日経平均株価が上昇し続けていて、連日バブル後最高値を更新しています。今回の日本株の上昇には外国人投資家の買いが大きく影響しています。そこで今回は、外国人投資家が何を考えて日本株を買っているのかということについて解説したいと思います。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』栫井駿介)
プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。
日経平均上昇の要因は外国人投資家にアリ
日経平均株価はこの3月から大きく上昇していて、バブル後の最高値を更新しています。
しかし、この「日経225」というものは大型株で構成されているもので、さらに言うと、ファーストリテイリングやアドバンテストなど日経平均を大きく動かす値嵩株の上昇が日経平均を押し上げている側面があります。
そのため、日経平均は年初来で30%以上上昇していますが、トピックスは22%程度の上昇にとどまっています。
大型株ばかりが買われて小型株は買われていないという”ゆがみ”が生じているのです。
この状況を考えると、規模の大きい投資家が入ってきていること、そして、指数が買われているということは細かい銘柄選定までは行われていないのではないかと思われます。
「日本株だから買え」という動きが起きているということです。
そういった動きを取るのは誰なのかというと、外国人投資家です。
これは、投資主体別売買動向と日経平均を並べたグラフですが、海外投資家(青線)が買い越しに転じた時には日経平均が上がりやすいと言われていて、実際に3月からはずっとプラスで推移していて、その間日経平均は上昇し続けています。
外国人投資家は基本的に「順張り」で、個人投資家(赤線)とは逆の動きをします。
外国人投資家が買い越して日経平均が上がっている時は個人投資家は利益確定に走るという動きになっているわけです。
外国人投資家は上がっているところに乗り遅れまいとする傾向が強く、今はとにかく日本株を持っておこうとしていて、まずは日経平均、そして注目されている半導体関連、その後今のような割安株(トヨタなど)と、日本の大型株の中で物色しているところだと思われます。
こういった物色の流れが割安株に回ってくるのは後半の方になる傾向があります。
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