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東海ソフト—独立系の受託システム開発企業、車載や製造業のDX需要を受け成長トレンドが続く

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東海ソフト<4430>は1970年創業、愛知県名古屋市に本社を置く独立系のシステムインテグレーターである。特定のプラットフォームに縛られない独立系として、顧客の信頼を獲得している。現在は積極的なM&Aや最新技術を取り込みながら、FAや組み込み(車載、民生、量産、試作)ソフト開発、ネットワークインフラの技術を中心に、ワンストップソリューションを顧客に提供している。

同社は主に3事業で構成される。組込み関連事業は売上高の32%を占め、車載関連と民生・産業機器関連の開発を行っている。車載関連ではトヨタグループ、民生・産業機器関連では富士電機など大手企業を主要顧客に持つ。自動車業界におけるソフトウェア定義車両(SDV)へのシフトを追い風に、高度な開発実績が武器となっている。次に、製造・流通および業務システム関連事業は売上高の52%を占め、工場の自動化や倉庫管理システム、DX推進支援ソリューションなどを担い、製造現場のデジタル化需要を取り込み、足元では全社業績を牽引している。最後に、金融・公共関連事業は売上高の15%を占め、社会インフラや金融向け開発を行い、日立製作所など大手SIerのパートナーとして安定した収益基盤を築いている。

同社の競合に対する強みとしては、独立系として広範かつ包括的なソリューション提供を行っている点が挙げられる。加えて、自動車、製造業など大手企業と長年の取引で培った信頼と顧客事業への深い理解が参入障壁となっている。事業環境については、自動車業界の変革と製造業のDX投資というメガトレンドが追い風となっている。世界の車載ソフトウェア市場が急速に拡大していることに加え、製造業における深刻なIT人材不足に対し、同社はM&Aでエンジニア組織を拡大し、成長機会へ転換している。長期的な成長においては、人材採用が事業上のボトルネックになり得るが、東海地方においては知名度・ブランド力があり優位性を保持している。

2026年5月期の通期連結業績予想については、売上高12,000百万円、営業利益1,325百万円、経常利益1,350百万円、親会社株主に帰属する当期純利益870百万円へと上方修正された。同社は2025年5月期より連結決算へ移行しているため公式な対前期増減率は公表されていないが、前期実績の売上高10,680百万円、営業利益1,120百万円と比較すると二桁増収増益を見込む水準である。既存事業の高水準な需要に加え、完全子会社化を実施したAJ・Flat社の業績がフルに寄与し始めたことが背景にある。また、第2四半期実績について売上高は6,177百万円、経常利益は761百万円と過去最高を記録し、営業利益の進捗率も55.3%と順調に推移している。加えて、プロジェクト管理体制の精度向上により進捗や原価をモニタリングし、不採算案件の影響を軽微に留めている点はポジティブであろう。なお、同社は中期経営計画を正式に公表していないものの、既存事業の拡大とM&Aを含む成長投資を通じて、持続的な事業規模の拡大と企業価値向上を志向している。

株主還元については、連結配当性向30%以上を目安とする方針を掲げている。業績が上方修正される際には、増益分に応じた増配を検討しており、2026年5月期の年間配当予想は57円となっている。

投資の視点としては、自動車業界のCASE化と製造業のDXという巨大なポジティブトレンドによる底堅い成長が継続すると見込む。一方、IT人材の獲得競争に伴う採用コスト上昇や買収企業とのPMIの進捗には注視が必要であろう。足元の株価バリエーションはPBR1.37倍、PER10.0倍、予想配当利回り3.15%と過熱感はなく、中長期的な観点から投資を検討したい。
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