コロンビア・ワークス<146A>
●DAIBOUCHOU
東京の不動産が堅調とはいえ、何でも良いというわけではないはずです。御社ではどのような基準で投資対象の選別をされているのでしょうか。
■コロンビア・ワークス 水山様
おっしゃる通りです。「都心であればどこでもいい」という考え方は、我々の戦略とは異なります。
例えば、渋谷に住みたい・働きたいという方々と、新宿や中央区を希望される方々とでは、企業属性も個人の属性も全く異なります。そのエリアに集まる人たちが、住まいや職場にどのようなサービスを求めているのか。利用者のニーズを徹底的にマーケティングし、それに応える付加価値を不動産側で用意できるかどうかが鍵となります。
付加価値を高めれば高めるほど、そのエリアで「より高いクオリティ」を求めている層に響きます。そうした方々は、単なる賃料の安さではなく、提供されるサービスの質を極めて重視されているからです。つまり、「場所」×「どのような企画で開発するか」の掛け合わせこそが、付加価値を最大化させる要素だと考えております。
通常、東京の住宅地の賃料は急激には上がりづらいものですが、例えば「公園が近いから、スポーツウェルビーイングをコンセプトにしたレジデンスにする」といった明確な企画を打ち出すと、周辺相場より20〜30%ほど高い賃料設定でも、納得して入居いただける。そのようなポジティブな循環が生まれています。
●DAIBOUCHOU
なるほど。そのエリアのニーズに合致した企画さえあれば、相場より2割高い賃料でも受け入れられる土壌があるということですね。
■コロンビア・ワークス 水山様
もちろんベースとして、都心ならではの「交通利便性」や「好立地」という条件があることが大前提です。その盤石な基礎の上に、我々ならではの付加価値を積み上げることで、他にはない競争力を生み出しています。
●DAIBOUCHOU
よく分かりました。ありがとうございます。
○アナリスト 中西
一方で、一般的な認識としては、都心の不動産にはかなりの過熱感があるようにも見受けられます。一部では高値掴みによる在庫を抱え、値下げに転じるケースも聞き及びますが、やはり水山さんのお話にある通り、同じエリア内でも「付加価値の有無」によって明暗が分かれているということでしょうか。
■コロンビア・ワークス 水山様
わたしの口から申し上げてよいのかわかりませんが、特に分譲マンションの二次流通市場で、その影響が顕著に出ていると感じます。
例えば、港区三田などの大規模分譲マンションでは、デベロッパーの供給当初は坪単価1,500万円程度でした。それが現在の流通価格では2,500万〜3,000万円という水準になっています。では、この1年強で物件そのものに何の変化があったかと言えば、実態としては何も変わっていません。
こうした「転売益」を期待した価格の跳ね上がりについては、過熱感があると言わざるを得ない側面もあります。もちろん、当初の1,500万円という価格設定が安すぎたという事実はありますが、1年で利用価値が2倍にまで膨らむかと言えば、そこには調整局面が入るのが自然な流れでしょう。
ただ、繰り返しになりますが、我々が重視している「賃料」という指標で見れば、年率20%程度の上昇は着実についてきています。これは投資目的ではなく、「住むため」「働くため」という実需に基づいた利用価値の向上です。資産価値が1年で倍になるような急激な動きは落ち着くかもしれませんが、実需に裏打ちされた利用価値が着実に推移しているのが、足元の確かな状況だと認識しています。
捕足:分譲マンションの賃貸利回りについては、2%を切る水準で取引される事例もあり、過熱感は否めません。当社は一棟マンションを機関投資家向けに販売しており、実態の賃料と販売価格は相場から外れない利回りをベースに価格が形成されております。
○アナリスト 中西
非常によく分かります。少し視点が変わりますが、物件価格や賃料の上昇に伴い、銀行融資のLTV(ローン・トゥ・バリュー:物件価格に対する融資比率)の「バリュー」自体も上がっているのでしょうか。例えば「物件価格の7割まで融資する」という銀行の場合、評価額が上がれば、それに応じて融資額も伸びている状態ですか。
■コロンビア・ワークス 水山様
感覚としては、LTVの設定自体が下がっているという印象はありません。それよりも、銀行側の「評価の出し方」が変化していると感じます。
これまでは土地や建物の「積算価格」が重視されてきましたが、現在はより「収益還元」、つまり「今後どれだけの賃料収入(NOI)が見込めるか」という点を厳格かつ前向きに評価するようになっています。この収益性に基づいた評価額の上昇に対し、LTV 70%〜80%という融資姿勢は変わらず維持されているという手応えです。
○アナリスト 中西
なるほど。ありがとうございます。
●DAIBOUCHOU
不動産の利回りはかなり低下していますが、それでも買い手が絶えないということは、売却先である機関投資家の需要は引き続き強いと見てよいのでしょうか。彼らが何を判断材料にしているのか、株主の皆様にも分かるように教えていただけますか。
■コロンビア・ワークス 水山様
ありがとうございます。投資家の方々が物件を購入される際、最も重視されているのは「その物件の賃料を将来にわたって引き上げられるか」という見通しです。これまでのトラックレコードに照らし合わせ、「今後5年、10年と賃料を上げていける余地がある」と判断できれば、たとえ目下の利回りが多少低くても、積極的に購入の意思決定をされています。
●DAIBOUCHOU
なるほど。目先の物件価格そのものよりも、将来得られる賃料の「上昇率」と「安定性」というトレンドを重視して投資判断がなされているということですね。
■コロンビア・ワークス 水山様
その通りです。ですから、冒頭でお話しした「二極化」の話に戻るのですが、将来の賃料上昇が見込みにくい物件については、すでに頭打ち感が出ています。一方で、現在は坪単価1万7,000円〜1万8,000円程度の賃料であっても、今後5年ほどで2万円台を超えていくだろうと期待できる物件については、利回りが低くても非常に旺盛な需要があります。
コロンビア・ワークス×中西哲氏×DAIBOUCHOU氏対談動画文字起こし(5)に続く
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