■リンクアンドモチベーション<2170>の業績動向
(3) マッチングDivision
マッチングDivisionの売上収益は前期比14.7%増の19,300百万円、売上総利益は同19.7%増の8,576百万円となり、2ケタの増収を達成した。
ALT配置事業については、計画どおりALT配置人数が増加し、売上収益は前期比11.0%増の14,284百万円、売上総利益は同11.9%増の3,654百万円となり、2ケタの増収となった。
人材紹介事業の売上収益は前期比27.4%増の5,056百万円、売上総利益は同26.7%増の4,962百万円と2ケタの増収を記録した。子会社オープンワークが運営する社員クチコミサイト「OpenWork」の累計登録ユーザー数、累計社員クチコミ・評価スコア数は着実な成長を継続しており、それぞれ775万人、2,060万件に到達した。
さらに、企業向けサービスである「OpenWorkリクルーティング」においては、マーケティングへの積極的な投資の効果などから、2025年12月末時点で、契約者数は4,400社に到達し、累計Web履歴書登録数(社会人・学生)も165万件となった。既存顧客の採用活動の活性化、求人数増加などの取り組みも功を奏し、本サービスの営業収益は前期比34.2%増の3,247百万円となった。
3. 財務状況と経営指標
2025年12月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比7,821百万円増加の40,999百万円となった。主な要因は、現金及び現金同等物の2,767百万円の増加、のれんの2,636百万円の増加である。キャリアスクール事業においてのれんを全額減損したが、コンサル・クラウド事業でのUniposの完全子会社化、加えてIR支援事業でのジャパンストラテジックファイナンス(株)及びイー・アソシエイツ(株)の完全子会社化により、のれんの残高は全体として増加となった。のれん残高のある組織開発Division(4,814百万円)、マッチングDivision(7,167百万円)はともに2ケタ成長をしている事業であり、弊社としてはのれんの減損リスクは大きく低減したと見ている。
負債合計は前期末比5,388百万円増加の24,181百万円となった。主に、有利子負債及びその他の金融負債が3,736百万円増加したことによる。資本合計は、剰余金の配当により減少した一方、自己株式の処分、当期利益を計上したことなどにより、前期末比2,432百万円増加の16,817百万円となった。
経営指標では、安全性の指標である自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率)は34.0%から33.1%へとやや低下した。しかしながら、同社の自己資本比率は、依然として2024年3月期東証プライム市場サービス業平均の5.94%を大きく上回る水準を維持している。またROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)は34.4%から13.0%へ、ROA(資産合計税引前利益率)は16.9%から11.4%へと大きく低下したが、これはキャリアスクール事業におけるのれんの全額減損による一時的な低下である。弊社は、これらの収益性指標も2026年12月期には回復すると見ている。
4. 人的資本の状況
2025年12月期の人的資本の状況を見ると、営業利益が前期比23.4%減となったため、人的資本ROI※1は前期の53.5%から49.8%と減少したが、高い水準を維持している。また、人材力を示す役割サーベイ・レーティング※2におけるAランク以上の割合は、管理職で79.1%(前期73.9%)、全体で55.4%(前期55.6%)と高い水準を維持、組織力を評価するエンゲージメント・レーティング※3においても評価対象となった同社グループ会社の全8社がAAランク以上と高いレベルを維持しており、同社の人的資本価値を最大化する組織戦略に揺るぎはないといえよう。
※1 人的資本ROI=調整後営業利益÷人的資本投資額。調整後営業利益は、営業利益から、のれん、使用権資産、固定資産の減損等の一時的要因を排除した事業の業績を測る利益指標。人的資本投資額は、従業員の給与や賞与、法定内外福利費、通勤交通費、その他役員報酬等を含んだ費用の合計で算出。
※2 役割サーベイ・レーティング:各階層に求められる階層別の役割の遂行状況について、周囲の期待と満足の一致度合いをもとに算出したスコアに応じて11段階でランクづけした指標。
※3 エンゲージメント・レーティング:従業員の会社・上司・職場への期待と満足の一致度合いをもとに算出したエンゲージメントスコアに応じて11段階でランクづけした指標。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 西村 健)
いま読まれてます
記事提供: 
元記事を読む