高配当株投資から成長株投資へ
ただし、注意が必要で、高配当株の再投資戦略が資産形成においてあまり有利ではないというデータがあります。
アメリカのデータですが、高配当に焦点を当てた投資信託ETF(SPYD)と、S&P500(VTI)を比較すると、S&Pの方がパフォーマンスが良いという結果になっています。
高配当株を選び出して配当を再投資するよりも、成長株を含むインデックスに投資して放っておく方が、資産が増える可能性が高いということです。
なぜこうなるかというと、高配当株には成熟した企業が多く、成熟企業が高配当を出す背景には新たな投資先が無く成長性が低いということがあるからです。
そのため、成長株を含むインデックスに劣る結果となってしまうのです。
高配当株を個別に選んで投資するのは無駄だと感じるかもしれませんが、私が、上達を目指す初心者の方に高配当株投資をおすすめする理由はその先にあります。
高配当株からスタートすると、配当の継続性や財務状況、株価の指標などを見られるようになります。
これを通じて、成長するビジネスを見極めるスキルが身につき、企業の成長性を判断できるようになります。
成長する企業は、稼いだ利益を再び事業に投資し、資本を増やしていきます。
例えば、ROEが10%の企業は、毎年10%ずつ資本を増やしていることを示しています。
それに伴い株価も上がっていくので、高配当の企業よりも高ROEの企業の方がリターンが大きいということになります。
そして、成長する企業は将来的に配当も増えます。
同じ配当性向で株価が上がったとすると、買値に対する配当利回りが上がることになります。
株価の値上がり益と配当、両方の成果を得られることが成長株投資のメリットとなります。
<デキる投資家になろう>
まず高配当株投資から始めて、企業を見極める力がついてきたら成長株投資にチャレンジしてみるというのが、投資家としてのステップであると考えています。
成長企業の見極めは容易ではありませんが、1つでも見つけられれば大きなリターンをもたらしてくれます。
私たちはこのような投資を目指しています。
(※編注:今回の記事は動画でも解説されています。ご興味をお持ちの方は、ぜひチャンネル登録してほかの解説動画もご視聴ください。)
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『
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
』(2023年12月13日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。