新型コロナの感染者が再び急増するなか、東京都では濃厚接触者への連絡に関し、これまでの保健所からではなく、感染者本人が直接連絡をする方式に変更したと報じられ、SNS上では動揺の声が広がっている。
報道によると、東京都は19日夜に都内の保健所に対し、感染者の濃厚接触者対応について濃厚接触者に感染者本人から直接連絡してもらうよう通知。今後、濃厚接触者を特定する調査は、高齢者施設などに実質的に絞るという。
同様の対応変更が全国にも波及か
新型コロナの変異株“オミクロン株”の感染急拡大が一足先に進んでいた沖縄県では、今月10日の段階で上記のような対応に切り替えたと報じられていた濃厚接触者への連絡。
今回報じられた東京都にくわえて、京都府でも同様の対応を取ると20日に報じられており、このまま感染拡大が続けば、この流れが全国に波及する可能性も大いにありえそうだ。
今回のような処置が相次いでいる背景にあるのは、全国の保健所で発生している業務の“パンク”状態。一部の自治体では、感染拡大の影響で一時閉館となった図書館などの施設に務める職員を、保健所の業務に回すことも行っているようだが、それでも人手はまったく足りてないようで、SNS上にはそんな“窮状”を訴える関係者からのツイートも多く見られる状況だ。
東京都、新たに7377人感染 過去最多を更新、都内保健所に派遣された同僚曰く現場は戦場で、新規感染者で連絡出来ていない人が100人超えとのことで、濃厚接触者は追うことすら出来てません
— ☘️『福祉のよろず屋』ぽれぽーれーPolePole 포레포레ー (@116_kkk) January 19, 2022
保健所職員ですが、限界です。。全員5類相当にして欲しいと思っています。。。 https://t.co/GgUmmoIWVH
— おしょさん (@oSHO_SJG) January 15, 2022
それだけに致し方ない処置ともいえる今回の件だが、とはいえコロナに感染した人が「あなたは濃厚接触者で」と自ら連絡するというのも、あまり現実味のない話のように聞こえる。
そもそも何をもって濃厚接触であると定義するのか、これといった明確な基準も明示されているわけでなく、また感染者が自らが職場などに「責められそう」あるいは「迷惑かけそう」という思いから、連絡を思いとどまるといったケースが多発することも想定できそう。
そのいっぽうで、逆に濃厚接触の可能性を疑われる人や場所に片っ端から連絡しまくる人も、中には存在しそうで、それはそれで社会に大混乱を招きそうといった見方も。今回の連絡方法の変更によって、経路不明の感染が続出する形になるのか、あるいは濃厚接触者が過剰に増える事態になるのか、どっちの可能性も大いに考えられそうな情勢だ。
『私コロナに感染したんよ。あんた、濃厚接触者かも』
って、友人にも、近所の人にも、買い物した所にも、外食したところにも全部電話しないといけなくなるやん。一般の人は基準わからないのに
濃厚接触者へは感染者本人が連絡を 東京都が通知 | FNNプライムオンライン https://t.co/iBdGZqsl24
— 野中しんすけ@ただの看護師 (@nonaka_shin) January 19, 2022
感染者本人が症状あってしんどくても周囲に濃厚接触者の連絡しないといけないの?責められそうとか迷惑かけちゃうとか思ってちゃんとする人どれくらいいるんだろうか?身体としんどいのに心労までかけちゃうってこと?
— アポは14時でお願いします (@appointment14pm) January 19, 2022
それって本人の意思で連絡するってことだよね……。つまり連絡しないのも本人の意思??
まず誰が濃厚接触者に値するか分からなくて会った子に片っ端から連絡するのも混乱を招くことにつながりそう…。— ラッキー (@___ratsuki___) January 20, 2022
全くのムダと改めて証明された「COCOA」
いっぽう、今回の報道を受けて多くあがっているのが「COCOAはどうなった?」という声だ。
濃厚接触者には感染者本人から連絡することに決定、って、そういうローカル/ローテクを排除するためにCOCOAを作ったのでは…
— 蒼の検証者 ぶるふぁん @ One (@blue_fang_ur320) January 19, 2022
なにそれ直接連絡が嫌だからこそのCOCOAじゃなかったの?アベノマスク以上に血税無駄遣いしやがって
濃厚接触者への連絡は保健所ではなく感染者本人から 東京都が通知 – ライブドアニュース https://t.co/KqwtmeVEex— 小豆長光パソコン修理中 (@azukiosamitu) January 20, 2022
濃厚接触者へは感染者本人が連絡を 東京都が通知 | FNNプライムオンライン https://t.co/OV5IJEees8
は?
4億もかけたCOCOA、機能してない?!— 都民カフェ渋谷 (@tomincafe_sy) January 20, 2022
厚生労働省が提供している新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」だが、登場当初からその仕組みや効果に関して疑問の声が多くあがっていたうえに、昨年2月には最も重要な機能である“接触通知”が、一部の端末において約4か月に渡って届いていなかったいう不具合が判明。
当時の菅首相も国会で「お粗末なことだ」と不手際を認める答弁をするなど、“役立たず”の烙印を押されて久しい。
とはいえ今回のような状況こそ、そんな「COCOA」が活躍する状況ではと確かに思うところだが、利用者サイドはもとより、国や行政もその活用を考えているといった声は全く聞こえてこない。開発費用は約4億円とべらぼうに高額ではないものの、それらの血税投入が全くの無駄だったことが、改めて証明された格好だ。
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