「人間を孤立させた方が得する」のでそうやっている
現代社会の中では、人はどんどん孤立する方向に向かって突き進んでいく。そして、これを「企業」もまた家族の破壊を促進させていく。
企業は悪意があって家族破壊に歩を進めているわけではない。「家族をバラバラにした方が得する」のでそうやっている。ほとんどの企業は国民が大家族になってくれるよりも、核家族になってくれた方が得をするのだ。
そして核家族になるよりも、完全にひとりひとりがバラバラになってくれた方がもっと得をする。単身世帯になってくれればくれるほど良い。
なぜか。理由は、ただひとつ。その方が儲かるからだ。
企業はそれが儲かるのであれば、その方向に誘導する。資本主義とは企業の都合の良い方向に社会が変わる。企業はそれだけのパワーがあるからだ。
単身世帯が増えるというのは、企業が儲かることなのだ
たとえば冷蔵庫やクーラーを売るとする。大家族であればひとつの冷蔵庫、ひとつのクーラーしか売れない。しかし、核家族になれば、家族ごとに冷蔵庫やクーラーが売れる。
その家族さえも解体されてバラバラになってくれると、個人個人が違うところに住み、それぞれ冷蔵庫やクーラーを買うことになる。
大家族10人が1つの冷蔵庫を共有するよりも、ひとりひとりがバラバラになってくれて、それぞれが冷蔵庫やクーラーを10台買ってくれた方が企業にとっては都合がいい。
10人の大家族が各1人に解体されると、単純に言うと企業は10倍の商機が生まれるのである。電子レンジ、オーブン、調理道具、テレビ、テーブル、家具、数々の雑貨。人間がバラバラになればなるほど企業は儲かる。
こうしたものを売りつける企業は、間違いなく「家族が解体されていく方向」を望むだろう。
不動産産業も家族が解体されて、人間が孤立化してくれた方が儲かる。家族がバラバラになってくれれば、そのひとりひとりが散らばって違うところに住まいを借りて、家賃を払ってくれるからである。
日本人がみんなバラバラになってくれれば、アパートやマンション等の不動産経営をしているオーナーたちはみんな大喜びだろう。ひとりひとりからバラバラに家賃が取れるようになるからだ。
単身世帯が増えるというのは、儲かることなのだ。
では、シェアハウスはどうか。現在、日本の都会部に広がっているのはシェアハウスという「共同住まい」である。シェアハウスは一見するとバラバラの人間を寄せ集めたものだから、孤立化とは逆の方向を行っているように見える。
しかし、そうではない。実態はバラバラの人間を寄せ集めているだけなので、ひとりひとりが家賃を払う仕組みになっている。一緒に暮らしていても孤立化した集団だから、個人個人から家賃を徴収できるのだ。
家はひとつなのに、住んでいる全員から金が取れる。オーナーは大喜びだ。