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私がトランプ大統領の自画自賛「インフラ投資1兆ドル」に失望した理由=大前研一

実際は効果がない国防費約6兆円増額

トランプ政権は2018会計年度予算案で、国防費を540億ドル、約6兆円増額する方針を示しました。核戦力の強化や国境防備の増強等に充てる方針で、財源は海外援助や環境対策をはじめ、幅広い政策経費が削減される見通しです。

これは経費を削られる方から見たら、たまらない話です。防衛費については日本は6兆円に達しない程度です。アメリカは10%伸ばすということで6兆円増やすと言っています。オバマ政権時代にはかなり削ったわけですが、その削った分の全てではありませんが、10%程度を元に戻そうという動きです。

一方、中国は15兆円以上の国防費を使っています。日本が5兆円程度でうろうろしているのと比べると、拡大方向でさらにどんどんと軍拡競争をし始めているのがわかります。アメリカも負けないぞということで、軍を強化しようというのです。

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アメリカはいわゆる軍事ロビーが非常に強いので喜ぶ企業は多くあると思いますが、実はアメリカは、これだけお金を使っていても効果が出ていないのです。例えば中近東では、イラクのあのざまを見ろという状況です。アフガニスタン侵攻をしましたが、何も目的を達成しないで止めると言っています。

一方、ロシア等はこれほど防衛費を使っておらず、おそらく兵器も劣ると思います。しかし、シリアなどではアメリカが遠回しに見ているのに対し、次々と手を打っています。国防費については、額もさることながら、効果のあるようなことをきちんとやっているのかという点に目を向けるべきなのです。

北朝鮮に試されるトランプ政権

おそらくこの後、それが試されるのは北朝鮮問題です。北朝鮮に対してアメリカは今、明らかにトランプ政権の内部では従来と違うと言われています。オバマ政権と最も違いがわかるのは北朝鮮問題だというのです。

悪の枢軸として共和党が3つ挙げたのは、イランイラク、そして北朝鮮です。イラクはサダム・フセインを処刑しました。イランに関しては一戦まみえるようなことをやってもいいというところまで戻って、せっかく核合意などをしていたヨーロッパとアメリカの合意を破棄しようというわけです。しかし、北朝鮮に関しては、オバマ政権はさぼっていたとして、こういうクレイジーマンに対しては、強硬姿勢だとしています。

オバマ政権の北朝鮮政策は、忍耐に基づく受け身なものでした。しかしトランプ大統領は、そんなことはやってられないということで、具体的なシナリオを考え始めたようです。ここで違いを見せれば世界中は言うことを聞くのではないかということで、北朝鮮はトランプのリトマス試験紙だという感じになってきているのです。日本では意外な感じがするかもしれませんが、もしかしたらその行動の時期は早いかもしれません。

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グローバルマネー・ジャーナル』(2017年3月8日号)より抜粋
※記事タイトル、太字はMONEY VOICE編集部による

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