1億円の「政治献金」で100倍以上の見返り
トヨタの売上に占める海外販売台数は、90年代に入ると5割を超え、今や8割超が海外での販売です。
海外に子会社を作り、クルマを売っているのです。
しかし、現地での配当金の税額は、世界的に見ても10%程度と低いのが相場です。
対する日本での法人税率は、元々なら23.2%です。
海外で1,000億円の子会社配当があれば、現地での税額は10%として100億円しか払っていないので、日本の法人税額相当の約230億円との差額分130億円を、本来ならば日本の法人税で払うべきなのですが、現実にはこうした強力、かつ特別の税制優遇策で徴収されない形になっているわけです。
ゆえに、その分がガッポリ儲かります。
さすがに日本を代表する大企業なのです。
毎年、日本自動車工業会とトヨタからの政権与党への政治献金は、大体1億円程度ですが、その百倍以上の見返りを受けていることになります。
1億円の政治献金で、100億円以上の見返りが得られるなら、安いものなのです。
~中略
消費税収の4分の1は、払ってもいない輸出大企業に還付される形ゆえ、一般庶民は開いた口がふさがらないのです。
これは、ほんの1例にすぎません。
政府・与党は、従業員の賃金もろくに上げない大企業を肥え太らせることをやり、そのツケを「消費税率アップ」という庶民に大打撃を与える施策をとってきたのが実態なのです。
こんな政策はやめさせるべきでしょう。
消費税は廃止すべきです。
代わりに、所得税の累進課税率を強化すれば、大企業経営者に巨額の報酬をもたらす動機も消滅します。
フランスの経済学者トマ・ピケティが唱えるように、所得の再分配政策を強力に推し進めない限り、格差は一層広がり、庶民の富裕層への憎しみのマグマは貯まり続けることでしょう。
サラリーマンは一生金持ちになれない
次回は、「なぜ金持ちはますます肥え太り、庶民はますます貧乏になるのか──金持ちほど税金を払わないですむカラクリ!」について、鋭くえぐっていきたいと思います。
サラリーマンの人は、一生金持ちにはなれません。
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それでは、次回をご期待ください。
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※本記事は、神樹兵輔氏のルマガ『神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図――政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる!』2022年8月15日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読を
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『神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図――政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる!』(2022年8月15日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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1990年のバブル崩壊から続く「失われた30年」を経て、ニッポン国の衰退ぶりは鮮明です。デフレ下でGDPは伸びず、賃金は上がらず、少子高齢化で人口は減り、貧富の格差も広がりました。いったいどうしてこんなことになったのでしょう。政治、経済、社会、マネーや投資に瑕疵があったのは否めません。本メルマガは、そうした諸分野に潜む「闇」を炙り出しグイグイえぐっていこうとするものです。