投資の神様ピーター・リンチが残した名言を紹介します。彼はバフェットに並ぶ有名人で、投資スタイルはファンダメンタルを重視したバリュー投資派。マーケットの流れに逆らって投資する逆張りを得意としています。1977年から1990年の14年間で、2000万ドルだったマゼラン・ファンドを140億ドルにまで驚異的に増やしました。(『資産1億円への道』山田健彦)
「神様」は何をどうして財を築いたのか?個人投資家に贈る名言集
14年間で2000万ドルを140億ドルに増やした驚異の実績
「ピーター・リンチ」をネットで検索すると、たくさんの情報が出てきます。株式投資の世界では、バフェット氏と並ぶ有名人です。1944年生まれで、中学校時代に株式投資に目覚め、ペンシルバニア大学ウォートンスクールの学費は株式投資で稼ぎました。
その後、フィデリティ投信に入り、1977年から1990年の14年間で、2000万ドルだったマゼラン・ファンドを140億ドルにまで驚異的に増やしました。その間の年平均リターンは29%。ファンドの基準価格は13年間で25倍というパフォーマンスを残しました。
投資スタイルは、ファンダメンタルを重視したバリュー投資派で、マーケットの流れに逆らって投資する逆張りを得意としています。リンチ氏は短い言葉の中に投資テクニックの核心を表現できる人ですが、その名言の中で「完璧な株」の条件を挙げています。
ピーター・リンチが挙げる「完璧な株」の条件
- 面白みがなく退屈な名前の会社
- 単純な事業を行っている会社
- 感心しない業種
- スピンオフ(分離独立)した会社
- 機関投資家が保有せずアナリストがフォローしない会社
- 悪い噂の出ている会社
- 気の滅入る会社
- 無成長産業の会社
- ニッチ産業の会社
- 買い続けなければならない商品を販売する会社
投資対象として素晴らしい会社は、一言でいうと「誰からも注目されていない会社」ということのようです。その他にも、数々の言葉を残しています。
株で金儲けをするのに、株式市場全体の予測をする必要はない。
経済や金利の予測はする必要はない。当たらないからだ。
自分(ピーター・リンチ)や他のプロが買っている株は無視しろ。
誰もが株式市場を理解する知力を持っている。小学校5年生までの算数をやり遂げていれば、あなたにも絶対できる。
良い会社を見つける時間は十分にある。
ある銘柄を買う前に、買う理由を小学生でも分かる言葉で、簡潔に説明できなければならない。
失敗から学べ。
アマチュアでもプロに勝てる。
企業のファンダメンタルズが悪化しているのなら株を売ってもよいが、この世の終わりが来るという予言は株を売る理由にはならない。
投資に対する考え方では、
循環株や割安に放置された株に投資すれば、2~5倍儲けることはできるが、小売りや外食株からは、さらに大きな成果を得ることができることを私は学んだ。それらはハイテク成長株(コンピュータ・メーカーや、ソフトウェア・ハウス、医療・医薬関係)と同じぐらい速く成長するだけでなく、ハイテク成長株よりもリスクが小さかった。
コンピュータ会社は、ライバルが高性能の機種を発表すれば、一夜にして企業価値は半減することがありうる。だが、ニュー・イングランドにあるドーナツのフランチャイズ・チェーンは、オハイオでもっとおいしいドーナツの店がオープンしても、一夜にしてビジネスがだめになることはないだろう。ライバルが進出してくるまでには時間がかかるし、投資家はその成り行きを十分察知することもできる
ペップ・ボーイズ、セブン・オークス、チャート・ハウス、テレクレジット、クーパー・タイヤといった、お気に入りの銘柄に私はある共通点を発見した。これらはいずれも、強固なバランス・シートと魅力的な将来性を備えていた。しかし、多くのファンド・マネジャーは、それらを買わなかった。保身に走るファンド・マネジャーは、IBMのような隠当な銘柄に、自然と引き寄せられてしまう。IBMをポートフォリオに組み入れて失敗しても、非難はIBMに向かいファンド・マネジャーの責任はほとんど問われないからだ