fbpx

犬猫生活上場会見、商品力を強みに台湾展開を本格化 動物福祉活動でファン拡大へ

マネーボイス 必読の記事

犬猫生活株式会社(556A)のグロース上場を記念した記者会見が行われ、代表取締役社長の佐藤淳氏と取締役兼管理部長の岩見真人氏が登壇しました。

会社概要

社名:犬猫生活株式会社
設立:2018年5⽉
事業内容:グローバル総合ペットケアブランドとしてペット関連事業を運営

登壇者名

犬猫生活株式会社 代表取締役社長 佐藤淳 氏
犬猫生活株式会社 取締役兼管理部長 岩見真人 氏

沿革

佐藤淳氏(以下、佐藤):犬猫生活株式会社代表取締役社長の佐藤です。みなさま、お集まりいただきありがとうございます。それでは、私から弊社についてご説明します。

まずは会社概要です。弊社は「すべての動物とその家族の幸せな生活のために」という理念のもと、2018年に設立されました。最初はキャットフード1種類からスタートした会社です。

その後、2021年に前澤ファンドから出資を受け、その資本を活用して商品を増やし、事業領域もペットフードだけでなく、動物病院やトリミングサロンといった分野に拡大してきました。

直近では台湾への海外進出も行っており、「グローバル総合ペットケア企業」として事業展開を進めています。

事業内容

事業は大きく分けて3つ展開しています。1つ目は生活販売事業で、ペットフードの販売を行っています。創業以来続く事業で、現在も弊社事業の中心となっています。2つ目は生活サービス事業、3つ目はエンターテインメント事業です。

生活販売

メインとなる生活販売事業のチャネル別売上高推移です。ブランドの認知が進む中で、すべてのチャネルがそれぞれ成長しています。

特徴としては、自社ECが中心で、そのうち注文の約90パーセントが定期購入となっている点が挙げられます。わんちゃん、猫ちゃんと一緒に暮らしている方は想像しやすいかもしれませんが、ペットフードは基本的に、決まったものを決まった量食べていく性質があります。

また、ペットフードは非常に重く、かさばるため、定期的に自宅まで届けるサービスと相性が良いと言えます。

定期会員のお客さまがいることで、売上を安定的に伸ばすことができています。

生活サービス、エンターテインメント

生活サービス事業についてです。スライド左側に記載のとおり、この事業は動物病院とトリミングサロンの2つに大きく分けられます。特に動物病院には、さらに2つのサービスがあります。

1つ目は、スライド上部に記載されている「往診クリニック」です。こちらは現在、東京都内を対象としています。通院が難しい、例えば高齢であったり、猫ちゃんに多く見られるような外出が苦手で病院に行くことに抵抗を感じたりする子に対し、獣医師が直接自宅を訪問します。このサービスは予防医療専門ですので、健康診断やワクチン接種などを行います。

病院になかなか行けない子は、体調がかなり悪化してからでないと受診できない状況がどうしても起こり得ます。これを防ぐため、健康診断を通じて予防を進めていこうという趣旨です。

2つ目は「益田ペットクリニック」です。こちらはいわゆる店舗型の動物病院で、島根県益田市にある小型の病院をM&Aにより事業承継しました。

地方では動物病院や獣医師の数が非常に少ない状況にあります。そのため、予約が混み合い、「この病院がなくなると他の病院では対応しきれない」といった深刻な事態が生じています。この問題は島根県に限らず、地方各地で共通して見られるものです。

一方で、多くのお客さまがいるため、東京都などの都市部よりも収益性が高い店舗も存在します。しかし、後継者が不足しており、次世代に事業を引き継ぐことが難しいという課題も抱えています。このような社会的意義があり、ビジネスとしても十分に成り立つことから、この事業を展開しています。

3つ目は「トリミングサロン」です。トリミングサロンや動物病院は個人事業主が多く、働く環境が厳しくなりがちなため、人材が定着せず、人手不足に陥りやすい業界です。私たちは法人として適切に運営し、トリマーが働きやすい環境を整えることを目指しています。

最後はスライド右側に記載した「イベント運営」です。保護犬猫の譲渡会とブース出展を組み合わせたようなイベントを実施している点も、弊社らしい特徴と言えます。

ペット関連商品の市場推移

市場環境についてご説明します。スライドに記載のとおり、ペットフードの市場規模は約5,000億円です。現在は子どもの数よりもペットの数のほうが多い時代となっており、市場はかなりの規模となっています。

この市場のもう1つの特徴は、不景気に非常に強い点です。この10年から20年近く一貫して成長を続けており、景気の影響を受けずに伸びてきています。

私たちはお客さまと非常に距離が近いため、インタビューを通じてお話をうかがう機会が多くあります。その中で、「自分の生活費や食費は切り詰めても、この子の食費だけは最後まで守ります」と話される方が多いです。まさに「最後までお財布の中で守られている項目」という認識です。

スライド右側のグラフをご覧いただくと、飼育頭数の推移には特徴があることがわかります。猫ちゃんが増加している一方でわんちゃんは減少しており、全体としては減少傾向にあります。

支出額の推移

近年は、1頭あたりの支出金額が増加しています。お客さまがわが子(ペット)に、より良い商品やサービスを求める傾向が強まった結果、1頭にかける金額が増えている状況です。

なお、このデータはアンケートベースの資料ですので、実態がどこまで反映されているかは不明な点もありますが、この4年間で3割ほど増えていると数値で示されています。

海外マーケット

海外マーケットについてです。昨年は台湾への進出も果たしましたが、世界全体のペットフード市場は約20兆円と非常に規模が大きく、日本の約40倍に当たります。日本でわんちゃんや猫ちゃんと暮らす世帯の割合は約20パーセントで、世界的に見ると非常に低い水準です。

欧米では半数を超え、特にアメリカでは6割強となっています。そのため、世界のペットフード市場は大きな規模だと言えます。このような市場に対し、日本は「食」という分野に強いため、海外でも戦えると考えています。しっかりと海外に進出していきたいと考えています。

商品の特徴

ビジネスモデルと競争優位性についてご説明します。弊社商品の特徴として、無添加、国内製造、ヒューマングレード素材が挙げられます。「人間も食べられる」品質の素材を使用し、すべての商品を製造しています。

ドライフードの展開

スライドの写真は、ドライフード工場の様子を映したものです。弊社はいわゆるOEM形式で商品を製造していますが、ドライフードについてはOEM先に弊社専用の工場を作っていただいています。

ご覧のとおり、製造は手づくりで進めています。製品に生肉を使用しているため水分量が多いと、最終的に固める工程の調整が難しくなります。そのため、その日の温度や湿度などの変化を踏まえ、加熱温度やその後の乾燥温度・時間を調整しながら製造しています。まさに職人の手づくりと言えます。

したがって、工場を作るだけでなく、人材を採用・育成してようやく増産ができるのです。そこをOEM先としっかり協力して進めてきたことが商品力につながり、強みの1つとなっています。

展開商品

商品展開についてです。わんちゃん用、猫ちゃん用の商品を幅広く展開しており、売上比率はほぼ半々で、バランスよく推移しています。

取扱い商品例

スライドには主な取扱い商品をいくつか記載しています。ジャンルとしては、「総合栄養食」といわれるメインフードのほか、サプリメント、おやつ類などがあります。

財団について

ペット業界の現状と戦略についてご説明します。弊社の大きな特徴であり、主要な戦略の1つとして、動物福祉の向上を目的とする「犬猫生活福祉財団」を設立しました。この財団は非営利の財団法人で、弊社が設立人となり設立しています。

私たちは利益の一部をこの財団に寄付し、財団を通じて動物福祉の向上に取り組んでいます。このような活動をお客さまにお伝えすることで、単なる商品購入にとどまらず、会社を好きになり、応援してくださる熱心なファンのお客さまが多くいらっしゃいます。

財団は別法人となりますが、活動内容を簡単にご紹介すると、保護犬・保護猫のためのシェルターを2施設運営しているほか、保護動物専用の動物病院も運営しています。

私たち以外にも全国にさまざまな団体が存在するため、そのような他団体に対して、助成金を通じた支援を行う活動も実施しています。

寄付の方針

寄付について、どのような取り組みを行っているのかをスライドに記載しています。前期経常利益の20パーセント、または1億円を上限とする寄付額を設定しています。

財団のガバナンスの観点も考慮し、現金給付は1億円を上限としつつ、他団体も含めフードの寄付なども行っています。現金とフードの寄付の合計を、前期経常利益の20パーセントに合わせるかたちで寄付を実施しています。

この数字は非常に思い切ったものと捉えられるかもしれませんが、私たちはこれを単なる慈善活動ではなく、会社の成長につなげる投資という観点で取り組んでいます。

その結果として、途中にもお話ししたとおり、お客さまがより弊社のファンとなり、LTV(顧客生涯価値)が向上していきます。

また、動物関係に携わる方々には、動物に対する思いの強い方が多く、採用面はもちろん、M&Aの際にも、オーナーが弊社に強く共感してくださった結果、優位に進められることがあります。したがって、非常に費用対効果の良い投資と捉えています。

お客様の声

お客さまの声についてです。スライドに載せているのは「ご意見をください」のハガキなのですが、このようにイラスト付きのお手紙をいただくことも多いです。

3つの戦略

成長戦略についてです。弊社は、大きく3つの戦略を掲げています。

戦略1は、先ほどご説明した財団、動物福祉活動への寄付を通じて、「誠実さによる信頼の獲得」を目指すものです。これは、「この会社なら、わんちゃんや猫ちゃん、うちの子たちのことを第一に考え、安心できるフードを作ってくれる」といった信頼性を指しています。

戦略2は「ペット領域の専門家としての信頼性を獲得」です。戦略1が嘘をつかない誠実さであるのに対し、戦略2では「この人たちならペット領域に専門性があり、安心して任せられる」という信頼の構築を目指しています。

やはり動物病院やサロンなどの専門店を運営している点が、弊社の強みの1つとなります。今後もM&Aを進めていく予定で、まずは動物病院を考えています。

戦略3は、卸販売の展開です。現在はオンライン販売が中心ですが、実店舗で購入される方も多いため、そこに対してもアプローチしていきます。

海外展開

もう1つの大きな部分は、海外展開です。昨年5月から台湾でテスト販売を開始しました。まずは1商品でスタートしましたが、かなり手応えを感じています。そのため、来期からは台湾国内への本格的な展開と、別の国への進出について検討を進めていきます。

マーケットシェアの拡大

マーケットシェアの拡大についてです。国内における弊社のシェアはまだ0.6パーセントですが、中長期的な観点から、まずは国内で10パーセントのシェア獲得と500億円の売上を目指すことを掲げています。

また、海外への展開にもチャレンジしていきます。途中でもご説明しましたが、日本の「食」の力を活かし、海外でも勝負していきます。

業績概要

業績の概要です。スライドには、着地の数値を記載しています。2025年4月期は約1.6倍の成長を記録し、2026年4月期も約1.5倍の成長が見込まれる着地予想となっており、引き続き高い成長を続けています。

利益面では、2025年4月期に黒字化し、経常利益8,900万円だったところから、2026年4月期には約6億円へと大きく伸びる予想を立てています。

また、途中でも触れたとおり、中長期的に500億円という目標を掲げているため、今後も高い成長率を維持していく方針です。

私からのご説明は以上です。ありがとうございました。

質疑応答:前澤友作氏からのメッセージについて

質問者:前澤ファンドが筆頭株主とのことですが、上場したことで、前澤友作氏からメッセージやアドバイスはありましたか?

佐藤:上場は新たなスタート地点であり、前澤さんも愛犬家で弊社の事業に強く共感し、出資してくださっているので、「ここからが本番として、日本、そして世界のわんちゃん、猫ちゃんのために、今後もしっかりがんばってほしい」というメッセージをいただいています。

質疑応答:中小型株式への注目を高めるための取り組みについて

質問者:上場についてです。本日、日経平均株価が6万円を超える中での上場となり、足元ではAIや半導体の大型株に注目が集まっていますが、中小型株式により注目してもらうには、どのような取り組みが必要だとお考えでしょうか?

佐藤:やはり情報発信は必要だと思います。どうしても中小企業は一般の投資家の方々から見ますと、不安要素が大きくなってしまう部分があると思います。また、高い成長性を見込んでいる分、割高に見えてしまう傾向があります。そのため、なぜ高い成長を維持できるのかをしっかりとご説明していく必要があるのではないかと考えています。

現在、不景気になるかどうか不透明な状況ですが、弊社のペットフードは不景気に非常に強く、一度使ってもらうと長いお付き合いになることも多いため、業績が安定して積み上がる理由があります。そこを十分に発信していきたいです。

質疑応答:ペット業界における物価高の影響と今後の懸念事項について

質問者:現在、ペット業界では物価高の影響がどの程度あるのでしょうか? また、成長市場というお話がありましたが、今後の懸案事項としてはどのような点があるとお考えですか?

佐藤:物価高の影響は、海外産の原料を使用しているか、海外で生産しているか、国産の原料を使用しているか、国内で生産しているかによって異なります。特に海外の原料やメーカーは影響を受けている印象があります。

一方で弊社は、どちらも国内です。そのため、原油価格の上昇によって飼料価格が高騰し、それが鶏肉価格に波及することで一部影響を受けることはありますが、現時点ではそこまでダイレクトな影響は受けていません。そのような意味では、国産であることでリスクを回避できているのではないかと思います。

今後の懸念としては、価格が上がることもありますが、例えばフードを入れるパッケージの原料が不足し、供給が少なくなる可能性については心配しています。今後の推移を見守りつつ、しっかり供給していくことが重要だと考えます。

質疑応答:動物病院のM&Aの頻度について

質問者:動物病院のM&Aは、どの程度の頻度で考えているのでしょうか?

佐藤:現状、具体的にお答えできる案件はまだありません。動物病院は一定の大きなグループ病院にしていかないと、地方に1つや2つあるだけでは人の循環をうまく作ることができない面があります。そのため、弊社が目指しているのは、都市部、そして地方も含めて、大きなグループ病院を作ることです。

例えば、支社を有する大手の保険会社なども同様だと思いますが、まずは都市部で人を育て、その後、配置転換によってさまざまな地方を経験させるなど、グループ化することで融通が利くようになります。

将来的にはそこを目指したいと考えています。そのために、一定のスピード感を持ってM&Aを進めていきます。

質疑応答:御社商品の購買動機について

質問者:動物福祉活動のご説明の中で、約33パーセントのお客さまが御社商品の購買動機として「保護犬猫活動につながること」と回答されたとのことですが、この数字は、社長として高いとお考えでしょうか、あるいは低いとお考えでしょうか?

佐藤:約33パーセントという数字は、現時点ではちょうど狙った位置にあると思っています。財団の活動のPRをさらに広げていく中で、半々くらいになるのが理想だと考えています。

財団活動は私たちの1つの強みであり、特徴でもありますが、商品力そのものも大きな強みです。現在は、約3割のお客さまが財団の活動を通じて弊社を知り、残りの6割から7割のお客さまは「商品が良い」と感じて来てくださっています。その後、「こういう活動もしているのか」とよりファンになっていく流れになっています。

どちらの入口も良いと考えているため、長期的には、商品をきっかけに来るお客さまが半分、財団をきっかけに商品に興味を持ってくださるお客さまが半分というバランスを目指していきます。

質疑応答:海外向けの寄付活動について

質問者:海外展開を進める中で、動物福祉活動を事業につなげていくことが非常に重要だと思います。海外向けの寄付活動などをすでに行っている場合は、その内容を教えてください。また、今後の展開についてもお聞かせください。

佐藤:現在は台湾で活動を進めていますが、寄付はまだ具体的には行っていません。ただし、現地で活動した分は、現地に返せる仕組みを作っていきたいと考えています。

台湾での本格的な展開を進める中で、台湾国内でどのように循環させていくかを検討している最中です。今後も国ごとに、そのような仕組みを構築できればと考えています。

質疑応答:初値の受け止めについて

質問者:本日上場され、公募価格を上回るスタートだったと思いますが、初値の受け止めについてお聞かせください。

佐藤:公募価格を上回るスタートとなり、現時点での最新状況は把握できていませんが、途中ストップ高まで行ったこともあり、一定評価していただけたのではないかと思います。

弊社はグロース市場に上場したため、「いかに成長していくか」を株主のみなさまにお伝えすることが重要だと考えており、その点が十分に伝わったのだと受け止めています。

また、寄付の取り組みなどもやや特殊な仕組みのため、株主のみなさまにどのように評価されるかはある意味で五分五分だと見ていました。しかし、これは単なる慈善活動ではなく、戦略的な投資であり、それによって企業が成長していく点も含め、評価していただけていると捉えています。

質疑応答:海外展開における現地生産について

質問者:海外展開についてです。現在は台湾に進出し、工場も現地で展開されていると思います。今後、他国へ進出する際も、現地生産を行うイメージでしょうか?

佐藤:ケースバイケースになると思います。日本から輸出する場合、肉類を使用していると、検疫の関係で輸出が難しい国が多くあります。

フードに関しては、「メイドインジャパン」ではなく、日本が監修し、現地またはいくつかの国で製造すると、ほかの国へ輸出できるケースもあります。そのため、海外の拠点を1つ作って展開するかたちになると思います。

一方、サプリメントなど肉類を使わない商品は、日本で製造したものをそのまま輸出できます。したがって、商品と地域に応じて適切に組み合わせながら展開していくイメージです。

いま読まれてます

記事提供:

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー