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テスHD、連結業績は増収増益 中期経営方針を発表「脱炭素のリーディングカンパニー」目指す

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2022年8月15日に行われた、テスホールディングス株式会社2022年6月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

2022年6月期決算説明会

石脇秀夫氏(以下、石脇):本日はテスホールディングスの決算説明会にご参加いただきまして誠にありがとうございます。はじめに、この度の新型コロナウイルス感染症に罹患された方、また北日本を中心とした集中豪雨により被害を受けられた方々には、謹んでお見舞い申し上げます。

テスホールディングスは、昨年4月27日に上場してから2回目の決算を迎えることができました。これもひとえに、株主のみなさまをはじめ多くのステークホルダーの方々のご支援の賜物と厚く御礼申し上げます。
本日は、独立社外取締役監査等委員の大倉、執行役員の南、吉田も同席しております。吉田はESG・女性活躍推進担当として今年5月に当社に入社しました。
どうぞよろしくお願いいたします。

トップメッセージ

それでは、2022年6月期決算ハイライトについてご説明します。連結業績は前年同期比増収増益となり、通期計画も達成することができました。

業績要因としては、今期は電気の小売供給において、エネルギー価格高騰の影響により市場価格が高騰したことから、当社も原価上昇の影響を受けました。また、特別損失として投資有価証券評価損を計上しています。

しかし、開発型の大型再エネEPCである「福岡みやこメガソーラー」向けの太陽光発電所の工事、受注型EPC、再エネ発電、O&Mが当社計画を上回ったことから、業績全体としては好調であったと言えます。

TESSグループが所有する再生可能エネルギー発電所の設備容量は約215メガワット、78件となりました。大半が太陽光発電であり、安定収益の獲得に貢献しています。

最近のビジネス動向ですが、顧客の脱炭素ニーズの高まりや、エネルギー供給力確保の観点から、オンサイトPPA(自家消費太陽光)の引き合いが増加しています。

この度、“食のインテル”と言われる調味料で有名なアリアケジャパンさま(証券コード2815)の九州工場で、2.6メガワットの大型PPAが稼働を開始しました。

オンサイトPPAは、TESSグループにとってストックビジネスであるエネルギーサプライ事業に該当します。長期安定的なキャッシュフロー創出に寄与するため、引き続き注力していきます。

最後に、今年7月1日にESG推進委員会を新たに設置しました。委員長は執行役員の吉田です。気候変動リスク対応や人材の多様化等にグループ一丸となって取り組む所存です。以上が通期ハイライトとなります。

連結業績

髙崎敏宏氏(以下、髙崎):続いて2022年6月期連結決算概要をご説明します。連結業績は、前年同期比増収増益、通期計画達成となりました。記載のとおりですが、5月16日に開示した業績予想の修正を行った後の通期計画に対して、売上高から当期純利益まですべて100パーセント以上の達成率となっています。

四半期会計期間別セグメント別売上高推移

四半期会計期間別セグメント別売上高推移に関しては、エンジニアリング事業は前年同期比で減収となりましたが、会計基準変更の影響により前年同期との単純比較が難しくなっています。エネルギーサプライ事業は、電気の小売供給のFIT交付金減少の反動減等はありますが、ほぼ同水準となりました。今期は、どちらの事業も一過性の収入はありませんでした。

セグメント別売上高内訳

セグメント別売上高内訳です。トピックスについては第2四半期、第3四半期の決算説明会の内容から変更ありません。エンジニアリング事業では開発型再エネEPCが順調に進捗し、受託型EPCでは物流倉庫や再エネ事業者のリピートオーダーにより、太陽光発電が好調でした。

エネルギーサプライ事業は、全体が順調に推移しました。前年同期比減収の主な要因は、再エネ発電において前年同期に計上した、一過性要因の反動および電気の小売供給におけるFIT交付金の終了によるものです。

エンジニアリング事業の実績

エンジニアリング事業の実績の詳細です。2022年6月期のエンジニアリング事業は、前年同期比増収増益となりました。主な業績変動要因は先ほどお伝えした内容と同じですが、開発型再エネEPCが順調に進捗したこと、受託型再エネEPCの太陽光発電が好調だったこと、そして受託型省エネEPCが予定どおり進捗したことです。

受注実績は記載のとおりです。この第4四半期で受注高は24億6,700万円増加し、受注残高は11億4,600万円減少しました。内示から正式受注に進んでいないものがあることや、PPAの提案に注力している影響もあることから、受注高が低くなっています。

エネルギーサプライ事業の実績

エネルギーサプライ事業の実績の詳細です。2022年6月期のエネルギーサプライ事業は、前年同期比減収減益となりました。主な業績変動要因は、こちらも先ほどお伝えしたものとほぼ同じですが、再エネ発電において一過性要因の反動による減収がありました。

また、新たに稼働した茨城牛久メガソーラーが売電収入に寄与することで、反動減の影響を小さくしています。そのほか、電気の小売供給はFIT交付金が2021年3月末に終了し減収、調達価格上昇および契約損失引当金の計上により、売上原価が増加しています。

TESSグループが保有する再生可能エネルギー発電所

TESSグループが保有する再生可能エネルギー発電所に関してご説明します。オンサイトPPA8件、7.4メガワットを含む、合計78件、215メガワットを保有しています。詳しくは次ページをご覧ください。

再生可能エネルギーに関するトピックス

再生可能エネルギーに関するトピックスとして、太陽光発電への取り組みですが、FIT制度を利用した再エネ発電所は、自社開発案件の稼働やセカンダリ案件の獲得で容量の積み上げを進めています。第4四半期ではセカンダリ案件としてTESS徳島阿南第三ソーラー発電所を取得しました。

また、FIT制度を利用しないオンサイトPPAモデルは合計5件、発電容量4.1メガワットが今期に供給を開始しました。第4四半期では、長崎県北松浦郡のオンサイトPPA、アリアケジャパンさまで2.6メガワットが供給開始となっています。

自家消費型オンサイトPPAモデルの推進

こちらはアリアケジャパン九州工場の写真です。屋根とカーポートを合わせ2.6メガワットという非常に大きなものとなっています。

2023年6月期連結業績予想(2022.8.15発表)

ここからは2023年6月期連結業績予想についてご説明します。2023年6月期は売上総利益は増益、ただし研究開発費の増加により営業利益以下は減益見込みとなります。営業利益以下は前年期初予想と同水準を想定しています。数値はスライドのとおりです。

2023年6月期連結業績予想のポイント

2023年6月期連結業績予想のポイントです。エンジニアリング事業に関しては、顧客企業におけるエネルギーの脱炭素化の取り組みニーズなどから、受託型EPCは再エネ・省エネともに順調に推移する見込みです。

また、開発型EPCにおいて、「福岡みやこメガソーラー」のEPCに加え、現在開発プロセスが進行している別案件について、権利等の譲渡に伴う売上計上を見込んでいます。

エネルギーサプライ事業に関しては、再エネ発電はFITとオンサイトPPAを含む稼働済み209.3メガワットによる売上を見込んでいます。電気の小売供給については、電源調達に関する売上原価増加の影響を抑えるため、新規申込の受付は停止しています。

また、需要家への供給単価の引き上げ等の措置により、規模縮小を図っています。そのほか、需給調整・余剰電力活用の技術開発、EFBペレット製造の技術開発に係る研究開発費を販管費に計上する見込みです。

このような前提のもとに、2023年6月期の業績予想を行っています。

2023年6月期連結業績予想 報告セグメント明細

こちらは2023年6月期連結業績予想、報告セグメント明細となります。連結売上高は各事業とも減収ですが、売上総利益はエンジニアリング事業では微減、エネルギーサプライ事業では増益を見込んでいます。

株主還元

山本一樹氏(以下、山本):株主還元についてご説明します。株主のみなさまへの利益還元については、安定的かつ継続的な利益還元を基本として、配当性向30パーセントを目安とした還元拡充を図っていきます。

これにより、2022年6月期の1株あたりの配当金は、期末配当21円を予定しています。また、2023年6月期についても、期末配当として同じく1株あたり21円を予定しています。

以上をもちまして、テスホールディングス2022年6月期決算説明を終了させていただきます。

グループ企業理念

引き続き中期経営方針を説明させていただきます。はじめに、この中期経営方針の作成経緯や目的等を共有させていただきます。

昨年4月27日の上場以来、みなさま方とはさまざまなかたちでコミュニケーションをとらせていただきました。その際に中計開示の要請が多かったこと、また、当社のビジネスモデルは中期的視点に立っていることから、当社としても中計開示の必要性を感じ、昨年秋頃から開示の検討を始めました。

検討にあたり、当社にとっての中期とは8年後の2030年、長期とは2050年を前提としました。その後、市場も含めてさまざまな外部環境の変化が起こり、特に財務面での中期目標については、先ほどご説明した当社グループの業績予想における策定方針からも、定量化の難しさを感じました。

しかしながら、当社グループのビジネスモデルや、中長期的に目指す方向性を数多くのみなさまにご理解いただくためにも、定性部分の内容が中心となりますが、本日、中期経営方針として開示しましたのでご説明します。ご理解のほど、何卒よろしくお願いします。まず、TESSグループの企業理念は「顧客重視・顧客満足」です。

グループ経営理念、経営ビジョン

経営理念は「Total Energy Saving & Solution」であり、頭文字を取ったTESS(テス)が社名の由来となっています。また、経営ビジョンは「+E Performer」になります。

グループESG方針

そして、この度ESG方針を策定しました。先ほどご説明したとおり、先月設置したESG推進委員会で、経営の根幹にESGとコンプライアンスを位置付け、世界的なエネルギー脱炭素に貢献し、SDGsの実現を目指すことをESG方針としました。

グループのパーパス(存在意義)

TESSグループのパーパスについては、経営理念の「Total Energy Saving & Solution」を実現し、世界的な脱炭素に貢献することと定義しました。

沿革

続いて、沿革と売上高、自社発電容量の推移です。TESSグループは1979年の創業以来、顧客に対し、一貫して総合的なエネルギーソリューションを提供してきました。特に、2000年代前半はコージェネレーションにより成長しました。2000年代中盤から後半は原油高による減収時期もありましたが、2011年東日本大震災時の電源復興対応から業績が回復し、翌年2012年のFIT制度の波にも乗ることができ、2021年4月には東証第一部に株式上場しました。

売上高、自社発電容量の推移

2000年代前半はほぼコージェネレーション単一事業だったため、原油価格や景気変動の影響を受けやすい事業構造となっていました。そのため、2000年代後半頃から事業ポートフォリオを拡大し、2015年には収益の安定化を目的として再エネ発電事業拡大へ方針転換しました。現在は215メガワットの再エネ発電所を自社保有しています。

過去3カ年の振り返り

ここで過去3年間を振り返りたいと思います。まず、2019年6月期から大型EPC、特に開発型EPC等の受注により、利益面の大幅成長が実現しました。再エネ発電事業の拡大については、先ほどご説明したとおりです。

そして、成長投資と将来の布石に関しては、インドネシアでの燃料開発事業、佐賀県伊万里市でのバイオマス発電事業、ヴェオリア・ジャパンとのJV設立等、成長投資を拡大してきました。また、脱炭素先行地域に認定された岡山県真庭市へ専門人材を派遣し、新たな事業領域拡大に向けた布石も打っています。

経営基盤については、昨年の上場を機に社外取締役の増員、ESG推進委員会設置等をはじめ、さらなる経営基盤の強化を実施しました。一方、課題としては市場環境の変化・ニーズへの対応、さらなるストックの充実、規律ある成長投資、非財務情報開示等を認識し、今回の中期経営方針作成における課題としています。

事業環境認識(1)クリーンエネルギー戦略

続いて、TESSグループにおける事業環境認識を整理していきます。国は今年5月13日にクリーンエネルギー戦略の中間整理を行いました。クリーンエネルギー戦略とは2030年度にCO2を46パーセント削減し、2050年にはカーボンニュートラルを目指すものです。この戦略のポイントは安定的で安価なエネルギー供給と需要サイドのエネルギー転換であり、当社グループの戦略と合致している部分が非常に多いと認識しています。

事業環境認識(2)省エネの推進

エネルギー基本計画では、CO2の46パーセント削減を達成するため、まずは徹底した省エネ対策を実施し、その上で電源構成における再エネ比率を高めていくとうたわれています。

事業環境認識(3)脱炭素化の推進

2030年度の見通しとして、再エネ比率が36パーセントから38パーセント、太陽光が14パーセントから16パーセントとなり、それが最大117メガワットとなります。野心的水準による追加分の「民間企業による自家消費促進」にあたる部分が、当社グループが現在注力しているオンサイトPPAに該当します。省エネ、再エネともにポテンシャルが相当高く、総じてTESSグループの事業環境として追い風にあると認識しています。

中期経営方針

それでは、中期経営方針に移ります。3つの方針は従来と変わりません。1つ目は、創業時より一貫して展開している省エネの徹底、現在主力となっている再エネの主力電源化、そしてエネルギーのスマート化の3つの事業領域に注力することです。2つ目は、総合的なエネルギーソリューションの提供により、顧客との長期取引関係を構築し、収益機会の多様化を目指すこと、3つ目は、ストックビジネスを充実させ、安定した経営基盤を構築することとなっています。

2030年に目指す姿

TESSグループはさまざまな顧客に向け、強みでもあるエネルギーの総合ソリューションを提供することにより、2030年にB2B、B2R領域における脱炭素のリーディングカンパニーを目指します。B2Rの「R」は地域社会(region)を意味しています。

ターゲット市場

次に、主なターゲット市場についてご説明します。スライド左の円グラフにあるとおり、国内のエネルギー消費割合のうち61.9パーセントを占める産業用部門、業務他部門が主なターゲットとなっています。大規模事業所は、国からエネルギー管理指定工場の指定を受けており、全国に14,572件あります。ただし、スライド右のピラミッド図をご覧のとおり、非該当の事業所も多く、裾野が広くなっているため、TESSグループのターゲットとして何倍ものポテンシャルがあると考えています。クリーンエネルギー戦略においても、裾野に位置する中小事業者の省エネ推進がポイントとして挙げられています。

エンジニアリング事業

続いて、TESSグループのセグメントを簡単にご説明します。エンジニアリング事業は、先ほどのエネルギー多消費型事業所における省エネ・再エネ設備のEPCを中心としたフロー型のビジネスとなります。主な設備は、太陽光発電、バイオマス発電、コージェネレーション、LNGサテライト、ボイラー、ヒートポンプ、コンプレッサーといった、いわゆるユーティリティ設備が挙げられます。

エネルギーサプライ事業

エネルギーサプライ事業は現在主力である再エネ発電事業とエンジニアリング事業において納入した設備のオペレーション&メンテナンス、電気の小売供給、燃料供給事業が挙げられます。

循環型ビジネスモデルの強化

TESSグループは2030年に向け、強みの1つである循環型ビジネスモデルをさらに強化していきます。従来はフロー型ビジネスであるEPCとして納入した設備のオペレーション&メンテナンスを実施することで、顧客との長期取引関係を構築し、他の設備や事業所等へと収益機会の多様化を図っていました。

一方、現在注力しているオンサイトPPAはストック型ビジネスです。今後はストック型ビジネスを起点とし、ストックからストックへ、ストックからフローへ、さらにストックへと、循環型ビジネスモデルを強化し、さらなる収益機会の多様化を図ることにより、TESSグループの強みをさらに高めていきます。

セグメント別の成長イメージ(キャッシュフロー)

スライドに記載のグラフはセグメント別の成長イメージをそれぞれ示しています。左側のエネルギーサプライ事業はオンサイトPPAを中心とした新規ストック事業とバイオマス燃料供給事業の拡大により成長を図ります。中期目線ではなく、2030年以降の長期目線での収益の安定化を視野に入れていきます。

また、右側のエンジニアリング事業は、今後の顧客の脱炭素ニーズの高まりから受託型EPCは順調に成長していくと考えています。受託型EPCとエネルギーサプライの成長の組み合わせにより開発型EPCの変動を吸収し、長期視点で成長を図ります。

2030年のセグメント構成比イメージ

以上より、2030年のセグメント構成比としては、エネルギーサプライの売上高比率を70パーセント程度まで高めることをイメージしています。

定量目標

その他の2030年に向けた定量目標としては、売上高成長率はCAGR1桁台後半、ROE10パーセント以上、配当性向30パーセントを目安としています。

具体的施策

続いて、具体的施策についてご説明します。具体的施策とは事業活動、人財戦略、ESG経営の3点の施策を指します。

(1)事業活動

事業活動の基本方針として、エンドユーザー向けと地域社会向けの2つに分類しました。

(1)事業活動① エンドユーザー向け脱炭素ソリューションの強化

TESSグループの原点は顧客(エンドユーザー)、需要側(デマンドサイド)です。当社としてもこの原点を再認識しました。当面の顧客に向けた効果的なソリューションは自家消費型太陽光だと考えています。そこで、自家消費型太陽光を自社電源として確保できるオンサイトPPAでの提案を中心的に進め、顧客基盤を拡大し、強固なものにしていきます。

そして、先ほどお話ししたとおり、オンサイトPPAを入口として積み上げた顧客基盤に対し、さらなる顧客の脱炭素ニーズに応える総合的なエネルギーソリューションを展開していきます。

2030年に向け、オンサイトPPAによる自社発電容量250メガワット以上を目標としています。なお、TESSグループの再エネ発電容量全体としては2030年に630メガワット以上を目指します。2021年10月にエネ庁が公表した「2030年度におけるエネルギー需給の見通し」の中では、2030年度の野心的水準として、今後、官民が一体となり民間企業による自家消費促進を進めていくことによって、自家消費太陽光の導入見込み容量は10.0ギガワット(10,000メガワット)になると示されており、この部分がTESSグループにおけるオンサイトPPAのターゲット市場にあたると認識しています。

(1)事業活動① 自家消費型オンサイトPPAモデルの推進

TESSグループの強みは、創業以来40年以上にわたり顧客の工場向けに多くのEPC実績があり、高品質の工事を提供することができるため、工場担当者からも高い信頼が得られていることです。また、FIT制度以前より屋根上太陽光のEPC実績も豊富ですので、工事の品質の高さに加え、コスト競争力も確保しています。

さらに、PPAのみで終わることなく、CO2の46パーセント削減やカーボンニュートラルに向けた提案力、非エネルギー分野も含めた工場全体の最適化提案、当社独自の需給管理サービスによる余剰電力の有効活用提案等、すべてにおいてワンストップで対応できることも強みと認識しており、目標数値の積み上げは実現可能だと考えています。

(1)事業活動① 自家消費型オンサイトPPAモデルの推進

ここで、自家消費型オンサイトPPAにおける導入事例動画をご覧ください。長崎県のアリアケジャパンさまにおける事例です。先ほどご紹介したとおり、天然調味料で大変有名な会社で、“食のインテル”とも呼ばれています。今回は工場屋根とカーポートで、約2.6メガワットの太陽光を納入しました。アリアケジャパンさまには、1995年にコージェネレーションシステムを導入いただきました。その後、コージェネレーションシステムを追加され、LNGサテライトシステムも導入いただくなど、脱炭素に大変熱心な企業です。さらに、カーボンニュートラルに向け、ともにさまざまな脱炭素の提案を検討しています。このような企業への納入実績をさらに増やしていきたいと考えています。

(1)事業活動② 地域社会向け

次に、地域社会向け事業活動としてバイオマス燃料供給事業の収益化についてご説明します。TESSグループは2018年にPTEC R&Dを設立し、パーム油の残渣からのバイオマス燃料、いわゆるEFBペレットの製造研究および開発を実施しており、この度連続製造に成功しました。FIT燃料認証取得を前提とし、2030年に年間100万トン以上の出荷を目指します。

東南アジア地域でも脱炭素化が進むと考えています。インドネシア国内もバイオマス燃料のニーズが高まっているため、インドネシア国内向けバイオマス燃料供給を通じ、東南アジア地域におけるサーキュラーエコノミーの実現を目指します。

(1)事業活動② 地域社会向け

こちらは研究開発現場と、PTEC R&Dで製造したEFBペレットの写真です。

(1)事業活動② 地域社会向け

続いて、地方自治体向け脱炭素ソリューションをご説明します。TESSグループは脱炭素先行地域に認定された岡山県真庭市と「グリーン専門人材派遣に関する協定」を締結しました。今後は、EPCをはじめ脱炭素関連サービスにおける収益化を図りたいと考えています。

真庭市をはじめとする脱炭素先行地域の認定は、2021年度は26ヶ所となっており、2030年度には少なくとも100ヶ所以上の脱炭素先行地域が作られる見込みです。TESSグループは真庭市との取り組みを他の自治体へ拡大することにより、新領域における収益化を目指していきます。

(1)事業活動② 地域社会向け

次に開発型事業のパイプライン創出についてご説明します。現時点では顧客ニーズの高いオンサイトPPAに注力していますが、電力系統混雑等の緩和状況をにらみつつ、オフサイト型PPA、FIP事業、系統用蓄電事業等にも取り組んでまいります。

TESSグループの開発型事業は、バリューチェーンのあらゆるフェーズにおいて収益化が可能であることが特徴です。新たな開発型事業のパイプラインを創出し、中長期視点の成長を目指します。事業活動における重点施策は以上です。

(2)人財戦略

人財戦略についてご説明します。中期経営方針を実行するため、「攻めの人財育成」に取り組みます。特に、先ほどお話ししたPPA提案を入口とした総合的なエネルギーソリューションの展開、自家消費太陽光プロジェクトの管理を行うことができる人財を強化、増員します。具体的には、そのような能力を備えているとされるチーフ、アシスタントマネジャークラスを、現在の84名から2030年6月期時点で200名程度にすることを目標とします。

(3)ESG経営 ①気候変動への対応(E)

ESG経営についてご説明します。TESSグループのESG経営は先ほどお話ししたとおりです。さらなる企業価値向上に向け、今後は特に非財務情報開示を充実させていきます。気候変動への対応は、顧客向け脱炭素ソリューションと自社発電事業の拡大により、地球規模での環境負荷低減を目指します。事業活動が「ESG」の「E」に直結していますので、事業成長が地球規模での環境負荷低減にも直結するものと認識しています。

また、2030年に向け、自社再エネ発電事業の送電電力量63万6,000メガワットアワーを目標とします。CO2削減貢献量に換算しますと28万8,000トンです。一方、TESSグループのCO2排出量は、排出権も活用しつつ2024年に0トンを目指します。

現時点におけるESGに関する主な取り組み実績は、ESG推進委員会の設置、マテリアリティの特定、CDP質問書への回答提出、TCFD提言への賛同表明となります。今後は、SBT認定の取得やScope3の算定を予定しています。

(3)ESG経営 ②多様性が活きる文化・職場環境(S)

次に、多様性が生きる文化、職場環境についてご説明します。現場力、知識力、ひらめき力を持った人材を育成し、業務において活躍してもらうためには、従業員の働きがい、多様性、職場環境が重要です。近年の主な取り組みとしては、時差出勤やフリーアドレス制を導入し、それに対応するため、本社と東京オフィスをリニューアルしました。あわせてエリア総合職、副業制度の導入も行っています。

2018年からはパラアスリートの雇用を始め、現在は5名が在籍しています。多様性については特に女性活躍を推進しており、2030年に女性従業員比率30パーセント以上、女性管理職比率10パーセント以上を目標とし、多様性が活きる文化と職場環境を作っていきます。

(3)ESG経営 ③公正かつ透明性の高いガバナンスの実現(G)

続いて、公平かつ透明性の高いガバナンス実現についてご説明します。繰り返しになりますが、今年の7月にESG推進委員会を設置しました。引き続き公平かつ透明性の高い意思決定、業務遂行体制及び適正な監督監視体制を構築し、運用していきます。

株主還元方針

最後に株主還元方針についてご説明します。先ほどのご説明のとおり、成長投資を主体としながら、財務健全性と資本効率性のバランスを考慮し、株主のみなさまへは安定的かつ継続的な利益還元を基本とし、配当性向30パーセントを目安に、還元拡大を図っていきたいと考えています。

以上で、中期経営方針の説明を終了します。ありがとうございました。

質疑応答:2023年6月期の業績予想について

質問者:2023年6月期の業績予想の部分でおうかがいします。エンジニアリング事業について、売上が減少、粗利が若干減にとどまるという見方になっているかと思います。

こちらに関して「2023年6月期も『福岡みやこメガソーラー』の貢献があるものの、前期ほどではない」と認識していますが、正しいでしょうか? あわせてお聞きしたいのが、スライドに記載されている「開発プロセスが進行している別案件について、権利等の譲渡に伴う売上計上を見込む」という部分に関して、具体的な案件名はけっこうですので、「このようなことが出てくるためオフセットする」という、イメージ感を与えていただければと思います。

髙崎:ご指摘のとおり、「福岡みやこメガソーラー」は、今期前半で事業としては完了する予定となっています。それ以降に関して、開発型EPCにおいては記載のとおり、開発を進めている別案件があります。収益性のある事業を行う権利の開発を進めているということです。それをそのような事業を行う企業に譲渡することで、収益を確保しようと考えています。

質問者:それは一過性の案件でしょうか? 何かを譲渡することで、譲渡益が出るというイメージなのですか?

髙崎:はい、性質としては譲渡益になります。これは過去で言えば、FITのIDを売却した場合の収益、あるいはプラントを作って建売する時やFIT発電所を売却した時と、同じような収益の出方になっています。

質問者:どのクォーターか分かりませんが、ワンタイムの利益として2023年6月期に出てくるだろうということでしょうか?

髙崎:そのとおりです。開発型のEPCというのは、ワンタイムの利益が数珠つなぎのようになっています。その都度、開発中や開発済みのものを売って収益を上げることを一つ一つ積み重ねていくかたちです。以前から、そのようなかたちで手掛けてきましたが、そのうちの1つが2023年6月期に計上されるかたちとなる見込みです。詳しくはお伝えできませんが、粛々と進めていっています。今期の後半には、具体的な数字としてお伝えできるようになるのではないかと考え、それを見込んだ予算となっています。

質疑応答:エネルギーサプライ事業について

質問者:エネルギーサプライ事業に関して、減収増益の見通しになっていると思いますが、これは電気の小売供給の事業縮小にかかるところが影響として大きいのでしょうか? あわせて、中期経営方針上はこの電気の小売供給について、売上高の年率1桁後半の伸びということを考えに入れていると思います。小売の場合は売上が膨れる、膨れないということがあると思いますが、そのあたりの中期経営方針上の考え方についても教えてください。

髙崎:新電力に関しては、前期は原価高騰がありました。加えて、一部は説明の中にもありましたが、契約損失引当金を前期に計上しています。これは2023年6月期に予想される、新電力側のマイナス分を、あらかじめ引き当てているということです。

そのため、2023年6月期は、新電力事業をできるだけ小さくしていきますし、その振れ幅を抑えながら、かつ出てくるマイナス分は前期で処理をしていることから、新電力事業自体の収益が改善し、それが全体の利益の改善につながっているという状況になります。中期的には、基本的に新電力事業はできるだけ小さくし、自分たちが確保している電源調達の範囲内に抑えたいと考えています。

当社では、契約満了日の3ヶ月前までに申し込めばお客さまと解約ができるのですが、そのタイミングが近々あるため、それも含めて判断していきたいと思っています。したがって、中期経営方針の中では新電力事業での大きな収益、売上は見込んではいません。

質疑応答:中期経営方針について

質問者:中期経営方針について、おうかがいしたいと思います。売上高が伸びるイメージは、だいたいお示しいただきました。ストック型を中心に積み上げていく方針ということは理解できていますが、利益予想については具体的に示されていません。仮にその売上が1桁代後半に伸びてきた時に、外部の視点として、これは利益率が上がるのか、下がるのかということが当然気になります。

今は、新電力はあまり行わないというお話ですので、そこは利益率低下の局面には、なかなかならないのかと思います。一方でオンサイトPPAに注力されていく中で、全体として利益率は上がる方向なのでしょうか? あわせて、今回お示しできなかったところは、何が変動要因として大きいと見ているのか、そのあたりも教えていただければと思います。

山本:自家消費型太陽光の顧客ニーズが高まっていることから、オンサイトPPAに注力していくこととしています。それにより、フローからストックへという、切り替えを徐々にしていくことになります。そのため、瞬間的な利益よりも、長期キャッシュフローを確保するという方向にシフトしていくのではないかと思っています。

さらに、年度別の利益計画に関しては、足元のいろいろな外部環境の変化や不透明さに加え、当社グループは事業を複数展開していて、それが絡み合っているため、なかなか中長期において示すことが難しいということです。そのため、今回は定性的なところを中心に開示させていただいたということになっています。

質問者:単年度で利益がどれだけ出るか、出ないかは、エンジニアリング事業の状況もあるため、その時々で当然変わってくると思います。ただ、オンサイトPPAに注力することにより、場合によっては見かけの利益率は犠牲にする可能性もあるということですか?

山本:適正な利益率は確保します。また、利益額は薄く長くですが、着実に積み上がっていくと思っています。

質疑応答:2030年の経営方針について

質問者:2点おうかがいします。いずれも2030年の経営方針についてです。1つは、オンサイトPPAは、2030年に向けてどのくらい拡大する見通しを持っているのでしょうか? 2022年6月期は4.1メガワットの供給を開始ということでしたが、フローで年間だいたいどのくらいのビジネスになると想定されているのでしょうか?

また、先ほどの人材育成にも関係してくるのですが、オンサイトPPAを進めるにあたり、競争もそれなりにあると思います。この事業単品で展開していないということは理解していますが、この案件を取るにあたって競争力のポイントとなる部分を教えていただければと思います。

2点目はペレットについてです。2030年に年間100万トン以上の出荷を目指すにあたり、投資や原料の調達等乗り越えないとならないハードルがあるのか、必要な資金はどのくらいを見込んでいるのか、また年間100万トンを出荷した場合の収益、売上・利益等、なにか目安になる情報があれば教えていただきたいです。

山本:PPAの2030年に向けた中期的な目標に関しては、中期経営方針の27ページをご覧いただければと思います。現在、オンサイトPPAが7メガワットのところを、250メガワット以上に拡大していこうと考えています。この数値は、今の人員構成や今後の人材育成、拡大・増員から積み上げた数値です。そのため、マーケットからの逆算ではありません。結果的に先ほどご説明したとおり、10ギガワットのマーケットがあるということが示されているため、実現可能性があるのではないかと考えています。

強みに関しては、先ほどもご説明させていただきましたが、私どもは工場向けをターゲットとしているため、工場向けの工事経験が豊富であり、コスト競争力もあると考えています。また、PPAだけで終わらないという提案力、対応力があります。自社で需給管理機能も持ち、余剰が出た場合のやり取りもできることから、競争にも打ち勝てるのではないかと考えています。

人材育成に関しては、先ほど人材育成のパートでご説明したとおり、このような提案力がある人材、またプラントの管理ができる人材を積極的に増やしていくという方針のため、こちらの対応はできるものと考えています。

髙崎:ペレット事業についてですが、これはEFBを原料としてペレットを作ります。EFBはパーム油を絞る工程で出てくる残渣物です。出てくる量が膨大で、そのうちの一部を使うというイメージです。基本的には、ウッドペレットに代わるものとして市場に流通させていくイメージを持っています。そのため、売上高等はその時々のウッドペレットの価格によりますが、非常に大きなビジネスになるかと思います。

国内であればFIT制度での活用、インドネシアであればインドネシア国内の石炭火力混焼の事業所での活用や、ボイラーで蒸気や温水を作っている事業所もあるため、そのようなところにはバイオマス燃料として供給することを考えています。

また、EFBの出てくるところが点在しているため、そこから効率よく原料を集めてくることがポイントになります。そのためにも今、当社グループでは、インドネシアのPKS燃料販売事業においてミルと呼ばれるパーム油を絞っている工場から、PKSを集める仕事をしています。この取り組みが、EFBを集めてくるところに、ノウハウとしてつながっていくと思いますので、このポイントに対しても対応していると考えています。

質疑応答:2023年6月期連結業績予想の見方とオンサイトPPAについて

質問者:3点おうかがいします。1点目ですが、中期経営方針と並べた時の、2023年6月期の売上と粗利の受け止め方を教えてください。中期経営方針としては1桁パーセント後半で成長したいところに2023年6月期は減収となり、粗利はプラス3パーセントくらいという中身になっています。これは2023年6月期がなんらかの外れ年で、あまり伸びないというお考えなのでしょうか? 

あるいは、粗利がプラス3パーセントになっているため、お話しいただいたような、一過性のところも含めると、このように伸びていくという最初の年ということなのでしょうか? 中期経営方針でお示しいただいた方向感と、この最初の年の計画である2023年6月期連結業績予想に、若干乖離があると思います。中期経営方針の見方となにが違うのかをもう少し深掘りして教えてください。

2点目も、同じく2023年6月期連結業績予想についてです。これは販管費のところで、研究開発費が増加し、営業利益以下が減益見込みとあります。この販管費や営業外損益も悪化を見込んでいるのではないかと思います。これは当面、このように粗利は伸びていったとしても、販管費や営業外損益の規模が大きくなっていくというように、ある程度コストがかかることを見ておいたほうがよいのでしょうか? 

それとも、これも2023年6月期は、向こう数年の中でも、コストの伸びが大きくなる年だと見ているのでしょうか? もう少し長期的に見た時の販管費や営業外損益の水準感に関して、可能な範囲で見方を教えていただければと思います。

3点目は、御社がコーポレートPPAのオンサイトに注力しているという話をいただきましたが、なにが今課題となっているのか、あるいは課題はなく追い風が吹いているような状況なのか、現状をうかがいたいと思います。これは勝手な私見ですが、今の太陽光パネルで発電できるコストを考えると、世の中では太陽光の導入があまり盛り上がっていないという感覚を持っています。

それに対して、御社としては「引き合いがあって導入も進んでおり、リソース的にも今導入できている量が最大」ということなのか、反対に「リソースは十分にあるものの、お客さまとしてのハードルが高いため引き合いが少なく、導入も想定していたほど進んでいない」ということなのか、どのような状況なのでしょうか?

コーポレートPPAの広がりに関して、オンサイト、オフサイトともに、どのように足元を見ていらっしゃるのかを教えてください。

山本:1点目と2点目からご回答します。今期の売上と利益の見方について、売上に関しては権利の売却が一部入っており、かなり利益率が高いビジネスになると考えられるため、売上高としては多少低めに出ているのではないかと思っています。

利益についても、通常の年よりも販管費が多く計上されており、研究開発費を多めに見ている傾向があります。販管費に関しては、先ほどお伝えしたように、将来的にチーフ、アシスタントマネージャーを84名から200名に増やすなど一定の人員増を見越しており、8年後となる2030年の姿を想像しながらシミュレーションしています。人員増および研究開発費の計上をある程度見越した上で、計画等を行っています。

髙崎:3点目のご質問で、オンサイトPPAの調子はどうかというところですが、コメントいただいたとおり、今は非常に引き合いが多いです。コーポレートPPAにおいても、オンサイトとオフサイトがありますが、正直なところ、オフサイトについては世の中で苦戦している部分もあるようです。

系統が空いていない、場所がないという問題はよくありますが、当社が狙っているオンサイトに関しては、お客さまの敷地内に設置するものですので、系統の制約がない場所もあります。何よりもお客さまのニーズが非常に大きいです。

しかし足元では、例えば資材の高騰、工事コストの上昇を含め、そのようなものを転嫁せざるを得ない状況ですので、お客さまに提示する価格も若干上がっています。それによってお客さまの判断が左右されると言いますか、電気代に比べてメリットが多い・少ないという観点が、引き合いが増減する要素となっているのかもしれません。その部分については太陽光以外の提案も含めて、収益性をできるだけ高くすることでクリアしようとしています。

また、PPAも補助制度があるため、積極的に補助金を活用していきます。我々が申請を出した分はおおよそ通っているのですが、世の中では採択されず補助が受けられないという話も多々あります。そのようなお客さまは次の補助金に再チャレンジしようとなるため、これがペースが上がっていかない要因の1つではとも考えています。

当社ではそれも踏まえて、積極的に補助金の活用等をリードしていきます。そのような意味で、稼働および追いかけられる件数に関しては、現在はかなり高いレベルで維持しています。

今期稼働する予定のものはすでに仕込みが終わっており、現在一生懸命追いかけているのは、来年度に工事を行って稼働させるものとなっています。少し先を見据えて取り組んでいるため、そこに貢献できる人材をさらに増やすべく、人員増強も並行して進めていこうという計画です。

質疑応答:オンサイトPPAについて

質問者:先ほどアリアケジャパンの動画を見せていただきましたが、御社がオンサイトPPAを導入する時には、屋根にパネルを敷き詰めて、そこで発電した電力の余剰をある程度売るところまでパッケージ化できるとのことでした。

先ほどからご紹介いただいているように、それは御社が需給調整機能を持っているからと考えてよいのか、それとも、余剰分を売るとなると系統の話が引っかかり、なかなかそれが一般的にならないのか、系統のところについてもう少し詳しく教えていただけますか?

「屋根がたくさん空いているのに、なぜ一部にしかパネルを敷き詰めないのですか」ということをオンサイトPPAを展開する他社に聞くと、「電力需要のピークに合わせて作るため、外売りになるようなものはなかなか採算が取れない」とよく言われます。御社の需給管理機能をしっかりと持っているという部分と、外部要因である系統のところも含めて、現状の引き合いがどのような状況なのかを教えてください。

髙崎:まず、当社グループのお客さまは工場が中心なので、PPAの電気は使い切れることがほとんどです。しかしながら、ご理解のとおり、系統が空いていないが故に、余剰させても電気の行き場がないということで、今はそれに見合う容量にしておこうという案件もあります。当社の場合は、そもそも余剰した場合にどのようなことができるのかを電力会社へ問い合わせて、系統に関する連系協議を主導して行います。できる・できないに加えて、できるとしたらどのくらいの規模で可能なのか、余剰分をどこに持っていくのか、そのようなものをすべてプランとして練り上げ、自社で推進できるところが我々の強みです。

他社のケースで、仮に余剰があった時、その余剰分を誰かにお願いして引き取ってもらうということがあります。最近は新電力事業者の方々にとって厳しい状況のため、引き取ってくれるところを探すためには、さまざまな第三者と絡んでいかなければなりませんが、当社では自社で完結します。それを可能とするために、もともと自社で持っている需給管理のノウハウをさらに強めていく取り組みを現在行っています。

加えて、蓄電池がもっと安くなってきた際は、そちらのビジネスもさらに展開できるのではと考えています。実際に今も、大型の蓄電池を設置する案件が数件増えています。

質疑応答:PPAの状況と中期経営方針について

質問者:2点おうかがいします。1点目はPPAについてです。中期経営方針では2030年までには250メガワット以上にするということでしたが、今は7メガワットですので、単純計算では1年で30メガワットは伸ばさないといけません。引き合いが多いという話でしたが、現在はどのくらいの量を持っているのか教えていただければと思います。

2点目は、中期経営方針を作られたばかりですが、先ほどの質問にもあったように、利益の計画が出ていないなど曖昧な内容になっているかと思います。電気の小売供給に関しても、状況が変わればいろいろな環境が変化してくると考えられます。中期経営方針について、状況が変わったら計画も変えるのかといった柔軟性や、利益の方針がある程度出せるのであればいつ開示されるのか、そのようなところを教えてください。

髙崎:1つ目のご質問の、PPAの現状についてご回答します。250メガワットをどのように目指すかというところですが、足元の引き合いでは、具体的に提案しようと考えている案件を80メガワット分ほど持っています。すでにそのうち何割かがより具体的になっています。先ほどもお伝えしましたが、お客さまのニーズは2030年に向けて高まっていくため、提案できる人材をどんどん増やしているところです。

「今すぐPPAを導入しなければ」というよりも、2030年に向けた46パーセント削減の取り組みの中で「2030年に向けてPPAを導入していかないと」ということで、まさにこれからお客さま自身が盛り上がっていく部分もあります。それを含めて、体制を整えながら対応することで、250メガワットの目標は十分に達成できるのではと考えています。また、これ以外のいろいろなソリューションも合わせて、2030年までに提案を進めていこうと考えています。

山本:2つ目のご質問についてですが、中期経営方針に関してはなかなか「計画」とは言えないということで、方針として開示しました。いろいろな不透明感がクリアになって、計画として出せるようになった際は、ローリングとまでは言えないかもしれませんが、適宜更新して開示することを考えています。

冒頭でご説明したとおり、計画が立てられないから出さないという選択ではなく、不透明な状況の中で出せる最大限の内容を開示したということで、ご理解いただけたらと思います。

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