「働いているだけでは駄目だ」という冷徹な事実に気付け
働いている人間はみんな搾取の構造の中にいる。搾取される一方の世界で生き続けると、どうしても金融的にじり貧になっていくのが避けられない。
現代の資本主義は、働いている人の賃金はコストであり、コストは削減されるものなのだから、「ただ働いているだけ」であれば、じり貧になるのは必然であると言っても過言ではない。
まず「働いているだけでは駄目だ」という冷徹な事実に気が付かなければならない。
起きている時間のすべてを労働に費やしても、それでも食べていけない人が続出している。資本主義が進めば進むほど格差が極大化し、ワーキングプア層が莫大な数になっているのを見ても分かるはずだ。
しかし、誰であっても「資本でリスクを取る」自由は残されている。年齢、性別、職業、出自に関係なく、資本主義はすべての人間の資本を受け入れる。
だから、労働者も「資本でリスクを取る」という第一歩を踏み出さなければならない。
ところで、リスクにも「大きなリスク」と「小さなリスク」が存在する。往々にして巨大なリターンには巨大なリスクが付きものであるというのが世の中の常識だ。リスクとリターンの相関で考えると、以下の4つのものがある。
(1)ハイリスク・ハイリターン
(2)ハイリスク・ローリターン
(3)ローリスク・ハイリターン
(4)ローリスク・ローリターン
誰もが望むのは1つ。「ローリスク・ハイリターン」である。リスクはなるべく取らず、しかしリターンは大きく欲しい。そんな「うまい話」は本来はないのだが、常識に照らし合わせるとゼロではないことに気付く。
それは「絶対に潰れない優良企業の株式を安く買う」というものである。