今年に入ってからコイン相場は上昇トレンドへ
一方で、このコインの最近の値動きはどうでしょう。
ここ数年コイン相場は全般的に値上がりしていますが、このコインの値上がりもなかなかのものです。2018年に僕はこのコインをオークションで落札しましたが、その時のハンマープライスは7,500ドルでした。
これに対し、今年8月時点のオークションでは、このコインのハンマープライスは14,000ドルまで上がっていました。なお、それぞれの状態(グレード)は、2018年のコインがPR65、今年8月に落札したコインはPR66でした。
状態は今回のほうが1ランク上ですが、このコインの場合65と66の価格差はさほどありません。ご参考までに発行枚数も18枚と19枚で、差はほとんどありませんでした。
このように2018年時点と直近事例を比べると、2倍程度の差が出ていますが、実はこの相場上昇の大半は今年になって起きたものです。
フランスはこのコインに限らず、1/2フランから100フランまで数種のプラチナコインを発行してきましたが、いずれも同様の価格の推移をたどっています。
1年前にこの状況を予想できた人は、ほとんどいなかったのではないでしょうか。
希少コイン、今後の値動きは?
では、このフランス50フランを中心とした、いくつかの希少プラチナコイン群…これからどのように相場が推移していくのでしょう。
今から思えば7,500ドルは安すぎました。プラチナ地金ベースで30万円の価値があるうえに、年号によっては1桁台しか発行されていない希少コインです。
年号と状態によっては400万円を超えるコインも出てきましたが、僕はこれでも決して高くはないと思います。
プラチナという金属は希少性が高く、コインの素材としては不向きではありますが、過去を振り返るといくつかの事例はあります。
たとえばフランスの50フランと似た環境で発行されたコインに、1830-45年にロシアで発行された12ルーブルがあります。デザインは王冠をいただいた双頭の鷲で、重さは41g以上もある立派なコインです。プラチナの産出量が限られていたこともあり、この12ルーブルは多い年でも1,463枚しか発行されていません。2枚しか発行されなかった年もあり、その点でもフランスの50フランとよく似ています。
この12ルーブルは発行から175年以上経ち、状態の良いものなら軽く1,000万円を超えます。
プラチナ安の昨今、フランスの50フランはプラチナ製であることから少し下に見られているよう思いますが、いずれその希少性から、ロシアの12ルーブルのような位置付けになっていくと僕は思っています。
『一緒に歩もう!小富豪への道』(2020年10月6日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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