信じた人間の財産を根こそぎ奪っていくのがカルト
個人的な話をすると、私自身は宗教などまるっきり信じていない。
神なるものは人間が作り出したひとつのコンセプト(概念)であり、アイデアであり、妄想であると思っている。私自身は、信じないことをなじられても、相手の世界観に合わせるつもりはまったくない。
「信じない者は地獄に堕ちる」と言われても、それは単なる脅しなので気にしない。相手の宗教に歴史があろうがなかろうが、そんなものもまったく意に介していない。
キリスト教は全世界を覆い尽くして人類の思想に大きな影響を与えているのだが、それでも聖書に書いてある天地創造や人類創生は、昔の人間の無邪気な創作でしかないと思っている。
キリストの母親が処女懐妊したというのも常識的・科学的にあり得ないし、キリストが死者を生き返らせたというのもあり得ない。また磔《はりつけ》にされて死んだキリストが生き返ったというのもあり得ない。
そういうのを昔の人が書いた娯楽小説として、暇つぶしに読むのであれば面白いかもしれないが、それを心底信じるというのは現実的ではないし、現代人としての資質にも欠ける。
もちろん、非現実的なものであってもそれを信じて心の平安を得ている人もいるので、そういう無邪気な人をわざわざ馬鹿呼ばわりする必要はない。しかし、自分が一緒になってその仲間入りする必要も、まったくないのである。
当然、「自分がキリストの生まれ変わりだ」と言っているような人は、徹底的に遠ざけて構わない。
現代でもキリストの生まれ変わりだと他人に信じさせて、信じた女性を手込めにしたりする人間も出現して、しばしば事件になっている。安倍元首相を殺害した山上徹也の関わった統一教会も、その手のカルトだった。
常識を持った人間には、こんな胡散臭いものを信じる人がいるのが不思議だと思う。しかし、人間は弱い存在だ。
洗脳のテクニックを使われると精神が崩壊してしまう。人間性を奪われ、目の前の胡散臭い人間が「教祖」だと強制的に信じ込まされるのである。
そして、その洗脳テクニックと組織運営に卓越した才能を持つカリスマ教祖が生まれて、世の中の裏側で増殖していく。これらのカルトが、自分たちを信じた人間の財産を根こそぎ奪っていく。
宗教という名の元で、現代の資本主義の裏側では醜悪な世界が広がっている。
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