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弱気相場は「理想的な買い場」? インターネットバブルと比較したAIブームの行方

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米国株への弱気ムードや「AIバブル崩壊」懸念が高まる中、市場には不安の声が広がっています。しかし、ITバブル期との比較データや投資家心理を見ると、AIブームはまだ序盤と考えられます。長期積立投資家にとっては、今が理想的な買い場になり得る局面だという見方です。(※2025年11月21日収録のマネックス証券YouTube動画に基づく内容です)

米国株への弱気ムードや「AIバブル崩壊」懸念が高まる中、市場には不安の声が広がっています。しかし、ITバブル期との比較データや投資家心理を見ると、AIブームはまだ序盤と考えられます。長期積立投資家にとっては、今が理想的な買い場になり得る局面だという見方です。(※2025年11月21日収録のマネックス証券YouTube動画に基づく内容です)

【AIバブル崩壊はいつ?】米国株式市場の今後をITバブルと比較して徹底予測します!!

岡元兵八郎氏:マネックス証券のハッチこと岡元兵八郎です。2025年11月に入り、米国株についての弱気な声やネガティブなヘッドラインが一気に増えています。そのせいで「AIバブルはもうピークなのでは?」「そろそろ崩れるのではないか?」という不安を感じている方も多いはずです。

しかし、僕の結論はまったく逆です。今のAIブームは成長の序盤で、ピークには程遠いと思います。本日はその理由を、歴史的なデータや投資家の心理といった観点から論理的にご説明します。

ここ最近の米国株式市場の動きを見ると、11月に入ってからマーケットに対して弱気、あるいはネガティブな見方が急増しました。こちらのスライドにもいくつか挙げていますが、このようなコメントを目にすると不安を感じる投資家の方も多いのではないでしょうか?

しかし、僕の見立てでは、今起きているAIブームはまだ成長の途中段階にあり、バブルが弾ける局面に入ったとはまったく思っていません。

酷似するインターネットブームとAIブーム

前回も紹介したスライドですが、非常に重要なポイントなのであらためてご説明します。今回のAIブームを見る時、僕は1990年代後半のインターネットバブルと重ねて考えています。

当時はインターネットが一般家庭でも使えるようになってからブームが起き、成熟してバブル化し、最終的に弾けたという流れがありました。

インターネット普及の決定的なきっかけは、1994年12月の「Netscape Browser(ネットスケープ ブラウザ)」のリリースです。こちらの普及により、誰でも簡単にインターネットが使えるようになりました。

この構造は、2022年の「ChatGPT」の公開によって生成AIが一気に一般化した流れと非常によく似ています。

1994年の「Netscape Browser」登場からバブル崩壊までのNASDAQ100の推移をまとめたスライドです。

緑の線をご覧ください。約5年経ってバブルが崩壊し、マーケットが下がっていく流れです。そして、同じ起点を「ChatGPT」がリリースされた2022年と置き換え、現在のNASDAQ100の動きを重ねたのが赤い線となります。

これを見ると、当時のインターネットブームと比べてもまだ半分も経過していないことがわかります。

インターネットの普及を技術的に支えた会社といえば、シスコシステムズ(Cisco Systems)です。当時、ネットワーク機器の要となるスイッチやルーターを提供し、インターネットの基盤を支え、その普及に大きく貢献した会社です。

シスコシステムズのPER(株価収益率)の推移です。緑の線を見るとわかるとおり、バブル期には、最終的にPERが90倍に達してからピークアウトしたのです。

そして、今回のAIブームの主役であるNVIDIAのPERを赤い線で示しています。重ねてみると、現時点でNVIDIAのPERは40倍となっています。

ここまではインターネットバブルとの比較や、シスコシステムズ、NVIDIAといったインフラ企業にフォーカスしてお話ししました。ここからさらに深掘りしていきます。

インターネットバブルに学ぶ、AIブームの現在地

ここでは、1990年代後半のインターネットブームが始まってバブルが弾けるまでの間、NASDAQ100が史上最高値をつけてからの下落率を示しています。

このスライドからみなさまにわかっていただきたいのは、当時もNASDAQ100は一直線に上がったわけではなく、高値をつけると下落し、また上昇するということを、何回も繰り返していた状況です。この間、最終的にITバブルにたどり着くまでに、NASDAQ100は11倍も上昇しています。

では、最近のAIブームではどうなっているかというと、「ChatGPT」の公開を起点としてからのNASDAQ100も、同様に何度も調整を挟みながら、下落しても高値を更新してきました。この間で、まだたった2倍程度にしかなっていません。

インターネットブームの始まりからバブルが終わるまでの間、その主人公であったシスコシステムズの株価はどうだったのでしょうか?

結論として、シスコシステムズの株価も同様に、高値をつけてから何度も下落しています。最大の下落率は、38パーセントに達した局面もありました。ただ、このインターネットブームが始まり、終わるまでの間に、シスコシステムズの株価は約43倍になっているのです。

一方でNVIDIAについては、2025年11月4日現在でまだ12倍程度です。もちろん、時価総額がすでに数兆ドルのNVIDIAと、当時のシスコシステムズが同じ上昇率になると言っているわけではありません。

ですが、NVIDIAの決算やジェンスン・フアンCEOの発言、AIへの投資需要を見る限り、今ここでAIブームが終わるというのはむしろ不自然ではないかと考えています。

ブルベア指数から見るバブル崩壊

ここからは投資家のセンチメントをブルベア指数で比較してみます。これは米国の個人投資家協会が毎週発表しているデータで、こちらのスライドの下のほうでは、強気の人から弱気の人を引いた、いわゆるネットのブル(強気)の推移をお見せしています。スライド上のほうの緑の線は、NASDAQ100の推移を示しています。

スライドを見ると、インターネットバブルの時には、このブルベア指数、つまり投資家のセンチメントも乱高下を繰り返しながら、最終的に強気の人がピークをつけてバブルが終わったのです。このピークでは、ネットのブルが62ポイントまで上がっています。

では、今回のAIブームがどうなっているかというと、現時点におけるこのネットのブル、つまり強気のレベルは、マイナス17.5ポイントです。つまり、投資家のセンチメント的には、過熱感はまったく感じられないというのが現状です。それにもかかわらず、「AIブームは終わった」「もうピークだ」という声が多いために、みなさまも必要以上に弱気になっているのではないかと思います。

でもこれは、ウォーレン・バフェット氏の言う「みんなが強気の時は気をつけろ」という局面では、少なくとも今ではないと思うのです。

AIバブル説が浮上する今は「理想的な買い場」になり得る

ただ、誤解してほしくないのは、1990年代もそうだったように、相場というのは上昇の途中で、何度も何度も調整を挟んでいるということです。つまり、株価の下落は異常なことではなく、むしろ正常で、健全な動きだということです。

そして、今起きているようなAIバブル説によって投資家が弱気になっている局面は、長期で見てS&P500やNASDAQ100を積み立てている投資家のみなさまにとっては、理想的な買い場になりやすいということです。これが本日の結論です。

(※「番組紹介」のパートについては割愛します)

成績公開!ハッチの米国つみたて投資

続いては、僕が積立をしている米国株のパフォーマンスを公開します。こちらのスライドに、2020年12月から始めている積立投資の結果を示しています。

いろいろなファンドに投資をしていますが、この中でもS&P500はアメリカを代表する企業に、NASDAQ100はテクノロジーに特化した指数になっています。AI関連銘柄は、このような部分のリターンに反映されています。

加えて、グローバル・ロボティクスというファンドにも投資をしています。こちらはAI関連の銘柄に投資をしているファンドということで、僕自身もAI関連に投資をしていることになります。

これまでに積立投資をした金額は358万314円で、それが約89パーセント上昇し、現時点では677万8,890円になっています。

(※「ご意見・ご感想」のパートについては割愛します)

資産形成 成功の秘訣

毎回、最後にこちらのスライドをお見せしています。資産形成をするために大切なことを並べています。

1つ目は、できるだけ長期的な目線で投資を行うことです。

2つ目は、定時定額で投資を行うことです。いわゆるドルコスト平均法です。

3つ目は、マーケットが上がっても下がっても止めないことです。特に下がっている時に止めてはいけません。「継続は力なり」とも言います。

このように、米国株式のインデックス投資で資産形成していきましょう。

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