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Netflix、なぜコロナ追い風のはずが失速?2つの要因と新規加入増の秘策=シバタナオキ

コロナ禍によるステイホームの追い風が続くと期待されたNetflixの決算は、投資家的には少しガッカリだったと言われています。2020年7月-9月の四半期決算から、同社の現状と今後の動きを読み解きます。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)

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※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2020年11月10日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:シバタ ナオキ
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。

Q. 新規加入者数が低調だったNetflix、最も新規獲得数が大きい地域は?

A. 今四半期の新規加入者数220万人のうち、アジアパシフィックが101万人(世界の46%)を占めるNo.1地域。
Netflixはアジアの中でも特にインドに注力しています。

今回は、Netflixの2020年7月-9月期の四半期決算を見ていきたいと思います。

報道でご覧になった方も多いかもしれませんが、今回の四半期は新規加入者の獲得数がアナリストの予想よりも低く、投資家的には少しガッカリした決算だと言われています。

しかし、決算の内容をよく見てみると、地域別にまだまだ伸びている地域もありますので、今回はその辺りを詳しく見ていきたいと思います。

※参考・図表出典:Netflix 2020 Quarterly Earnings Letter to Shareholders(2020/10/20)

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四半期売上は、$6.4B(約6,400億円)で前年同期比(YoY)+22.7%でした。四半期の営業利益は$1.3B(約1,300億円)でYoY20.4%の伸びとなっています。

売上も営業利益もどちらも+20%を超える高い成長率を誇っていますが、今年の第1四半期売上がYoY+27.6%、第2四半期売上がYoY+24.9%だったことと比較すると、売上の成長スピードが落ちてきているのも事実です。

トータルの有料会員数は1.95億人、YoY+23.3%で成長しています。 しかし、今四半期に新規加入した有料会員数は220万人にとどまっており、前の2四半期(新規加入者数:1,577万人、1,000万人)と比べると、新規加入者数が大幅に減少したように感じられます。

過去4年間で最低レベルの新規加入者数

このグラフが四半期ごとの新規有料会員の加入者数を表したものになります。

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グレーがアナリストの予想、緑と赤が実績を示しています。予想を超えていた場合は緑、予想を下回った場合が赤で表記されています。

グラフを見ると一目瞭然ですが、今回の220万人という新規有料会員獲得数は、過去4年間で見た時に最低水準の数字です。

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一方で、年間の新規有料会員加入数はこちらのグラフになります。2020年は赤線で示されています。今期の第3四半期で、すでに2019年の1年間の新規加入者数を超える成長をしています。

このグラフの読み方は人によって意見が分かれるかもしれませんが、私の個人的な印象としてはコロナ禍で前四半期までにNetflixを見たいというユーザーを前倒しで獲得しきってしまったため、今四半期は加入者数が鈍化しているのではないかと感じます。

Next: 失速の原因は自宅待機疲れ?新規コンテンツ投入の遅れも

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