税務調査と査察の違いをご存知でしょうか?国税庁の発表資料「令和元年度 査察の概要」から、実際にどのような事案が査察の対象となっているのかを解説します。(『奥田雅也の「無料メルマガでは書けない法人保険営業ネタ」』奥田雅也)
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事業(医業)経営に関する生命保険・損害保険活用術に精通し、過去20数年間で保険提案した法人数は2,500社以上。現在は大阪を拠点として保険代理店経営・保険営業を行うかたわら、年間60回程度の講演や、業界紙・本などの執筆、コンサルティング業務を展開中。著書に『ここから始めるドクターマーケット入門』(新日本保険新聞社)『法人保険販売の基礎』(電子版・保険社)など。
税務調査と査察の違い
国税庁ホームページにて、少し面白いデータが公表されています。
・令和元年度 査察の概要 – 国税庁(PDFファイル)
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2020/sasatsu/r01_sasatsu.pdf
査察というのは、昔の映画でありました『マルサの女』で有名になりましたので、ご存知の方も多いと思います。
税務調査と査察の違いについて、法律事務所さんのサイトより引用させて頂きます。
・税務調査
税務調査は、所轄の税務署が行うもので、所得税や法人税等に規定されている質問検査権により行う「任意」のもので、申告漏れを調査することが目的です。通常は「○月○日に調査に伺いたいのですがよろしいですか」といったように事前に電話連絡があり、納税者に調査の協力を得ます。・査察
査察は、国税局査察部が行うもので、国税犯則取締法に基づく「強制」的な調査で、臨検、捜索、差押等の権限があり、悪質な脱税を摘発することが目的です。事前の連絡はなく、会社や社長の家に一斉に捜査員がなだれ込みます。相手方の同意を必要としません。
査察は強制力のある調査で、税額の修正だけでなく場合によっては刑事告発にまで至ります。
令和元年度の告発件数は116件、脱税総額93億円
では、実際にこの国税庁のレポートを見てみます。
【令和元年度の取組】
・検察庁に告発した件数は116件、脱税総額(告発分)は93億円
・海外に不正資金を隠す国際事案、無申告ほ脱事案のほか、市場が拡大する分野や時流に即した社会的波及効果の高い事案を告発
ここの中でちょっと意外な感じがしたのは、116件で総額93億円ということは、1件あたりの税額は約8,000万円という金額だということです。
査察が入るのはもっと高額かと思っていましたが、それほど高額な案件でなくても入っているんですね…。