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吉原高級ソープ嬢に聞く【前編】〜大久保公園の立ちんぼ女子に伝えたい風俗で賢く稼ぐ方法=鈴木傾城

性風俗業界は、年間5兆円が動き、関わる女性は一説によると約30万人近くいる巨大産業である。この風俗業界の中でもソープランドという業界は「風俗の王様」とも呼ばれるジャンルである。しかし、この業界について働く女性たちはどのように考えて仕事に向き合っているのかはあまり語られてこなかった。今回、高級ソープに所属するひとりの女性「本田きく」さんに、作家・鈴木傾城がインタビューを試みた。(『 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 』)

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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。

5兆円産業「性風俗」の花形“ソーブ嬢”に鈴木傾城がインタビュー

風俗業界で働く女性たちはどうキャリアアップしていくのか?

女性の社会進出が進む中で、さまざまな業界で女性のキャリアアップやキャリアプランの話が語られているのだが、その中で今までまったく語られてこなかった「別世界」の業界がある。それが性風俗の世界である。

風俗業界は年間5兆円が動く巨大産業であり、市場規模も年々拡大していく傾向にある巨大市場である。この5兆円というのは、精密機器業界だとか人材派遣業界とほぼ同じくらいの業界規模なのである。けっして小さな業界ではない。

関わっている女性も約30万人近くいるだろう。にもかかわらず、現役の風俗嬢が自分の職業を語らないのは、世間的にはそれは「裏の世界の仕事」と捉えられており、女性たちもまた語ることをはばかるからでもある。

とりわけ、ソープの世界では女性がどのような考え方で仕事に向き合い、取り巻く状況がどうなのかはまったく女性の口から語られてこなかった。好奇の対象として仕事内容が語られることはあるが、「仕事を取り巻く状況」についてはほとんど語られていなかった。

他の業界では、女性のキャリアアップ・キャリアプランはよく語られるのだが、風俗業界はプレイヤーのほとんどが女性なのに、どうキャリアアップするのかも語られていないし、女性たちにも共有されていないように見える。

今回、日本を代表するソープ街「吉原」の高級ソープに勤める女性・本田きくさんが、顔出しでこのあたりについて詳しく語ってくれることになった。作家・鈴木傾城がインタビューを試みた。

「高級店で働けば稼げる」という誤解

鈴木傾城(以下、鈴木):本田きくさん、本日はどうぞよろしくお願いします。

本田きくさん(以下、本田):よろしくお願いします。

鈴木:本田さんは、現在は吉原のとある高級ソープで働いておられるのですが、風俗嬢として稼ぐ場合、大衆店から中級店、中級店から高級店、というキャリアアップ・キャリアプランがもっとも稼げると考えていいのでしょうか?

本田:いえ。皆さん誤解されておられると思うんですけど、実はそうじゃないんです。風俗というのは、その人の働きやすさで売り上げが変わってくる仕事なので、かならずしも高級店に入れば大衆店や中級店より稼げるわけではないんです。

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鈴木:そうなんですか?風俗嬢は高級店に行ったらものすごく稼げて、格安店とかそういうところでは全然ダメで、だからみんな高級店を目指さないと食べていけないんだなと思ってたんですけど、全然そうじゃない?

本田:これはレストランで考えるとわかりやすいかもしれません。高級店と大衆店では回転率がまったく違います。もちろん、お客様の質やお店の値段は、高級店のほうが圧倒的に高いんですよ。高いのは高いですけど、でも、お客様が6万円の会席を毎晩食べられるかというと、そうじゃないですよね。「2か月に1回でいいかな」とか「1か月に1回でいいかな」と思うわけです。やっぱり1,000円のランチの方が回転率は爆発的に高いのです。

鈴木:なるほど、回転率が取れる女の子は逆にそっちのほうがいいと。

本田:はい。料亭とスナックという例えも、しっくりくるかもしれません。高級料亭のお運びさんは、すごい教育を受けていて、すごい知識も豊富で、礼儀作法もわかってます。でも、お給料はスナックのお姉さんとどっちがいいか……。もしかしたら、スナックのお姉さんのほうがお給料が多いかもしれないです。それと似たようなところがソープの世界にもあります。どんなにキレイな子でも回転率が悪いと、高級店でも大衆店の子に売り上げで負けることもあるわけです。

鈴木:高級店というステイタスと実入りは合致しないということですね。

本田:普通の会社だと大企業だとか、その外資系だとかっていうところに勤めた方が絶対収入が良くなるじゃないですか。でも風俗では、本人が「働きやすい、接客しやすい、自分なりのフォーム」を築き上げちゃったら、実は格安店の方が1日に5万稼げるとか、そういうことになるんですね。

鈴木:なるほど。「自分に合う」というのがすごく大切になるのですね。

本田:風俗は「裁量労働制でインセンティブがめちゃめちゃつく会社」に働く人と似てる感じですね。残業も勤務時間も自由でいいよ。ただ自分が成果を出して成果報酬を上げられる会社を選べばいいっていう。それが風俗の世界なんです。だから、手取りがどれだけで、接客時間がどれだけで、自分がどの客層に合うかということを分かれば、どこで働くかはわりと1年もしなくて分かってくる感じです。

Next: 完全な成果主義。結果を出せない風俗嬢はどう生きるか

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