ジム・ロジャーズ氏は史上最高値の株式相場でどう動くか。世界三大投資家の行動原理

※『世界三大投資家ジム・ロジャーズの「Make Japan Great Again」』次号は2024年6月16日配信です。ご興味を持たれた方はこの機会にご購読ください。

プロフィール：ジム・ロジャーズ
1942年、米国アラバマ州生まれ。イェール大学で歴史学、オックスフォード大学で哲学を修めた後、ウォール街で働く。ジョージ・ソロスとクォンタム・ファンドを設立し、10年間で4200％という驚異的なリターンを上げる。37歳で引退した後、コロンビア大学で金融論を指導する傍ら、テレビやラジオのコメンテーターとして活躍。ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並び世界三大投資家と称される。

読者からジム・ロジャーズ氏への質問その1：私は現在アメリカ株を中心に買っています。エヌビディア、メタ、クラウドストライク、アップル……これらの株の今後はどうなると思いますか？

読者：私は現在アメリカ株を中心に買っています。エヌビディア、メタ、クラウドストライク、アップルなどです。これらの株の今後はどうなると思いますか？

また米国株以外のおすすめはどこでしょうか？私はインドの株も少し持っていますが、これについても、ジムさんの今後の見通しを教えていただきたいです。

これまではアメリカのドルを中心に持ってきました。他の国の通貨でおすすめがあれば、それも知りたいです。

ジム・ロジャーズ氏の回答：私は史上最高値で株は買わない

ジム・ロジャーズ氏：米国市場は史上最高値です。おっしゃっている銘柄は非常にホットで、それらも最高値を更新しています。

しかし、私は個人的には最高値で株を買うのは好きではありません。トレンドに飛びついて儲けるトレンドフォローが得意な人なら、大儲けしているかもしれません。もしそうなら、私に聞かないでご自身でやりなさい。みんな自分のやり方でやるしかないんだ。

世界には儲かっていない市場が他にもあります。例えば、中国は最高値を更新していません。中国はかなり下げています。

インド株に関しても市場が史上最高値を更新しています。そのことを分かっているのであれば、投資をする人はトレンドフォローが得意なのでしょう。インド経済とインド市場を助けるために、インド政府はもっと何かするでしょう。インドがアメリカよりも優れているのは、それほど上昇していないからではないでしょうか。

あなたが挙げた企業はどれも良い企業であり、あなたのやり方がうまくいくのであれば、どうぞあなたのやり方でやってください。他の人の真似をしようとしないで、自分のやり方でやってください。

私も米ドルをたくさん持っています。何百年もの間、数ヶ月に一度は危機が訪れています。もし、また危機が来たら、多くの人が米ドルを保有しようとします。米ドルは安全な避難場所だと思われています。だから米ドルは上がるのです。

私の考えでは、それが最後でしょう。もし米ドルが急騰するようなことがあれば、その時は米ドルを売るくらいの知恵があればいいと願います。問題は、その時に何をすればいいのか分からないことです。

私は米ドルに替わる他の通貨をまだ知りません。私は自分のお金を置くために熱心であることです。中国の通貨が論理的な答えでしょうが、中国の通貨はまだ兌換性がありません。

日本の通貨はご存知の通り、多少兌換性がありますが、日本の通貨が再び強くなるための基礎的根拠が見当たりません。取引ベースではそうかもしれないが、私は日本の通貨が1ドル＝300円を超えていたときのことを覚えています。そして今の日本の状況は、300円のときよりも悪くなっています。だから、他の通貨は知らないのです。

もし他の通貨を知っていたら、私にメールを送ってください。

読者からジム・ロジャーズ氏への質問その2：私は40才で月収40万円台です。今後の成長が見込めない日本で、ジムさんが私と同じ年齢・状況でしたら、今後に備えてどのようなアクションをしますか？

読者：私は40才で月収40万円台です。家族もいて、海外移住などはできない状況です。

いろいろなメディアで日本は今後の成長が見込めない…という内容を見ますが、もしジムさんが私と同じ年齢・状況でしたら、今後に備えてどのようなアクションをしますか？

ジム・ロジャーズ氏の回答：立ち止まるべきではない。よく調べて海外に行くべきだ

ジム・ロジャーズ氏：あなたが生きている間、そしてもっと重要なのは、あなたの子どもたちが生きている間の未来に備える必要があります。

日本はこのまま衰退していくでしょう。日本は世界中で私が最も好きな国のひとつだから、日本とその未来に対して懸念しています。日本があなたやあなたの子どおたちのための場所でないと思うなら、あなたの子どもたちのことも考えなければなりません。

あなたは彼らに少なくとも外国語を1つは教えなければなりません。英語でもスペイン語でも、あなたが決めたことなら何でもいいでしょう。そして、地球儀や地図を取り出して、自分ができることがどこにあるのかを見つけ、把握するのです。

自分を満足させるための費用を払うのです。そして、歴史を通して、そこに行くことを考えるのです。歴史上、何百万人もの人々が外国に移り住み、成功し、豊かで幸せな生活を送ってきました。アメリカを見てください。アメリカは、ほぼ100％か98％が移民の国です。そして彼らの多くは幸せで成功しているでしょう。

あなたもどこかで成功し、幸せな移民になることができます。もしあなたとあなたの子どもたちのために別の場所があると決めたら、子どもたちも幸せでなければならないし、機会がなければならないし、奥さんも幸せでなければならないことを忘れないでください。そして、調査を始めてください。

私はシンガポールに住んでいます。子どもたちが中国語を話せるように、シンガポールに引っ越しました。私の考えでは、中国語は彼らの生涯において非常に重要でした。だから私たちは数年前にアメリカを離れ、シンガポールに移り住みました。とてもとても小さな国です。

しかし、あなたの地球儀を取り出し、あなた、あなたの妻、そしてあなたの家族のためにそれを把握し、そして行動してください。ステレオタイプではないかもしれません。

アジアからアメリカに渡った移民のなかには、母国では一流の仕事に就いていたのに、アメリカでは低賃金の仕事に就いているという例もあります。ただ、言葉は通じなくても行くとか、日本人にはそういうハングリー精神はないような気がします。あまりうまく行かなかった例でほぼ確実に言えるのは、奥さんは働いていなかったということです。だから、もし2人とも別の国で働けば、状況は変わるという可能性もあります。

私の妻について言えば、幸せな人生だとよく言われています。だから、あなたの奥さんも幸せであることを確認してください。そうでなければ、あなたの家族全員が、何らかの問題を抱えることになるでしょう。

ブラジルに行けば、多くの成功した日本人移民がいるし、アメリカに行けば、多くの成功した日本人がいます。ただ、私は日本人や日本のことを深く理解してはいません。移民で成功した人は誰がいるでしょうか？でも、日本人は頭が良くて、野心的で、勤勉で、多くの成功を収めていることは知っています。

ただ、彼らがどこにいるのかは知りません。誰かが教えてくれるとは思いますが、私には十分な知識がありません。ブラジルについては知っています。他の多くの国も知っているはずです。ただ、知らないだけなんです。

ところで、野心的で頭がよければ、どこでも成功して幸せになれますよ。つまり、もしあなたが後進国に移り住んで、その国のことをよく知っていれば、大成功してとても幸せになれるかもしれません。本当に自分次第なんです。

後進国やそれほど成功していない国に行って、大成功を収めた人たちは世界にはたくさんいます。それは、大きな幸せです。その中で、あなたの質問にあった次のフレーズは本当に私の心をつかみました。「家族もいて、海外移住などはできない状況です」……まあ、まず第一に、それは正確ではありません。もしあなたが海外に移住すれば、あなたの家族は、あなたの子どもを含めて、他の国で非常に幸せで豊かになることができます。

だから、そんなことで立ち止まってはいけません。よく調べて、下調べをして、解決してください。私には2人の子どもがいて、子どものために子どもを連れて、他の国に来ました。だから、あなたも子どもたちのために何かをすればいいし、最終的には子どもたちの方がいい暮らしができるかもしれません。

（続きはご購読ください。）

★ジム・ロジャーズ氏への質問はこちらからどうぞ。回答はメールマガジン『世界三大投資家ジム・ロジャーズの「Make Japan Great Again」』に掲載されます。

質問その3：有事の際の実物資産としての金地金の重要性は分かるのですが、投資資産としてみた場合、ETFと地金では何が異なるのでしょうか？

質問その4：いま訪問しておいたほうがいい国というのはありますか？ここを見たほうがいいなど、おすすめの理由も教えて欲しいです

質問その5：お金を稼ぐこと以外で、人生で大切だと思うことは何ですか

質問その6：いま日本では、NISAやiDecoといった積立投信が政府主導で勧められています。このような投信に投資することをどう思われますか？

※これらの質問への回答はメルマガで読めます →いますぐ購読！

★ジム・ロジャーズ氏への質問はこちらからどうぞ。回答はメールマガジン『世界三大投資家ジム・ロジャーズの「Make Japan Great Again」』に掲載されます。

【関連】ジム・ロジャーズ氏が考える日経平均の高値余地は？急騰の予想的中も「飛び込み買いはしない」