fbpx

アビスト、2Qは増収増益、営業利益は前年比+13.6% 技術者の研修体制を拡充し、リーダー層育成を優先課題に

マネーボイス 必読の記事

2026年5月21日に発表された、株式会社アビスト2026年9月期第2四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

業界の動向

進顕氏:2026年9月期第2四半期決算について、代表取締役社長の進顕がご説明します。まず、業績の状況についてです。当社を取り巻く業界の動向についてご説明します。

イラン情勢が自動車業界にも影響を与えており、不透明感が高まっています。また、自動車業界の研究開発においては、世界的なGX(グリーン・トランスフォーメーション)およびDX(デジタルトランスフォーメーション)競争が加速しています。さらに、自動運転や開発領域におけるAI活用が進展しており、今後もAI対応度の向上が期待されています。

情報技術の分野では、DX需要を背景に市場は堅調に推移しています。

人材業界では人手不足を背景に需要が堅調に推移しており、特にシステムやソフトウェア開発分野で需要が高まっています。

業績の概要

2026年9月期第2四半期の業績数値についてご説明します。売上高は56億1,000万円で、対前年プラス7.7パーセント、営業利益は5億7,200万円で、対前年プラス13.6パーセント、経常利益は5億7,800万円で、対前年プラス12.3パーセント、当期純利益は3億7,100万円で、対前年プラス37.0パーセントとなりました。

主力の設計開発アウトソーシング事業では、請負業務の稼働要員数と派遣業務の一人月売上高がともに増加し、前年比で増収増益となりました。

業績の概要

当社の業績数値は先にお伝えしたとおりですが、現時点での経営課題は、収益率の向上、人材確保、リーダー層の育成の3点であると認識しています。詳細については、後ほどご説明します。

経営戦略上の課題の整理

課題への対策と今後の成長戦略についてご説明します。経営戦略上の課題を整理します。当社は営業利益に焦点を当てた経営を推進しています。設計開発アウトソーシング事業においては、売上高を人員数、稼働率、単価の要素に分解することができます。また、売上原価の大部分を人件費が占めています。

当社の経営戦略上の課題は、収益率の向上、人材の確保およびリーダー層の育成です。1つ目の収益率については、技術力に見合わない単価設定や、賃上げによる人件費高騰の影響を受けています。現在、単価改善は進捗しているものの、引き続き交渉を重ね、収益率の向上に取り組む必要があります。

また、稼働人員数は売上に直結するため、2つ目の課題として人材確保が挙げられます。

3つ目の課題はリーダー層の育成であり、現場の受け入れ体制を強化するために優先的に取り組んでいます。

現時点における経営課題

経営課題への対策についてご説明します。前述のとおり、課題は収益率向上、人材確保、リーダー層の育成です。

収益率向上の対策としては、契約単価改善に向けた取り組みを順調に進めており、これを継続していきます。これまでは国内賃金上昇率に沿った価格改定が後押しするかたちとなっていました。今後は、より技術力に見合った単価改善を実現するため、全社的な管理体制のもとでワーキンググループによる取り組みを強化しています。

人材確保については、人材獲得競争や人材の流動化に対応しつつ、技術者数の確保が求められています。その対応策として、採用力強化、待遇改善、教育プログラムの最適化に取り組んでいます。

また、新卒技術者の現場受け入れ体制のさらなる拡大も急務となっています。リーダー層の育成を最優先課題とし、今期よりキャリア支援やスキル支援を目的とした体制整備を進めています。

課題① 収益率向上に向けた取り組み

収益率向上のための単価改善に向けた取り組みについてご説明します。まず、国内物価上昇率や賃金上昇率を踏まえ、適宜単価の見直しを行います。

技術力の高い技術者が低単価の案件に従事している場合がありますが、営業力の強化により高難度案件の受注を増やし、技術力に見合った単価を獲得できるよう努めます。さらに、教育の充実を図ることで、高単価案件に従事できる技術者の増加を目指していきます。

また、ソリューション領域では、AIを補助ツールとしてではなく、意思決定や業務プロセスの中核で使用することにより、設計業務の高度化を実現し、ものづくり業界全体の効率化と生産性向上を目指します。

課題① 収益率の向上 一人月売上高(請負・派遣合計)の推移

請負業務・派遣業務を合わせた一人月売上高の推移についてです。中期経営計画策定以降も、効率的な人員配置などにより、右肩上がりに推移しています。第21期第2四半期における一人月売上高は79万円で、前年同期比で3万4,000円の増加となり、右肩上がりに上昇しています。

また、単価改定の交渉を実施し、当事業年度の売上収益向上に向けて取り組みました。

課題① 収益率の向上 派遣・請負別売上高・一人月売上高の推移

派遣・請負別の売上高と一人月売上高の推移についてです。派遣業務では単価改善が寄与し、売上高は前年比5.7パーセント増となりました。一人月売上高は72万2,000円となり、前年比で5万5,000円増加しました。

請負業務では、案件に対する取引先の難度や要求水準が年々上昇しています。前年比における単価改善や稼働人員の増加により、売上高は前年比で9.2パーセント増加しました。また、高単価のプロジェクトを厳選した結果、一人月売上高は84万5,000円となり、前年比で9,000円の増加となりました。請負業務の売上高比率は全体の59パーセントと、引き続き高水準を維持しています。

課題① 収益率の向上 新卒・ポテンシャル人材を除く技術者は高稼働率を維持

技術者数と稼働率の推移です。稼働率は95パーセント以上を維持しており、引き続き高水準となっています。

課題②人材確保に向けた取組み 技術者数・稼働率に対する対策と効果

人材確保に向けた取り組みです。採用力の強化については採用コンサルの活用を進め、2026年新卒採用では前年を上回る採用数を達成しました。

また、今年4月には国内賃金上昇率に合わせた待遇改善を実施しました。

さらに、注力している教育プログラムでは、一部技術者の早期配属や稼働率向上に寄与するなどの成果を上げています。プログラムを専門分野別にすることで、未経験者をより実践的に教育することが可能となりました。

次のスライドで取り組みについてご説明します。

課題②人材確保に向けた取組み 最適化した教育プログラム

教育プログラムについてご説明します。新卒技術者の研修は、従来より大幅に拡充した内容で実施しています。機械系・情報系において、専門分野をはじめ、ヒューマンスキルなど各分野で期間や内容を見直し、充実したプログラムを提供しています。

このような人材育成の強化により、配属前から新卒技術者のスキル向上を支えています。配属後も継続的に専門性を発揮し、長期的にお客さまからの信頼を獲得することを目指します。

課題③ リーダー層の育成 (21期:2026年9月期〜)

リーダー層の育成についてです。人材獲得競争の激化や転職市場の活性化に伴い、人材確保の難度が高まり、人材の流動化も進んでいます。

このような環境の中で、当社はより多くの技術者を採用し、研修を通じて現場で活躍できるようサポートするため、人材確保と人材教育の両方が求められています。採用力の強化により採用数は安定的に推移しており、入社後の基礎研修も効率化および内容の拡充が進んでいます。

一方で、基礎研修を終えた後は、現場での受け入れ枠の拡大も必要となります。そのためには、若年層技術者を現場で支えるリーダー層や管理職の教育および増員が求められます。2026年9月期は、長期的な企業成長に向けた人材投資の1年として位置づけ、リーダー層の育成に注力しています。待遇改善に加え、スキルマップやキャリアマップの整備にも取り組んでいます。

中期経営計画における数値目標

2027年9月期に向けた中期経営計画の概要を示します。2027年9月期に向けた数値目標に変更はなく、達成に向けて各種施策を着実に実行していきます。

2026年9月期以降に向けた取り組み

中期経営計画に対する今後の取り組みについてお伝えします。2026年9月期は、中長期的な企業成長を目的とした人材投資を行っています。今年4月の契約単価改定に先行して、昨年10月からは待遇改善やリーダー層の育成に取り組んでいます。

2027年9月期では、2026年および2027年4月に実施される契約単価の引き上げによる収益性の改善を見込み、計画数値の達成を目指します。

中期経営計画 2027年9月期目標:売上高125億円・経常利益13億円

2020年以降、利益は横ばいにとどまっていますが、中期経営計画で掲げた取り組みに加え、今回ご説明した対策を進めることで、第21期以降、再び成長軌道に乗せます。

設計支援ソリューション開発事例

デジタルソリューション開発事例をご紹介します。まずは設計支援ソリューションの開発事例です。設計自動チェックツールは、文書に記載されているチェックシートの内容を読み取り、その内容に図面が適合しているかを自動で判定するシステムです。現在、自動車部品メーカーと共同で研究開発を行っており、利用開始を目指して開発を進めています。

また、当社の主力事業の業務効率化ツールとして、設計断面の自動作成ツールや干渉チェックツールなどを開発しています。これらはすでに社内で利用しており、現在はさらなる精度向上に取り組んでいます。

これらを活用することで、当社内の設計業務の品質向上や自動化による原価低減につなげていきます。

AR・AIソリューション開発事例

AR・AIソリューション開発事例についてご説明します。「DiffAR」は「iPad」上で対象物と3D-CADモデルを重ね合わせ、形状の差異をAR技術でリアルタイムに認識できる表示プログラムです。2023年には特許を出願しました。現在はさらなる精度向上を目指して改良を行い、自動車関連の顧客に提案しています。

他にも、スライドで示しているとおり、高精度な3Dスキャン技術を用いた人体の3Dモデル設計や、認可証自動転記システムなどを開発しています。

継続的・安定的な配当で株主還元

株主還元方針についてご説明します。当社は、株主さまに対する利益還元を経営の重要課題の1つとして位置づけており、継続的かつ安定的な配当を実施することを基本方針としています。

配当政策については、事業拡大と配当の安定性を念頭に置き、財政状態および利益水準を勘案した上で、当期純利益の35パーセント以上を毎期配当していくことを原則としています。

アビストの株主優待制度

また、日頃の株主さまからのご支援に感謝の意を表するために、スライドに記載のとおり、株主優待制度を導入しています。

以上でご説明を終わります。ご清聴ありがとうございました。

いま読まれてます

記事提供:

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー