「もしも16500円まで下げるなら…」
そのとき、色気が出てくる。
もしも16500円まで下げるなら、今の利益を確保して、再度似た地点で買いなおすことができるかもしれないという気持ちがよぎる。そこで、14日の朝方の価格が下げているのを見て、我慢できずに手じまいしてしまう。
手じまいした時点で、もう16500円まで下げる展開を待つという気持ちなので、14日に価格が上昇するのをただ茫然と見つめ、明日下げてから買おうなどと考えることになる。手じまいした値位置よりも高い地点で仕掛けるのをどうしても躊躇してしまう。
手じまいした時点で、もう、長期的な視点を無視して、目先の欲にとらわれ、的確な判断ができなくなっているのである。少額の投資は、大きなシナリオに乗って、それが当たれば大きな利益が得られるというやり方でしか勝てない。
今回のトランプ氏の支持率が低下した心理と同じように、仕掛ける場面では長期的な視点にたっていても、その都度やってくる欲望の波に打ち勝つことができなければ、結局、利益など得られない。
長期的な考えは理性によって作られるが、短期的な考えは欲望によって作られることを理解しておきたい。
ちなみに、愛と恋の違いも長期と短期の目的の違いになる。前者は、長期的に共通する目標を達成するため、自分を捨てる覚悟があることを意味している(と勝手に考えている、ただ書きたかっただけなので突っ込み厳禁)。
民主主義国家でのポピュリズム批判は、多くの国民が短期的な視点で行動してしまうことによって現れる弊害について言っている。
衆院選挙が間近に迫っている。インターネットを活用して、強い意思を持って実行する人かどうか、何を実行したいのかをしっかりと見極めておきたい。
※本記事は有料メルマガ『少額投資家のための売買戦略』2016年10月23日号の前書きを一部抜粋したものです。本編では「1.金とプラチナのサヤは金の上昇過程で大きく縮小する」「2.パワー・トレンド講座、第十三回 トレンド形成時は5つの波のパターンを基準にしてシナリオを描く」について詳しく解説しています。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。
『『少額投資家のための売買戦略』』(2016年10月23日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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値動きには理由があります。一般的に言われているような確率や、需給の変化を見るだけでは、先のことなどわかりません。確率論や、統計データ分析をやりつくし、挫折を味わった経験があるからこそ、理解できた値動きの本質を書いてゆきます。