fbpx

二度とない中国の復活。いま起こっているのは実質的なバブル崩壊、人口がどんどん減っていく中国に勝ち目はない=鈴木傾城

中国の不動産市場はGDPの約20〜30%に影響を与えるものであり、ここが崩壊していくというのは中国経済が崩壊していくも同然である。中国の時代は、もうやって来ない。終わった。実質的にバブル崩壊が起こっていると見てもいい。今後、世界はそれを確信することになる。(『 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 』)

【関連】インドの急成長を日本人はまだ知らない。投資家は未来の「デジタル超大国」に賭けたほうが確実性が高いと言える理由=鈴木傾城

プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。

中国の時代は不動産バブルの崩壊と共に終わった

経営再建中の中国不動産大手・中国恒大集団がニューヨークで連邦破産法第15条の適用を申請したのは2023年8月17日のことだった。

この企業はその2年前から経営危機に陥っていて、米ドル建ての社債の利払いができなくなって、この時点で債務不履行(デフォルト)と認定されていたのだが、その負債総額は約49兆円にのぼることが発覚して世界は息を飲んだ。

そして、2024年1月29日、香港の高等法院(高裁)はこの企業に清算命令を出して、この企業は実質的に法的整理の手続きに入ることになった。

中国の不動産市場は2021年から崩落に近い様相を見せており、問題は中国恒大集団だけにとどまらない。ほかにも、融創中国・世茂集団・佳兆業集団・花様年控股集団・新力控股集団……と多くの不動産デベロッパーが危機に瀕している。

これらの企業は主に銀行からの融資や社債発行によって調達されているのだが、不動産市場の低迷で住宅販売が低迷し、資金繰りが悪化していく一方である。新築住宅価格は、2021年9月から全国平均で約10%以上も下落し、とくに上海や深圳などの大都市で下落率が顕著である。中古住宅価格も下落している。

それもそうだ。これまで多くの都市で平均的な住宅価格は年収の10倍を超えていた。中国の不動産市場は完全にバブルだったのである。

しかし、中国もいよいよ少子高齢化に入り、人口は減少する。すでに住宅価格は高騰して中国政府も規制を強化している。このため、不動産市場の低迷は、今後も続く可能性が高い。

中国の不動産市場はGDPの約20〜30%に影響を与えるものであり、ここが崩壊していくというのは中国経済が崩壊していくも同然である。

中国の時代は、もうやって来ない。終わった。実質的にバブル崩壊が起こっていると見てもいい。

「不正」で成り上がった中国経済

そう言えば、中国べったりのジャーナリストや評論家は、ずっと「アメリカの時代が終わって、これからは中国の時代がくる」と言い続けてきた。

2008年当時のことを私は今でも覚えている。欧米の金融システムがリーマン・ショックで大混乱した後、中国べったりの識者たちは「これからは中国の時代が来る」と高らかに宣言し、返す刀で「アメリカはもう終わりだ」と嘲笑していた。

ドルの価値も崩壊し、この世からドルが消えるとも言った。そして、中国が世界に君臨するのだと彼らは高らかに宣言した。

ところが、アメリカが脅威の粘り腰で崩壊から踏みとどまって経済回復していき、やがてアメリカは中国のやっている「不正」を激しく糾弾するようになっていった。

中国は世界中の知的財産を強奪し、その強奪によって自国の経済発展を成し遂げてきた「泥棒国家」である。

知的財産を強奪するためにスパイを放ち、重要な技術を持つ企業や大学の情報を根こそぎ盗み、それぞれの国の政治家を買収し、ワイロやハニートラップでワナにかける。

中国は、国家から国策企業までもが、そのような不正手段を常習化させていた。

Next: 来なかった中国の時代…人口がどんどん減っていく国に勝ち目はない

1 2 3
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー