、このメルマガ「投機の流儀」を読めば分かります。

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