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ヤフーが「楽天」化へ。絶好調のコマース事業は緊急事態宣言前後でどう変化?=シバタナオキ

コロナ禍の巣ごもり需要で追い風を受けたヤフー。緊急事態宣言の前と後では、どのような違いが生まれたのでしょうか?決算書から読み解きます。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)

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※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2020年12月1日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:シバタ ナオキ
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。

Q. ヤフーのコマース事業に見る緊急事態宣言中と解除後のECの差分は?

A. 緊急事態宣言中(Q1)と宣言解除後(Q2)の取扱高の前年同期比は以下の通りに推移。

ショッピング事業取扱高: 宣言中YoY+85.9% → 解除後YoY+51.3%

クレジットカード取扱高: 宣言中YoY+31.3% → 解除後YoY+26.6%

O2O事業取扱高: 宣言中YoY-55.7% → 解除後YoY+55.3%

「GoTo」の影響で宣言中に大幅減少したO2O事業が大きく好転。

今回は、ヤフーを運営するZホールディングスの2020年6月-9月の第2四半期決算を紐解きます。緊急事態宣言(2020年4月7日〜5月25日)を含む第1四半期の決算と比較して、緊急事態宣言解除後の四半期決算にどのような違いが出ているのか見ていきたいと思います。

以下では、第1四半期を宣言中、第2四半期を解除後として記載していきます。
※参考・画像出典:Z Holdings 2020年度 第2四半期決算 プレゼンテーション資料 (2020年10月30日)

緊急事態宣言中も解除後も絶好調

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Zホールディングス全体の連結の第2四半期売上は2,833億円で、YoY+15.4%となりました。第1四半期の売上は2,739億円で、YoY+14.8%でした。第2四半期の営業利益は476億円でYoY+20.5%、第1四半期の営業利益は506億円でYoY+40%でした。

宣言中と宣言後で売上・営業利益には大きな変動は見られませんでしたが、前年同期の売上YoYは+5.3%、営業利益は394億円だったことと比較すると、株式会社ZOZOの子会社化と、コロナ禍の追い風で絶好調な決算だったと言えるのではないでしょうか。

次に事業ごとの決算の内訳を見ていきたいと思います。決算説明会資料の冒頭に「様々なグループ会社、サービス群を持つ強みを活かしたポートフォリオ経営が奏功」と記載されているので、事業ごとに緊急事態宣言中の巣ごもり需要の影響が見て取れそうです。

Next: 広告・コマース事業はそれぞれどう変わった?

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