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FXや投資の世界では、「どんな手法を使うか」「誰から学ぶか」に目が行きがちです。しかしその前に必要なのは、自分自身を深く理解し、相性の良いスタイルを選ぶこと。
日経225先物を中心にシステムトレードを実践しながら、投資家教育にも尽力している村居孝美さんに、「自分に合ったトレードスタイル」の見つけ方について伺いました。
聞き手・本文:鹿内武蔵
(『外国為替』vol.1より改変)
村居孝美(むらいたかよし)氏プロフィール
伝説的トレーダー集団タートルズ、世界的投資家ラリーウイリアムズ氏他、トップトレーダーに直接取材を敢行し、その体系を再現すべく、システムトレードソフト「KENSHIRO-225」「ロジツク」をリリース。市場独自のアノマリーと値動きの規則性で作り上げた複数の売買戦略にて、リスクを軽減し高リターンの実績を上げている、トレード歴20年のシステムトレーダー。【著書】トレードの成功哲学 (パンローリング)
まずは「自分を知る」ことから。環境・能力・目標を洗い出そう
―FXにはスキャルピング・デイトレード・スイングトレードといった時間軸による分類や、手動か自動かといった区別もあり、さまざまなトレードスタイルがありますが、どのようにして自分に合ったものを見つけるべきでしょうか?
最初の一歩は、自分を深く知ることです。その際に見るべきポイントは、大きく3つあります。「環境」「能力」「目標」です。
まずは「環境」を整理しましょう。たとえば毎月の収入はいくらで、そこから投資にどれだけ回せるのか。現在の貯蓄額や、リスクにさらしても問題ない資金の範囲。1日にどれだけチャートに向き合えるか、勉強の時間が週に何時間取れるか。師匠はいるのか。家族の理解や協力はあるか。こうした生活環境が、トレードスタイル選びに大きく影響します。
次に「能力」です。ITスキルやプログラミング経験、統計学やデータ分析の知識、情報収集の習慣の有無。また、性格も大事な要素です。せっかちな人とのんびりした人では、向いているトレードの時間軸が異なります。
そして「目標」。いつまでにいくらを稼ぎたいのか。目標が高く、時間が限られている場合は難易度が上がります。逆に、長期的にコツコツ増やすスタイルでよいなら成功の確率は高まります。
―やはり自己分析がすべての土台なのですね。
そうですね。自己理解が深まると、トレーダーとしての価値観や行動パターンが見えてきます。それにマッチしたスタイルを選ぶことで、ブレない投資家として成長できるんです。
さらに、お手本にしたい「先生」を見つけることも重要です。人から学んだ方が学習効果は高いです。
逆に、自分に合っていない先生から学んだり、自分の環境に合わない手法をマネしようとすると、うまくいかない可能性が高くなります。まずは自分を知ること。それが、すべての起点だと思います。
一人で全部やらなくていい──投資も「チーム戦」で取り組む時代
―村居さんがシステムトレードを始めたきっかけについて教えてください。
私はプログラミングの知識がありませんし、会社経営者でもあるので、システムを一から自作するのは難しかったんです。でも、トレードのアイデアはたくさんありました。そこで、日本語で売買ロジックを検証できるソフトを、プログラム能力がある方に構築してもらいました。
すべてを自分で抱え込まず、得意な人に任せる。これは投資においても大事な考え方です。たとえばヘッジファンドでは、運用責任者とは別にプログラマーやリサーチャーがいて、それぞれの強みを活かしながら運用チームを構成しています。
もちろん個人投資家がそこまで大規模にする必要はありませんが、「何を自分でやるか」「どこは外部に頼るか」を明確にすることは、効率的な投資活動につながります。
たとえば、トレードアイデアを思いついたとして、その検証をする時間がないなら、プログラムが得意な人にEAを有償で作ってもらい、バックテストをしてみるのもよいでしょう。でも、その結果を元に運用判断を下すのは、最終的には自分の役割です。
昔と比べて今は、優れた投資専門書や高性能なパソコンなどのツールも手頃な価格で手に入ります。自分の能力・時間・資金に合わせて、「自分なりのチーム」を組む意識を持つことが、投資で生き残る一つの鍵だと思います。
「生き残る」ことが投資のすべての出発点
―FX、投資で成果を上げようと頑張っている人に向けてアドバイスをお願いします。
まずは「生き残ること」。これに尽きます。どんなに優れた手法でも、退場してしまえば意味がありません。私は国内外のいろいろな投資のプロに話を聞いてきましたが、誰もが「生き残る」ことの大切さを説いていました。
自己分析をして大きな目標を掲げたら、それを実現するための「小さな目標」も決めてください。何から着手するか、いつまでにどこまで達成するかを明確にして、着実に進めていきましょう。
いきなり大きなロットで勝負せず、小さなロットで成功体験を重ねて、自信と実力を育てていく。これが投資で勝ち続けるための基本です。(『外国為替』vol.1より改変)
外国為替編集部が推せる「トレードスタイル別」FX口座3選
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