原因は自宅待機疲れ?新規コンテンツ投入の遅れ?
新規会員加入がスローダウンした原因については、いくつか考えられるかと思います。
1つ目の可能性は「自宅待機疲れ」ではないでしょうか。アメリカではまだ学校や会社などがオープンしていない地域も多く、地域によっては基本的にずっと外出を控えて自宅にいます。最初は楽しくNetflixを見ていても、だんだん自宅でテレビや動画ばかりを見る生活に飽きてきて、外出して遊びたいと思う人が増えていてもまったく不思議ではありません。長期化によって、自宅待機疲れを起こしてしまってる人も多いのではないでしょうか。
2つ目の可能性は、「新規コンテンツ投入の遅れが影響している」可能性です。
決算発表資料に、コロナ禍でNetflixは映像の撮影をかなり慎重に進めているという記載があります。本来であれば今年リリースされていたはずの新しい大作の撮影が遅れたことによって、リリースを来年に延期しています。
Netflixの「キャッシュフロー」という点ではポジティブなニュースかもしれませんが、「ユーザーに魅力的なコンテンツを届ける」という点においては若干ダメージがあるのかもしれません。
地域別のパフォーマンス
冒頭でお伝えした通り、新規加入者数は地域別に大きな違いがありました。
地域別の新規加入者数を見てみると、北米では18万人、ヨーロッパでは76万人、南米では26万人、アジアでは101万人となっています。
アジアの新規加入者数が多いですが、アジア地域も前2四半期の新規加入者数(360万人、266万人)と比較すると減少しています。アジア地域でも需要を先取りしてしまったと言えそうです。
前四半期と比較してアジア地域の新規有料会員数が減少していると言っても、今四半期の新規加入者数の46%をアジア地域が占めていて、アジア地域の売上は今四半期で$635M(約635億円)、YoY+66%と成長しています。韓国と日本での家庭でブロードバンド・Netflixの利用が二桁成長した成功体験をインドなど他の国でも展開したいと説明しています。
コロナ禍が続いている北米・ヨーロッパ・南米の新規加入者数が緩やかになっているのに対し、コロナの影響が縮小してきたアジア地域の新規加入者数や売上の成長が比較的維持されていることが特徴的だと感じました。
もしかしたら、7月からコロナの感染者数が大幅に増加し、アメリカに次いで世界2位の感染者数になっているインドがアジア地域の新規加入者数を牽引したのかもしれません。