■システム ディ<3804>の業績動向
2. 事業部門別の動向
(1) 学園ソリューション事業
学園ソリューション事業では、学園運営をトータルに支援する学園情報総合管理システム「Campus Plan」を提供している。学校運営を支える情報システムは、学務系(対学生・生徒業務)と法人系(学校法人の財務・総務系業務)の大きく2系統に分けられるが、「Campus Plan」はこれらの業務をトータルで支援するソフトウェアとなっているのが特長であり、強みである。対象は国公立大学と私立学校法人(大学・短期大学・高校・専門学校等)向けで、同社の製品は全国の国公私立大学(短大含む)1,110校のうち約350校に導入され、業界トップクラスのシェアを確立している※。2026年3月末の累計導入校数は前年同期比12校増の1,053校となった(稼働顧客数は520校)。
※ 大学向けの競合は日本システム技術<4323>で、導入実績は2026年3月末で224校。2026年3月期売上高で5,728百万円。私立中・高校向けではエムティーアイ<9438>のグループ会社であるモチベーションワークス(株)がクラウド型サービスでシェアを拡大中で、2025年9月期売上高は1,890百万円(公立学校向け含む)。
2026年10月期中間期の売上高は前年同期比11.1%増の1,103百万円、営業利益※は同31.9%増の285百万円と2期連続の増収増益と好調に推移した。4月の稼働開始に合わせて、次世代学園総合情報システム「Campus Plan Smart」の新規案件及びバージョンアップ案件を多数納品したことや、機能拡充によるサポート料金の増加が増収増益要因となった。
※ 全社の間接経費を各事業部に按分後の調整後営業利益。以下同様。
(2) 公教育ソリューション事業
公教育ソリューション事業は公立の小・中・高校向けに統合型校務支援システム※1「School Engine」をクラウドサービスで提供している。同じ学校向けでも、私立学校法人や独立行政法人である国公立大学を対象とする学園ソリューション事業とは事業環境が大きく異なる。違いの1つは自治体予算制度で、公立学校は各自治体の教育委員会の管理下にあり、エリア内の学校は共通予算で運営されている。このため、1校当たりの予算は私立学校と比較すると小さく、こうした状況に適合するため同社は「School Engine」を初期投資負担の少ないクラウドサービスによりいち早く提供することでシェアを拡大してきた。営業先も学園ソリューション事業とは異なり、高校は各都道府県、小・中学校は各市区町村の教育委員会が窓口となる。案件を落札できれば当該教育委員会の管轄下にある学校すべてに導入されるケースが多い※2。入札公示時期は自治体によって異なるが、7~8月公示の場合は9~10月に落札事業者が決まり、翌年4月までに導入して運用開始となる。
※1 統合型校務支援システムとは、教務系(成績処理、出欠管理、時数管理等)・保健系(健康診断票、保健室来室管理等)、学籍系(指導要録等)、学校事務系などを統合した機能を有するシステムのこと。次世代版として、小学校から高校までの12年間の各種教育情報の連携や共有をシームレスに実現できる「School Engine One」を2025年9月に発表した。
※2 高校については、市立、県・府立、特別支援学校など導入対象を細分化している自治体もある。例えば、同社が導入実績のある京都府では市立高校のみ、滋賀県では特別支援学校のみの導入となっている。
2026年4月末の累計導入校数は前年同期比238校増加の5,332校(稼働顧客数は4,498校)で、このうち公立高校の導入校数は23道県で1,700校を超え市場シェアは約5割※1とトップの地位を盤石なものとしている。公立高校で高シェアを確立した背景としては、2009年に業界で初めてクラウド型校務支援システムの開発・提供を行ったことが大きい。自治体は導入実績を見て製品の採用可否を判断する傾向にあり、同社製品の利便性やコストパフォーマンスの高さが評価され採用が広がったものと考えられる。一方、小・中学校向けに関しては後発だったこともあり、市場シェアは1割強で業界3~4番手となる※2。
※1 文部科学省「学校基本調査」(令和7年度)によると、全国の公立高校数は3,426校、小・中学校数は27,273校。公立高校向けの競合はSATT(株)、(株)エフワン、テクノコーポレーション(株)など。
※2 小・中学校向けは(株)EDUCOMが約4割とトップシェアを握り(約1.2万校、2025年10月)、スズキ教育ソフト(株)が約2割で2番手に続く。そのほか文溪堂<9471>、(株)両備システムズなどがある。
2026年10月期中間期の売上高は前年同期比8.2%増の906百万円と過去最高を連続更新した一方で、営業利益は同24.3%減の178百万円と減益基調が続いた。新たに青森県教育委員会への導入が決まり、県立中学校・高等学校・特別支援学校の67校で導入・運用を開始したほか、複数の自治体で導入が進み増収要因となった。利益面では、「School Engine One」の研究開発費48百万円を計上したことが主な減益要因となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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