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クリレスHD Research Memo(5):2026年2月期は過去最高の売上収益。居酒屋業態・海外低調で減益(2)

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■決算概要

2. 2026年2月期決算の概要
クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>の2026年2月期の業績(IFRS)は、売上収益が前期比5.8%増の165,449百万円、営業利益が同6.6%減の7,944百万円、税引前利益が同2.6%増の7,861百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同16.3%減の4,677百万円と、売上収益は過去最高を更新するも、損益面では原材料費の増加などにより計画を下回る減益となった。

売上収益はすべてのカテゴリーで増収を確保した。特に都心商業施設店舗を中心にCRカテゴリーが堅調に推移したほか、消費の2極化が進むなかで、「日常」「定番」業態であるベーカリー及びヌードルブランド、地域密着の和食レストラン「いっちょう」などが増収に寄与した。また、前期実施したM&A※の通年寄与も上乗せ要因となった。ただし、既存店売上高全体(通期平均)は前期比101.8%と前期を上回ったものの、SFPカテゴリー(現 居酒屋カテゴリー)及び海外カテゴリーの下振れにより、前期比102.8%とする計画には届かなかった。

※ 米国ベーカリーレストラン「Wildflower」(2024年9月)、北海道を代表するラーメン店「えびそば一幻」(2024年10月)の2社。

出退店については、環境変化を見据えたポートフォリオの見直しを進める方針により新規出店56店舗(業務受託を含む)及びM&Aで7店舗を獲得する一方、契約満了や海外FC(不振店)撤退により54店舗を退店し、2026年2月末の店舗数は1,125店舗となった。また、立地環境や顧客ニーズに合わせ、19店舗の業態変更を行った。

損益面では、増収による収益の底上げを図ったものの、想定を超える原材料費高騰の影響を受けたSFPカテゴリーの落ち込みや高単価業態の苦戦が続く海外カテゴリーの下振れ分をカバーできず、計画を下回る営業減益となった。営業利益率も4.8%(前期は5.4%)に低下した。また、M&A関連費用のほか、新規出店や業態変更、店舗改装等の先行費用も積極投入したが、その点は想定の範囲内である。

財政状態については、新たなM&Aに伴う2社※の連結開始や新規出店等により資産合計は前期末比1.8%増の139,669百万円に増加した。一方、親会社の所有者に帰属する持分も内部留保の積み増しにより同9.0%増の43,769百万円に拡大したことから、親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率に相当)は31.3%(前期末は29.3%)に改善した。また、有利子負債(社債及び借入金合計)は同19.7%減の21,045百万円に減少し、ネットD/Eレシオは1.09倍(前期末は1.15倍)に抑えられている。M&Aや新規出店などの成長投資を継続する一方で、財務の健全性も維持している。

※ 「狼煙」(2025年5月)及び「Tecona Bagel」(2026年2月)。

各カテゴリー別の業績は以下のとおりである。

(1) CRカテゴリー
売上収益は前期比8.3%増の58,466百万円、カテゴリーCF※1は同3.2%増の6,035百万円となった。都心商業施設を中心に売上好調を維持したことで、天災や天候不順の影響を受けた店舗の売上減をカバーし計画を上回る増収となった。既存店売上高(通期平均)も前期比103.6%に増加した。また、カテゴリーCFについてもスタッフ増員及び賃金アップなどの人的資本投資に取り組みながらも、増収により計画を上回るプラスを確保した。新規出店33店舗※2、退店28店舗により、2026年2月末の店舗数は523店舗となった。また、業態変更を16店舗で行った。

※1 カテゴリーCF(キャッシュ・フロー)=営業利益(日本基準)+減価償却費+協賛金収入+非経常的費用項目(以下、同様)。
※2 コアブランドである「しゃぶ菜」「TANTO TANTO」「AWkitchen」「海南鶏飯食堂」のほか、JA全農コラボや新規業務受託(ゴルフ場内レストラン等)などを含む。

(2) SFPカテゴリー(現 居酒屋カテゴリー)
売上収益は前期比2.9%増の31,119百万円、カテゴリーCFは同18.9%減の2,454百万円となった。売上収益は新店効果により増収を確保したものの、既存店における来店客数の減少が響き計画を下振れた。既存店売上高は(通期平均)は前期比99.2%と前期を下回った。また、カテゴリーCFについても既存店売上高の下振れに加え、想定を超える原材料費高騰をメニュー改定でカバーしきれず、大幅なマイナスとなった。新規出店12店舗※、退店5店舗により2026年2月末の店舗数は210店舗となった。また、業態変更を1店舗で行った。

※ コアブランドである「磯丸水産」のほか、「五の五」「とろたく」など。

(3) 専門ブランドカテゴリー
売上収益は前期比2.7%増の50,214百万円、カテゴリーCFは同3.4%増の5,641百万円となった。「日常」「定番」業態であるベーカリー、ヌードルブランド及び「いっちょう」などが好調を維持し、計画を上回る増収及びカテゴリーCFの伸びに寄与した。既存店売上高(通期平均)も前期比102.7%に増加した。新規出店10店舗※1、M&A7店舗※2、退店7店舗により2026年2月末の店舗数は335店舗となった。また、業態変更を2店舗※1で行った。

※1 コアブランドである「サンヴェリエ」のほか、新ブランドが多くを占める。業態変更も新ブランド「菜菜麻辣湯」への変更である。
※2 「狼煙」「手揉み中華そば中村」「Tecona bagel」など。

(4) 海外カテゴリー
売上収益は前期比11.9%増の26,039百万円、カテゴリーCFは同7.6%増の2,380百万円となった。前期M&Aしたベーカリーレストラン「Wildflower」が好調を維持し、業績に大きく寄与した。一方、高単価のイタリアンレストラン「Il Fornaio」は北米のインフレ疲れにより苦戦が続いている。その結果、既存店売上高は前期比99.5%と伸び悩み、カテゴリーCFも計画を下回った。新規出店1店舗、退店14店舗※により期末の店舗数は57店舗となった。

※ 不振の海外FCなど。

3. 2026年2月期の総括
2026年2月期を総括すると、売上高が過去最高を更新し続けている点は評価される一方、損益面での計画下振れは懸念材料となった。もっとも、下振れの原因は一部業態に限定されており、グループ全体で後退したわけでない。分散されたポートフォリオによってマイナス部分をカバーする収益構造は同社の強みとも言える。下振れの原因となったSFPカテゴリー(現 居酒屋カテゴリー)及び海外カテゴリーについても、それぞれの課題を特定したうえで既に有効な対策を進めており、今後の回復状況が注目される。活動面では、特徴際立つ新業態開発やシナジーのあるM&Aの実現、コントラクト事業の拡充など、中期経営計画の初年度として一定の成果を得たものと弊社では評価している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

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