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カヤック:今期は大型IPとのゲーム開発始動決定で戦略投資推進、業績再成長フェーズへ

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カヤック<3904>は、業績の再成長フェーズを迎えている。2月16日に発表した2025年12月期決算は、売上高20,094百万円(前期比20.1%増)、営業利益1,071百万円(同199.2%増)で着地した。第4四半期単体としては過去最高の売上高、営業利益を達成しており、通期は修正後予想対比で売上高100.5%、営業利益107.1%の進捗となった。ハイカジは通期で8本をリリースし、既存タイトルも好調で過去最高の売上高となり、2025年世界市場のアプリDL数において日本企業1位を獲得。2021年より続く「5年連続No.1」の快挙となった。

2026年12月期の売上高は23,000百万円(前期比14.5%増)、営業利益は1,000百万円(同6.6%減)を見込んでいる。トップラインは2桁成長を継続させる一方で、営業減益見通しとなっている。ただ、これは大型IPとのゲーム開発始動が決定したことに起因するもので、ゲーム開発の一翼を担う2026年分の先行投資(当社分 約3.3億円)により今期の利益率を押し下げる想定となっている。年間では、いくつかのプロジェクトへの投資も合わせて合計約6億円超の投資を予定、これらの投資は短期的には費用計上されるが、2028年以降に年間10-30億円規模の利益創出を目指す中期投資となっているため、短期収益の最大化ではなく、ヒット確率とスケール可能性を高めるための戦略的投資の位置づけとなる。

同社は、「つくる人を増やす」という経営理念を掲げており、日本的面白コンテンツ事業を展開している。もともと単一セグメントで、面白プロデュース(広告・DX受託)、ゲームエンタメ(自社・受託ゲーム、XR)、eスポーツ(大会運営・教育)、ちいき資本主義(移住プラットフォーム「SMOUT」、コミュニティ通貨「まちのコイン」など)、その他(出版・冠婚葬祭ほか)の5ユニットに分かれていたが、今期(2026年12月期)事業性とフェーズを明確化するセグメント開示を導入する。新たなセグメントは、ブランド&マーケティング、ゲーム・アニメ、地域資本主義、その他の4つに分かれ、ゲーム・アニメを中心に事業投資を進め、中長期的な成長を生み出すことを狙っている。収益の柱であるハイカジは海外収益比率が約95%を占めており、経常利益は足元の為替や海外の市況の外部要因の影響を大きく受ける可能性がある。

同社の競争力の源泉は、価値創造を行うクリエイター人財で、最重要な企業資本として意識している。デザイナー・ディレクター・エンジニアをクリエイター人財として定義しているが、社員数におけるクリエイター比率は90%を維持、どのサービスも広告とゲームで培ってきた同社の企画力と技術力が根底にある。作るコンテンツの話題性や自由な職場環境を評価されて採用競争力も強みとなっている。また、一気通貫の企画・開発・運営力とクリエイター主体の企業文化を源に、M&A・アライアンスで仲間を増やしながら事業群全体を循環成長させるモデルを採っている。面白プロデュースではACC賞をはじめとした大型の広告関連賞の受賞が多数あり、「面白法人ブランド」が確立されてきた。ハイパーカジュアル(ハイカジ)ゲーム累計10億ダウンロード突破と4年連続日本企業1位の開発・運営実績を持つほか、ちいき資本主義で展開する「スマウト」の自治体導入率は60%を超えている。

同社が展開しているサービスユニットにおいて、各市場は成長を続けている。デジタル広告は年率約9.6%成長となるほか、DX関連市場(約15%成長)、オンラインゲーム市場(約5%成長)、メタバース市場(約13%成長)、国内eスポーツ市場(約27%成長)と拡大していく想定。モバイルゲームは成熟局面だがIPホルダー連携型やハイブリッドカジュアルへの移行が進み、eスポーツ国内市場は教育・地域振興用途にも裾野が広がる。そのほか、地方創生予算は国・自治体合計で2兆円超と大きく、関係人口施策や地域通貨の需要が増加していく可能性があろう。

グループ成長の中期方針としては、「仲間を増やす」を重点テーマとして推進していく。「何をするかより誰とするか」という同社が創業より大切にしている考え方によるもので、次の10年の土台を作るアプローチとする。従来の広告・ゲームやIPビジネス・コミュニティなどのコンテンツ、面白コンテンツを提供する「面白法人」としてのブランド、グループ会社全体の仲間、この3つを循環させていく方針。そのほか、配当は創業以来初配当以降3期連続で年間3.9円を維持、2026期12月期も同額を予定。今期は戦略投資を進める機関となるが、トップライン2桁成長を維持するなか同社の今後の動向には注目しておきたい。
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