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三木谷会長はいつまで「負け戦」楽天モバイルを続けるのか?楽天が生き残るための4つの道=栫井駿介

KDDIは楽天を引き受けるか?

KDDIは現時点でも楽天モバイルに対してローミングしていて、現行の設備の親和性は高いと思われますし、KDDIとしても、楽天市場・楽天経済圏を手に入れられればかなりオイシイところです。

KDDIも、ショッピングや金融事業などを行っていて、楽天と同じような動きをしています。

もし、楽天市場や楽天ポイントを共同化する仕組みができるのなら、例えば50%分(議決権分)出資してモバイル設備とともに引き受ける、ということになる可能性があります。

KDDIにとってはモバイル事業を引き受けることには追加コストはかからないので、あとはいかに楽天から有利な条件を引き出すかということになります。

楽天の時価総額は1兆円くらいなので、5,000億円くらいの出資をすれば議決権の50%を取れることになり、もしそうなればその時は楽天の三木谷氏はお役御免となるかもしれません。

これからどうなる?

<手を打つのが遅れるほど楽天が不利に>

安定的な収益を生んでなおかつ成長している金融子会社を売却してまで現金を作らなければならない状況はマイナスでしかありません。
損失が拡大して時価増額が下がると、例えばKDDIが出資する際のお金も少なくて済むようになってしまうので、株主のとっては一刻も早く手を打ってほしいところです。
うまくいっている事業を売却して、結局出資を仰いで乗っ取られてしまうというこの状況は、あの東芝を彷彿とさせます。

<ユーザーにとっての価値>

楽天は菅元総理の旗印のもと、日本の携帯料金を下げようと動いてきました。
それに発破をかけられて各社「ahamo」「povo」「LINEモバイル」を整備したので、楽天の使命は終えたと言えるのではないでしょうか。
そもそも楽天経済圏を活かすにしても、楽天がキャリアを持つ必要があったのか、MVNOで十分だったのではないかと思います。

<あとは三木谷会長次第>

ここまでくると、あとはもう三木谷会長の決断次第ということになります。
楽天モバイルは明らかに“負け戦”です。
勇気ある撤退というのも重要な戦略です。

楽天はモバイル事業を除けば非常に良い企業であることは間違いないので、ぜひ頭を冷やして経営していただきたいと思います。

(※編注:今回の記事は動画でも解説されています。ご興味をお持ちの方は、ぜひチャンネル登録してほかの解説動画もご視聴ください。)


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image by:Karolis Kavolelis / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2023年4月8日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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