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LGBT、夫婦別姓…日本が突き進む「家族の解体」で儲かるのは誰か?20年後には単身世帯が約4割に=鈴木傾城

気がつけば「ひとりで暮らし、ひとりで生きる」社会に

家族がバラバラになるというのは、資本主義的に見ると商機が増えるという意味で望ましい。だから、資本主義が優先されている現代社会においては、無意識の中で人間を孤立させる方向に向かっていく。

ひとつひとつの企業は別に「家族を解体させてもっと儲けよう」と壮大な陰謀を持っていたわけではない。しかし、単身世帯が増えた方が企業は儲かるので、単身世帯をことさら「良いもの」のようにコマーシャルでも描く。

それぞれの企業がそのように単身世帯を描き、それぞれの企業が儲かる方向に世の中のあり方を変えようとしたら、人々がそれに影響を受けないはずがない。それが積もって「単身世帯が増えて社会が変わっていた」という結果になったとして驚く人はいないはずだ。

テレビやコマーシャルで何かが宣伝されたら翌日にはその製品がなくなるほど影響を受ける人々が、単身世帯に関して「まったく影響を受けなかった」というのは逆にあり得ない。

私たちが孤立化すればするほど企業は儲かるのだ。現代社会において私たちの意識を支配しているのは紛れもなく企業なので、私たちは知らずして企業に孤立化への道を誘導されている。だから、気が付けば「ひとりで暮らし、ひとりで生きる」ようになっているのである。

今の日本はもう「家族」という形さえも成り立たなくなるほど孤立化している。そのため、最近はあちこちの集合住宅で「孤独死」が当たり前になってきている。高齢者は社会から完全に孤立した。

いや、孤独死するのは高齢者だけではない。若年層も単独世帯が多いので、ひとり暮らしのアパートやマンションで何かがあると孤独死してしまう。

インターネットの世界では「シェアする」「共有する」「つながる」という言葉が大流行しており、孤立よりも結びつきが重視されている。ところが、リアルな社会では「別れる」「孤立する」「断絶する」が流行しているのだ。

リアルな社会が断絶に向かっているから、逆にインターネットの世界ではシェアが「売り物」になっている。リアルな世界で満たされないものを、人々はインターネットで満たそうとしている。

「個性や自由や自分らしさ」こそが他人と自分をバラバラにする

企業は「俺たちが儲かるから、お前たちはバラバラになれ」と命令するわけではない。そんな独裁主義的なやり方はしない。企業は「新しいライフスタイル」を魅力的に描くことによって、人々を誘導する。

では、家族をバラバラに解体するために、それぞれの企業はどんな「素晴らしいライフスタイル」を提案してくれたのか。たとえば彼らは私たちに「個性と自由を尊重する」というライフスタイルを提案してくれた。「自分らしさ」が何よりも大切であると強く私たちに訴えてくれた。

なるほど、それは悪いことではない。人はみんな個性を持っている。自分らしさを大切にするというのは、誰も否定できない考え方である。

ところが、その「個性や自由や自分らしさ」こそが他人と自分をバラバラにするのは言うまでもない。それが大切になると、家族と一緒にいることもできなくなる。家族の個性と自分の個性はまったく違うものだからだ。

自分らしさの方が大切だと過剰なまでに思うようになると、家族の価値観ともズレはじめ、バラバラにならざるを得ない。個人個人が「個性」を発揮して家族内で衝突し、「自由」を発揮して家族から外れていく。

家族は「個性と自由と自分らしさ」によって、自然とバラバラになっていく。

Next: 企業は儲かるから家族を破壊する。提案されたとおりに生きる私たち…

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