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パクリ格安店も…スターバックス中国進出の苦悩。テスラ、アップル、ナイキほか撤退できない米国企業が窮地に陥っている=鈴木傾城

その中国ではスターバックスのパクリ格安店もできて、価格に敏感な中国人はスターバックスよりもそのパクリ店のほうに入るようになってきている。かといって、スターバックスがパクり店なみに価格を引き下げたらブランド力が低下してしまうので、それもできない。

そこで、スターバックスの経営者は、中国でもっと店を増やしてとにかく売上を上げることを決断したようだ。しかし、それをすればするほど、スターバックスは中国に捉えられていくようになり、中国敵視をするアメリカ政府との乖離も生まれることになる。

このまま中国依存が続いていくと、米中に決定的な亀裂が起きたときスターバックスも株価17%では済まないことになってしまうだろう。

スターバックスとテスラは中国依存を鮮明に

2024年現在、アメリカは大統領選挙のまっただ中で、バイデン大統領とトランプ前大統領が激しく支持争いをしている。バイデン大統領はあまりの高齢で、あと4年も大統領職をまっとうできるのかどうかわからないような体調だ。アメリカ人の多くがそれを懸念している。

そのため、もしかしたらアメリカ人の多くはふたたびトランプ前大統領を選択する可能性も見えてきている。

かりにトランプ前大統領が今回の大統領選挙で勝ちあがったら、中国との軋轢はふたたび激しいものとなり、中国切り捨て政策は過激に進んで、思ったよりも中国排除は早く進むかもしれない。

そうなったとき、いつまでもグズグズと中国に居残っている米国企業が大きなダメージを受けることにあるのは自明の理だ。スターバックスは、さしずめそうした企業のひとつでもある。

最近では、テスラのイーロン・マスクが中国に電撃訪問している。そして、マッピングとナビゲーション機能においては、中国大手の百度と提供し、中国のデータセキュリティーとプライバシーの対応に配慮することを約束している。

これによって、テスラは中国でEV車を販売し続けることが可能になった。テスラにとって中国はアメリカに次ぐ第二の市場であり、ここを落としたらもうテスラの未来はない。そのため、テスラもスターバックスと同様に、中国に「もっと」深入りすることを決断したようだ。

それと同時にイーロン・マスクは、インドのモディ首相との会談をキャンセルしているので、イーロン・マスクはあからさまにインドよりも中国を取ったことになる。

中国市場に依存して売上を上げているアメリカ企業は、アメリカ政府が中国を敵視する中でも、こうした動きをとめることができないので、彼らは今度はアメリカ政府とも対立することにもなりかねない。

Next: 多くの中国参入企業が技術を盗まれて逃げ帰っていく…

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