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ついに上場したAirbnb、なぜ巨額赤字でも倒産しない?キャッシュフローに秘密=シバタナオキ

ついに上場したAirbnb(エアービアンドビー)を取り上げます。コロナ禍の影響を受けた同社の2020年1月-9月の営利は約490億円の赤字となりました。前年度からさらに悪化していますが、なぜ倒産しないのでしょうか?(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)

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※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2020年12月8日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:シバタ ナオキ
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。

Q.ついに上場するAirbnbが赤字でも倒産しない理由とは?

ヒント:Airbnbのビジネスモデルによる、キャッシュサイクルがポイントです。

今回の記事では、ついに上場したAirbnb(エアービアンドビー)を見ていきます。

Airbnbは2008年にアメリカで設立され、一軒家からホテルまで様々な宿泊所を提供する400万人以上のホストと利用者をマッチングするプラットフォームを提供しています。2020年9月末時点で、220以上の国と地域に展開しています。世界中で「民泊」の浸透に大きな役割を果たしたサービスと言えるでしょう。

コロナ禍で大きな影響を受けている同社ですが、以前から公言していた通り、2020年中に上場することとなりました。

AIRBNB INC<ABNB> 日足(SBI証券提供)

AIRBNB INC<ABNB> 日足(SBI証券提供)

日本の上場申請書にあたるFORM S-1で開示された資料から、コロナ禍で上場を決めたAirbnbの主要指標を見ていきましょう。
※参考・画像出典:Airbnb, Inc. FORM S-1(2020年11月16日)

2020年1月-9月の営利は約490億円の赤字

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2019年の年間売上は、$4.8B(約4,800億円)で前年同期比(YoY)+31.6%、年間の営業利益は、-$502M(▲約502億円)の赤字でした。その前年の2018年はなんと$19M(約19億円)の営業黒字を達成しています。

しかしながら、2019年1月-9月の売上$3.7B(約3,700億円)、営業利益-$174M(▲約174億円)と比較して、コロナの影響を受けた2020年1月-9月の売上は、$2.5B(約2,500億円)、営業利益は-$490M(▲約490億円)と売上は大幅減少、営業利益は大幅に悪化しています。

Next: Airbnbの最重要KPIは「予約数」と「予約総額」

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