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平和RE Research Memo(5):EPU・DPUの成長を支える賃料収入の年成長率目標を上方修正(3)

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■平和不動産リート投資法人<8966>の中長期の成長戦略

4. 財務戦略
財務戦略では、「財務基盤の強化」「LTVのコントロール」「資金調達手段の多様化」「金融コストの抑制」を運用方針としている。「財務基盤の強化」は、有利子負債の長期化、適切な金利固定化比率の維持、満期の分散化を進めることで市場金利変動の影響を受けにくい財務基盤を構築する。併せて、高い信用力を示すAA-格を背景とした調達コストの抑制と長期安定投資家の拡大を目指す。「LTVのコントロール」では、金融環境に左右されない安定した物件取得、ポートフォリオと収益の持続的な拡大、機関投資家とのエンゲージメントを通じて最適資本構成を探求する。「資金調達手段の多様化」では、公募増資によるエクイティ調達、幅広い業態からなるレンダーフォーメーション、投資法人債など、様々な性格の資金へのアクセスを構築する。さらに「金融コストの抑制」においては、現行の低利な調達条件を長期にわたって享受できるよう、将来のコスト増加リスクの低減を図る。

物件入替による含み益の顕在化が進む一方、賃料増額改定やマーケット賃料の上昇に伴う既存物件の鑑定評価額上昇と、含み益を有する新規物件取得により、含み益額は前期比3,486百万円増の70,236百万円、含み益率も26.9%と引き続き高い水準を維持している。また、平均調達年数は7.2年、金利固定化比率は70.7%、鑑定LTVは41.9%(2026年11月期期初の公募増資後では39.8%)となった。鑑定LTV40~50%を標準水準とするが、仮に45%に引き上げた場合の借入余力は330億円となり、それを活用することで成長物件に厳選投資する計画である。このように強固な財務基盤は、同REITの今後の成長を下支えする。足元では調達金利の上昇に伴う金融費用の増加傾向が懸念されるが、今後も金融費用の増加を上回る外部成長や内部成長(バリューアップ工事による賃料増額)によって吸収する計画である。

5. サステナビリティ
「NEXT VISION II+」ではサステナビリティに関するGHG排出量設定目標として、ポートフォリオのGHG総排出量を2030年までに2018年比90%削減することを掲げている。これは、国際認証のSBT(Science Based Targets)認定を受けた目標数値を上回る設定である。2026年5月期末時点のGHG総排出量は94.1%の削減となり、目標を達成している。外部認証、国際イニシアティブ・外部評価については、GRESB(Global Real Estate Sustainability Benchmark)評価、CDP気候変動プログラム、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)、グリーンファイナンスフレームワーク、グリーンビルディング認証の取得などを継続している。

環境課題への具体的な取り組みとしては、全物件※1で再生可能エネルギー電力への切り替えを完了している(2026年5月末時点)。このほかLED化の推進、レジデンス専有部電気量計測システムの導入、スカンディアモス※2の設置なども実施している。社会面では、地域社会への参画として清掃活動やペットボトルキャップ回収運動を継続しているほか、資産運用会社においては、健康支援・ワークライフバランスの改善や、女性活躍推進法に基づく「えるぼし」認定の取得にも取り組んでいる。ガバナンス面においては、運用資産の取得・売却の意思決定プロセスの明確化や、上席執行役員制度などを導入している。これらのサステナビリティへの取り組みは、世界的な拡大傾向にあるESG投資※3の要請に対応する活動であると評価される。

※1 再生可能エネルギー電力の導入は、共有及び区分所有物件等で管理組合が電力管理を行っている物件並びに特殊な契約形態の物件を除く全ての物件が対象。レジデンスは専有部を除くエリアが対象。また、2025年11月30日時点で取得から1年以内の物件を除く。
※2 100%自然素材で作られた環境にも人にもやさしい室内緑化製品。
※3 環境・社会・ガバナンスに配慮している企業を重視・選別して行う投資。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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