企業は儲かるから家族を破壊する。フェミニストは家族という縛りを憎んでいるから家族を破壊する。政治家は諸外国に媚びて家族を破壊する。家族を守る存在は消えた。だから、家族は破壊される一方となるだろう。(『 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 』)
プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。
LGBT法と夫婦別姓という家族観の破壊
2023年6月16日に成立されたLGBT法は、正式には『性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律』と呼ぶ。
現在、「心は女性、身体は男性の人が女性の空間に入るのはいかがなものか?」と、トランスジェンダーの部分が問題になっているのだが、興味深いことにLGB(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル)の部分は、すんなり「理解する」方向になっている。
性の多様性はかつてより存在するものであり、それを理解するのは素晴らしいことではある。
ところが、これで「同性との結婚も無条件に許容する」みたいなことになると、「少子化の影響はどうなのか?」「宗教的な観点からどうなのか?」「伝統的な家族観の破壊につながらないか」となって社会が混乱することも起こり得る。
確かにLGBT法は、これまでの「家族の破壊」や「家族の解体」につながるものである。すでに日本においては「家族」が解体されつつあり、単身世帯が主流になってきている。LGBT法は、もっと家族の解体に寄与するだろう。
そもそも、LGBT法をやれと命令していたのはアメリカであり、アメリカの大使も露骨に内政干渉をしていたのだが、岸田首相はアメリカの犬なので「やれ」と言われたら尻尾を振ってそれに応えたという経緯がある。
スパイ防止法みたいなものは必要なのにまったくやらず、LGBT法みたいなものは何も考えずにやる。情けないほどの対米従属の姿勢によって、大した議論もしないで「伝統的な家族観の破壊」が進んでいくのだからやるせない。
結局はこれもあって岸田首相は国民に見捨てられて支持率が地に墜ちた。自民党の岩盤保守もこれで自民党に見切りをつけてしまった。
20年後には単身世帯が約4割を占めることになる
自民党内でLGBT法の可決に向けて動いていたのは「保守派」だと自称している稲田朋美氏だが、この議員は夫婦別姓(選択的夫婦別氏制度)も進めている。父親と母親の名前が違う。それを許容する。これもまた「家族の破壊」や「家族の解体」を加速させるだろう。
実際、「家族のつながりを希薄にしたり、バラバラになりやすい環境を作るのではないか?」と多くの国民も疑問に思っている。そして、こうした動きを客観的に見つめ、「日本で進んでいるのは家族の解体である」事実に薄々と気づくようになった人も多い。
大家族は解体して核家族になり、核家族も成り立たなくなって単身化へとなっていった。フェミニストも継続して家族破壊に力を入れている。
その結果、総務省の国勢調査によると日本人の「生涯未婚率」は、2015年の段階で男性約23%、女性約14%になったのだ。生涯未婚率とは「50歳まで一度も結婚したことがない人」を指す。彼らはずっと単身世帯である。
離婚率も35%なので、3組に1組は離婚している。さらに高齢化によってパートナーの死別によって単身世帯となる。あと20年も経つと、単身世帯は約4割を占めることになる。