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孫正義のArm売却額4.2兆円は妥当か?買った側のNVIDIA目線で分析=シバタナオキ

買収金額は妥当なのか?NVIDIAの時価総額からの考察

次に、NVIDIAの時価総額の軸から、買収金額の妥当性を検証していきます。

NVIDIAの決算数字を見てみましょう。

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直近の決算を見てみると、四半期あたりの売上は約$3.9B(約3,900億円)でYoY +50%という高い成長率を誇っています。営業利益は、$651M(約651億円)となっています。

これらを年換算すると、売上約$16B(約1.6兆円)、営業利益約$2.6B(約2,600億円)となります。

Armの売上が約1,800億円なので、NVIDIAの売上はArmの約9倍の水準です。

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一方で、NVIDIAの時価総額を確認すると、2020年9月16日時点で$309B(約30兆円)です。Armの買収金額は約4兆円なので、NVIDIAの時価総額の約1/9の水準です。

こうして考えると、ArmはNVIDIAに対して、売上が1/9なので、時価総額も1/9だと思えば、$33.5B〜$40B(約3.35兆円〜約4兆円)での買収も悪くはないと言えるでしょう。

このように、今回の買収金額に関しては、Armの売上・利益から考えると割高だが類似企業がない領域のため高い値がついたと考えられ、NVIDIAの売上と時価総額の関係から考えると妥当な水準だと言えます。

Next: 試練は買収後。今後の成長を左右する2つの大きな懸念

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