レアジョブ<6096>は、オンライン英会話を起点に、現在はリスキリング事業と子ども・子育て支援事業を柱とする教育サービス会社だ。個人向けの「レアジョブ英会話」に加え、法人向け英語研修、英語スピーキングテスト「PROGOS」、ALT(外国語指導助手)派遣、子ども向け英語教育、子ども向け探究型プログラムの施設運営事業まで展開している点が特徴だ。単一サービスへの依存度が低く、個人、法人、学校、自治体と複数の顧客接点を持つ事業構造を築いている。
2026年3月期第3四半期累計の連結業績は、売上高72.9億円(前年同期比1.5%減)、営業利益1.1億円(前年同期比76.1%減)、経常利益1.2億円(前年同期比73.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益1.0億円(前年同期比66.3%減)となった。全体では減収大幅減益であり、特に利益面の落ち込みが大きかった。主因は、リスキリング事業における個人向けサービスの苦戦に加え、子ども・子育て支援事業での拠点拡張や人員増強、さらに東京インターナショナルスクールグループ取得に伴う一時費用の発生などが重なったためだ。
事業別に見ると、リスキリング事業は売上高31.0億円(前年同期比14.1%減)、セグメント利益1.4億円(前年同期比64.0%減)と厳しかった。個人向けが減少し、法人向けも伸び悩んだことが響いた。他方、子ども・子育て支援事業は売上高42.0億円(前年同期比10.5%増)と増収を確保した。とくに子ども向け英会話の伸びが大きく、ALT派遣も堅調に推移した。利益は先行投資負担で圧迫されたものの、売上面では同社の下支え役になっている。
会社計画による2026年3月期通期業績は、売上高96.0億円(前期比1.2%減)、営業利益0.5億円(前期比88.7%減)を予想している。営業利益は大幅減益見通しだが、足元ではコスト削減や組織再編を進めており、今期は収益構造を立て直す局面と位置付けられる。堅調なのは子ども・子育て支援事業であり、上振れ余地も同領域が中心だ。一方、リスキリング事業は減速が続いており、個人向けの回復と法人向け再成長の進捗が今後の焦点になる。
市場環境を見ると、個人向け英語学習市場は、低価格なAI・アプリ型と高単価なコーチング型への二極化が進んでいる。法人向けでは、企業が研修投資に対してより明確な成果を求める傾向が強まっている。この環境下で同社は、講師による伴走支援とAI活用の両立、PROGOSを起点にした法人研修提案、ALT派遣を基盤にした学校・自治体との関係強化など、単純な価格競争に巻き込まれにくい体制づくりを進めている。特に子ども領域は、公教育の英語強化や外部人材活用の流れを追い風にしやすい。
競合との比較では、個人向け英語コーチング企業や教育サービス企業、ALT派遣関連企業などが比較対象になるが、同社の強みは、個人向けオンライン英会話、法人研修、英語テスト、学校向け人材派遣、子ども向け教育を一体で持つ点にある。単一商材ではなく複数の接点を持つため、顧客基盤を横展開しやすい。加えて、フィリピン講師基盤やオンライン運営ノウハウを長年蓄積してきたことも参入障壁になっている。
中長期では、子ども・子育て支援事業の拡大と、リスキリング事業の収益性回復が成長の両輪になる見通しだ。子ども領域では、ALT派遣に加えてオンライン英会話や施設運営事業を重ねることで、顧客単価と継続収益の向上が期待できる。リスキリング事業では、PROGOSや法人向け新サービスを起点に、研修やコーチングへ広げる展開が重要になる。今後は売上成長以上に、利益率の改善と再現性ある成長モデルの確立が評価ポイントだ。
株主還元では、2026年3月期の年間配当予想は8円で、前期比3円の増配予定だ。高配当銘柄ではないが、利益水準が低下する局面でも増配方針を維持している点は一定の前向き材料だ。
総じて同社は、足元ではリスキリング事業の減速や先行投資負担により利益が大きく落ち込んでいるものの、子ども・子育て支援事業が増収基調を維持し、業績の下支え役となっている点が注目される。今後は、コスト削減や組織再編の効果に加え、法人向け研修やPROGOSを起点とした周辺サービスの拡大が進むかが焦点だ。子ども領域の安定成長とリスキリング事業の収益回復がそろえば、中長期的な企業価値の見直し余地はある。
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