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FOMC発表直後、米市場は大幅下落!予定通りの利上げなのに市場を動かした原因とは=今市太郎

東京時間の20日午前4時のFOMCの制作決定では、事前の予想通り今年最後の利上げが発表されました。この結果を受けて、2019年のアメリカ市場の行方を解説します。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2018年12月20日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

ウォール街が恐れはじめた、トランプの株価暴落見殺し戦略

直近では、利上げしないことに期待が高まっていたが…

FOMCの12月利上げを巡っては、事前段階でしきりにトランプがパウエルに対してけん制発言を繰り返し利上げを止めようとする動きが顕在化しているように見えたことから、結果がどうなるのかが非常に注目されることとなりました。

しかし、東京時間の20日午前4時に発表されたFOMCの政策決定では、大方の市場予想のとおり政策金利を0.25%引き上げすることを決定し、声明ではいくらかさらなる緩やかな利上げが正当化すると判断するという文言が追加されました。

また、リスクも概ね均衡しているとしながらも世界のイベントを監視していくと加えられ、2019年の利上げ見通しは3回から2回に引き下げられたものの2020年はそのまま1回が残り、特段ハト派色の強まった声明となりませんでした

結果を受けて米株は総じて下落していますが、NYダウは普通にしていても毎日500ドル規模で下落しているわけですから驚くほどの下押しにはなっていません。

ただ、日経平均先物もご相伴に預かって一緒に下げていますから、このまま低迷して今年の相場を終えた場合、一体どの水準で年越しするのかが非常に気になるところになってきています。

トランプの脅しは相場暴落時のFRBへの責任転嫁が狙い?

今回のFOMCでは、トランプ政権から次々と利上げを留まるようにとの発言がぎりぎりまで飛び出したことから12月の利上げすらなくなるのではといった妙な期待も高まりましたが、結局パウエルFRBは粛々と利上げを継続する旨を打ち出しています。

トランプが繰り出す政策は悉くインフレにつながりかねませんから、トランプからの恫喝に屈して利上げを留まるなどということが市場で認識されてしまえば、中央銀行としてのFRBのコントロール能力を完全に失うことになりかねません。今回のような決定になるのは当たり前ともいえる状況で、市場の期待のほうが過度になり過ぎた嫌いも感じられます。

深読みをすれば、2019年に向けてどこかで到来しそうな相場の大暴落時にそら見たことか!とトランプ自身の立場を守り、相場の急変をFRBのせいにするためにトランプはしきりに利上げ阻止を口にしている可能性もかなり高そうで、心底利上げを嫌っているのかどうかはよくわからない印象も残ります。

もちろん日本円にして2,200兆円もの債務を抱えているわけですから、安倍政権における湯水のような資金提供の打ち出の小づちを提供している黒田日銀のように何でも言うことを聞いてくれる中銀の議長がいることが望ましいのは当然でしょうが、今のうちに十分に利上げに反対したという言質を残しておいたというのがトランプの真意だったのではないでしょうか。

Next: 間もなく迎える2019年、ウォール街は何を恐れているのか…

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