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「マルサ」令和元年で116件、総額93億円の脱税を摘発。狙われやすい業種は?=奥田雅也

重点的に査察調査されるのは?

そして、国税庁側が重点事案として挙げているのが、以下の4つになります。

・消費税還付
・無申告ほ税
・国際事案
・社会的波及効果が高い事案

なお「無申告ほ税」とは、税金逃れをして納税しないことであり、ひとことで言えば脱税事案ですね。

4つ目の「社会的波及効果が高い事案」は、「近年、市場が拡大する分野や時流に即した脱税事案など」と解説してあり、事例として以下が挙げられています。

・投資用不動産販売等の関連グループ5社を告発
・福島原発の除染に絡む建設会社会社員による所得税事案を告発
・インターネット広告会社を告発
・消費税還付コンサルにより多額の利益を得た税理士を告発

最後の「消費税還付コンサル」はニュースになり、かなり話題になりましたので、記憶に新しいところです。
※参考:税理士が2億円脱税疑い 消費税還付指南で多額報酬 – 産経ニュース(2020年5月21日公開)

査察件数第1位は「法人税」

税金の種類で言えば、法人税が1位で64件ですが、2位は消費税で32件となっています(ちなみに相続税はゼロなんですね…)。

消費税は負担が大きいのと、輸出免税制度を悪用するケースが多いと思われます。

事実、この概要の中にも「消費税の輸出免税制度などを利用した消費税受還付事案は、いわば国庫金の詐取ともいえる悪質性の高い事案であることから、引き続き積極的に取り組み、令和元年度は11件を告発しました」と書かれています。

告発が多い業種は「建設」「不動産」

あと興味深いのは、告発が多かった業種で、以下のようになっています(1位は同数で2業種)。

1位:建設業
1位:不動産業
3位:人材派遣業
4位:下水道管調査

過去を見ますと、建設・不動産・人材派遣は常にランクインしており、令和元年はなぜか「下水道管調査」という業種が入っております。

Next: 最後に 国税庁発表資料に掲載されている「気になる事例」をピックアップ――

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