■西部ガスホールディングス<9536>の今後の見通し
1. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の連結業績は、売上高で前期比3.4%減の253,000百万円、営業利益で同19.8%減の10,000百万円、経常利益で同4.6%減の12,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同11.9%増の8,000百万円と親会社株主に帰属する当期純利益を除いて減収減益を見込んでいる。2026年3月に「2026年度西部ガスグループ経営計画」を公表後、中東情勢の影響等によるその後の市況水準を踏まえ、前提条件となる原油価格を70ドル/bblから80ドル/bbl、為替レートを150円/ドルから155円/ドルに変更したことに伴い、2027年3月期の業績見通しを下方修正した。下方修正前の経常利益は増益見通しとなっており、下方修正にあたり前提条件となる原油価格や為替レート以外は特に見直しを行っていない模様である。減益に転じた主因は、前提条件見直しに伴うガス事業のタイムラグ影響及び電力事業の原価上昇と考えられる。
2. 事業セグメント別見通し
不動産事業が海外事業における評価損の反動増により増益に転じるが、ガス事業がタイムラグ影響を主因として減益、電力・その他エネルギー事業が国際エネルギー事業の販売減等により減益を想定しており、全社では減益となる見通しである。
(1) ガス・LPG事業
セグメント利益は前期比17.7%減の65億円を予想している。都市ガスのタイムラグのマイナス影響として前期比39億円を減益要因として計画に織り込んでいる。前期のタイムラグのプラス影響が1,678百万円の増益要因であったことも勘案すれば、タイムラグ影響を除く実質ベースでは増益見通しとなる。
(2) 電力・その他エネルギー事業
セグメント利益は前期比17.0%減の10億円を予想している。国際エネルギー事業の販売減等により2億円の減益要因を見込む。ひびき発電等の自社電源のほか、相対取引による調達を含めて、安定的な電源確保が引き続き課題となる。
(3) 不動産事業
セグメント利益は前期比40.2%増の46億円を予想している。分譲マンションの販売戸数減が5億円の減益要因となる一方、前期に評価損を計上した海外事業の反動増が15億円の増益要因となることによる。なお、2026年3月26日付で、住友商事<8053>を代表企業として西部ガスを含む8社で構成する企業グループが、国立大学法人九州大学及び独立行政法人都市再生機構九州支社による「九州大学箱崎キャンパス跡地地区土地利用事業者募集」における土地利用事業者に正式に決定した。2028年度の「まちびらき」を目指す日本最大級のスマートシティ開発となり、同社グループはエネルギー供給や住宅開発に加え、カーボンニュートラルやエネルギーサービス、緑化推進などでの関与を予定しており、今後の収益貢献が期待できる事業として注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 古川 聖治)
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