莫大な損失を抱えて自殺する投資家も出てくる
これまで順調に上がってきた日経平均株価は、この日銀の無謀な利上げを契機に一気に相場急変し、パニック売り、狼狽売り、投げ売りとなった。日経平均先物でも、TOPIX先物でも、共にサーキットブレーカーが発動しているのを見ても、投資家のパニックぶりがわかるはずだ。
サーキットブレーカーというのは、「価格が一定以上の変動を起こした場合にはパニックが起きていると見なして、強制的に取引を停止させる制度」を指す。このサーキットブレーカーがなければ、相場はもっと下落していた。
先物でパニックが起きてサーキットブレーカーが発動されているというのは、何が起きているのかというと、信用で買っていた投資家たちも爆下げに追い込まれてパニックを引き起こしているということなのだ。
信用取引をして目論見が外れた場合、投資家は巨額の損失をこうむることになる。信用取引では、少ない資金で大きな取引ができるため、目論見が外れて株価が予想と逆の方向に動いた場合、通常の現物取引よりも大きな損失が発生する。
株価の下落により、口座の保証金維持率が一定水準を下まわった場合、証券会社から追加保証金の差し入れを求められる。これを追証(おいしょう)と呼ぶ。今ごろ、信用取引をしていた投資家の少なからずが「資金を追加しろ」と追証を求められて、地獄を見ているはずだ。
信用取引をしている連中は、だいたい追加の資金なんか用意できないことが多い。そのため、ほとんどは追証がきた時点で詰みとなる。その場合、その建玉(ポジション)は証券会社の任意で強制的に決済されることになる。
これで口座の現金が不足した場合は、チャラになるわけではなく受渡日までに不足金を入金する必要がある。入金できないと、証券会社は法的手段を講じる可能性も出てくる。その結果として、投資家の他の資産が差し押さえられることも当然ある。株の取引も不足分を返すまでできなくなる。
2024年8月5日、そういう状況に追い込まれた投資家が大量に発生しているということになる。莫大な損失を抱えて自殺する投資家も出てくるだろう。
馬鹿が馬鹿なことをするのは一度だけではない?
岸田政権はこれまで「貯蓄から投資へ」といって、素人をどんどん金融市場に引き寄せてきた。新NISAを用意し、大々的に宣伝し、今まで投資に無縁だった人々を株式市場に誘導してきた。
そうやって、あまり投資の知識のない素人の資金を大量に集めて、経済的な愚策で株式市場を悲惨なまでに大暴落させたのだから、はっきりいって万死に値する無能首相と断言してもいいだろう。
国民の金を株式市場に誘導し、本来は起きなかったはずの暴落を引き起こした。それが岸田首相のやったことだ。結局のところ、無能な政治家に踊らされていると、その無能さに振り回されて自分まで破滅してしまう。
「馬鹿とつき合ったら自分もトラブルに見舞われる」と皮肉なことをいう人もいるのだが、いまや日本政府が馬鹿丸出しなので、日本政府の誘導に乗せられていると、自分が大損害をこうむることになる。
新NISAで株式市場にデビューして手痛い損失をこうむった人たちにとっては、今回は苦い教訓になったはずだ。問題は「馬鹿が馬鹿なことをするのは一度だけではない」という恐ろしい事実である。
馬鹿な政府に乗せられたまま、だらだら付き合っていると、これからもさらに大きなトラブルに巻き込まれる。そのたびに、損失を食らうことになる。「馬鹿が馬鹿なことをするのは一度だけではない」というのは、よく覚えておくべきだ。