売られる理由が明確なものに価値を見出す
新規事業開発のため、シャープから数十人を採用した。これまで手薄だったソフトウェアを担当してもらっている。
私は、日本電産がシャープの元会長の片山幹雄氏を副会長に迎え入れた時は疑問に思いました。片山氏はシャープの経営を傾かせた張本人だったからです。
しかし、このインタビュー記事を見てはっきりしました。これまでも片山氏を通じてシャープの優秀な技術者を日本電産に招き入れているという噂が流れていましたが、上記のコメントからそれが証明された形です。
日本電産は優良企業ですが、知名度で言えばまだまだ低いのが現状です。そこに、知名度抜群のシャープから優秀な技術者が大量に「売られて」くるわけですから、日本電産としては濡れ手に粟です。
これが「平時」であれば、大企業を辞めてくる人は何らかの問題を抱えていたりしますが、シャープは「平時」ではありません。売られる明確な理由があり、そこに明らかな価値があれば買い時です。これは人材の話ですが、株についても同じことが言えます。
株式投資そのものでも実力を発揮
株式投資そのものについても、永守社長は実力を発揮しています。株式投資によって一時は1億円以上の資産を築いたとのことです。
日本電産のM&Aは不振企業を割安で買うことを得意としています。M&Aも広い意味では株式投資であり、永守社長は自らの投資にもそれを応用していることが想像できます。ウォーレン・バフェットと並ぶバリュー投資家と言っても過言ではありません。
経営者と同時に、バリュー投資家としての永守社長から今後も目が離せません。
『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2016年4月4日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。