最近は弱者に「なりすまし」した人間が「自分は弱者だ、面倒を見ろ、金を出せ、ちやほやしろ」と叫んで、それを咎めると「差別だ、被害を受けた、謝罪と賠償しろ」と恫喝する手口があちこちで明るみに出ている。思い当たることもあるはずだ。日本は「自称・弱者」があまりに多過ぎる。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)
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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、主にアメリカ株式を中心に投資全般を扱ったブログ「フルインベスト」を運営している。
「パラサイト」という言葉
「パラサイト」という言葉がある。これは寄生生物を指す言葉だったのだが、最近では他人に寄生して生きる人間も「パラサイト」と呼ぶようになっている。薄気味悪く、不気味な言葉だ。
世の中は、真っ当に生きようとする人たちが大半なのだが、一部のパラサイトのような人間はそのような生き方が面倒に感じ、楽して生きることを考える。楽して生きるというのは、基本的に「他人に寄生して生きる」ということである。
本当は、他人に寄生するというのもそれほど楽なことではないのだが、自立して生きるより苦労はいらない。自立して生きれば何かあればすべて自分のせいだが、他人に寄生していれば他人のせいにできる。
だから、基本的に誰かに寄生して生きる寄生虫タイプの人間は、いったん寄生する対象を見つけると、ダニやシラミのように食らいついて離れない。
こうした寄生虫のような人間に取り付かれると、延々と生き血を吸われ続けることになる。
寄生虫の駆除が難しいのと同様に、こうした人間の駆除もまた難しい。なぜなら、駆除されたくないために、必死で食らいついてくるからである。寄生している宿主を離さない。
「自分は弱者だ」と叫び続けて主張する人間たち
現在、先進国各国では、社会福祉に寄生して、本来は働けるはずなのに働こうとしない寄生虫のような人間たちの存在に頭を悩ませている。
社会福祉というのは、いろいろな障害や病気や社会環境で本当に収入を得ることが難しい人たちに対する社会からの救済であり、こうした制度は困窮者を孤立死させないために必須の制度である。
これは「働きたくても働けない人」を対象にしている。
しかし、寄生虫タイプの人間はそこに目を付ける。彼らは「働きたくないから働かない」だけなのだが、もし役所が「働きたくても働けない人」だと認定すれば、その社会福祉をせしめることができると考える。
だから、こうした寄生虫タイプの人間は「自分は弱者である」ということを強調し、大声で訴え、徹底的に弱者という立場にこだわるようになる。
弱者であることを認めてもらうために、ニセモノは年中「自分は弱者だ」と叫んで暮らすようになる。社会の犠牲になった被害者になりすます。
本当の弱者は、実は自分が弱者であることをいちいち叫ぶことも訴えることもない。むしろ、それを隠そうとする人も多い。自立して生きたいと考えるので、「自分は弱者ではない」と言う人さえもいる。
自立して生きることにプライドを持っているので、本来であれば受けられるはずの社会福祉を辞退することもある。障害を持っていても真っ当に働いて生きている人というのは、本当の意味で人間らしい素晴らしく人である。
しかし、本当は働けるのに働きたくないために弱者を装う人は、1日24時間、365日、朝から晩まで「自分は弱者だ」と叫び続けて、うるさくパフォーマンスする。
本当は弱者ではないので、常にそれを叫び続けないと生きていけないのである。こうした人間は「なりすましの弱者」であり、社会で最も有害なタイプであると言える。