2026年7月13日に発表された、株式会社マネーフォワード2026年11月期第2四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
2026年11月期 第2四半期ハイライト
辻庸介氏(以下、辻):みなさま、本日はお集まりいただき、誠にありがとうございます。マネーフォワード代表取締役社長、グループCEOの辻です。それでは、2026年11月期第2四半期のハイライトについてご説明します。
スライドは、第2四半期のハイライトです。セキュリティインシデント等はありましたが、売上高は143億2,000万円で、スマートキャンプ社のグループアウトを除くと、前年同期比40パーセント増となりました。
全社SaaS ARRは476億7,000万円で前年同期比34パーセント増、調整後EBITDAは22億8,000万円、マージンは前年同期比9.8ポイント改善しており、引き続き順調に進んでいます。
中堅企業向けARR純増についても過去最高を更新し、純増額は21億8,000万円となりました。「AKASHI」のグループジョイン影響を除いたオーガニックの純増も15億3,000万円と、いずれも過去最高を更新しています。法人課金顧客数の純増数は1万3,971社となり、こちらも過去最高を更新しました。
Money Forward BusinessセグメントおよびMoney Forward Financeセグメントが好調に推移していることを受け、本日、通期ガイダンスを上方修正しました。通期売上高は605億円から623億円、営業利益はマイナス5億円からプラス15億円、調整後EBITDAは105億円から115億円へと上方修正しています。
主な要因としては、Money Forward Businessセグメントにおけるカード事業の売上が想定以上であったこと、6月末に開示したMoney Forward Financeセグメントでの売却益の影響、ならびに期中のM&Aによる影響です。
今年1月には親会社株主に帰属する当期純利益を15億円引き上げましたが、それに続く2度目の利益の上方修正となります。引き続き、成長と収益性の改善をしっかり実現していきたいと考えています。
「No.1 バックオフィスAIカンパニー」に向けた取り組みについては、着実に進行しています。「カスタム帳票作成エージェント」や「業績分析エージェント」など、経理財務領域におけるAIエージェントを続々とリリースしています。
「マネーフォワード AI Cowork」は現在開発中であり、7月下旬にリリースを予定しています。その他、具体的な取り組みの進捗については、後ほどビジネスハイライトの中でご説明します。
ここからは、全社業績のハイライトについて、CFOの長尾よりあらためてご説明します。
通期ガイダンスを上方修正

長尾祐美子氏(以下、長尾):執行役員、グループCFOの長尾です。まず、通期ガイダンスの上方修正についてご説明します。
概要は、先ほど辻からも説明がありましたとおり、Money Forward Businessセグメントの特にカード事業の売上が大幅に上振れている点や、Money Forward Financeセグメントにおける営業投資有価証券の売却益を主に反映しています。
これらは一部、期初のガイダンスに織り込んでいたものではありますが、この上振れ分を今回の上方修正に反映しました。
その結果、売上高、調整後EBITDA、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益をそれぞれ下限・上限ともに上方修正しました。不正アクセス対策としてセキュリティ投資を引き続き強化していますが、業績への影響は十分吸収できる見込みです。
これらを鑑みても、上方修正後のガイダンスをしっかり達成できると考えています。
SaaS ARR推移

第2四半期の実績値についてご説明します。SaaS ARRは前年同期比34パーセント増となりました。特に、Money Forward Businessセグメントの法人ARRが高成長を続けています。
Money Forward Homeセグメントは、年末年始に実施したキャンペーンやプロダクトの強化施策が奏功し、前年同期比30パーセント増と成長が加速しています。
Q2連結売上高は前年同期比+40%(除く、グループアウト影響)

売上高についてご説明します。連結売上高は、昨年のスマートキャンプ社の非連結化の影響を除くと、前年同期比40パーセント増となりました。このうち、Money Forward Businessセグメントは前年同期比41パーセント増と引き続き高成長を維持しており、全社で成長を加速している状況です。
Businessセグメント 四半期 売上高推移

Money Forward Businessセグメントの四半期売上高についてです。Money Forward Businessセグメント全体は非常に好調で、前年同期比41パーセント増となっています。特に、法人ストック売上は前年同期比36パーセント増と、この規模ながら高い成長率を維持・拡大しています。
フロー売上については、季節要因により四半期ごとに変動があります。第1四半期からは減少したものの、前年同期比で見ると、カード事業の売上高は昨年の第2四半期と比較して約3倍に拡大しており、非常に堅調に成長しています。
2026年11月期 Businessセグメント 第2四半期ハイライト

Money Forward Businessセグメントのハイライトです。冒頭でも述べたとおり、中堅企業向けARR純増および法人課金顧客数純増は、ともに過去最高を更新しました。
昨年から実施しているSMB領域での価格改定についても、もともと想定していたARRインパクトの20億円を大幅に上回る24億円となり、期待を上回る成果を生んでいます。
Businessセグメントの法人ARRは、前年同期比+36%

先ほど法人ARRが前年同期比36パーセント増とお伝えしましたが、特に中堅企業向け領域の成長拡大によるものです。中堅企業向けARR純増は21億円となっており、勤怠管理プロダクト「AKASHI」のM&A影響を除いても、オーガニックで15億3,000万円増となり、過去最高額のARR純増となります。
課金顧客数とARPAの成長が継続

Money Forward Businessセグメントにおける法人ARRの前年同期比36パーセントの増加要因を分解すると、法人課金顧客数が前年同期比21.5パーセント増、法人ARPAが前年同期比12.3パーセント増という状況です。両面で非常にバランスよく成長しています。
ARPA拡大の背景には、価格改定だけでなく、複数プロダクトの利用拡大や中堅企業比率の上昇が挙げられます。顧客数とARPAの両輪で成長できていることが、当社のMoney Forward Businessセグメントの強みであると考えています。
法人顧客純増数と士業チャネルの継続的な強化

四半期の法人顧客純増数の推移についてです。過去最高となる約1万3,971社を達成しました。当社の強みである士業チャネルを通じた導入が非常に順調で、オーガニックベースでも1万2,000社を超え、これも過去最高となっています。
SMB企業向けARRは、前年同期比+36%と成長が加速

SMB向けについてです。昨年の第2四半期から実施している価格改定は、この第2四半期で1年間を一巡しました。当初想定していた20億円のインパクトを上回り、24億円のARRインパクトとなりました。
要因としては、解約率が想定より下回ったこと、さらに想定より低単価のプランへのダウングレードがなかったことが後押ししています。価格改定を行いつつも、新規顧客純増のペースを加速できており、良い成果が出せていると思います。
中堅企業向けARRも YoY+37%と力強い成長が続く

中堅企業向けARRは、M&Aの影響を除いてもオーガニックで15億3,000万円の純増となり、過去最高額を記録しています。勤怠プロダクト「AKASHI」は1プロダクトで約1,500社超の顧客を有しており、全体のARPAを押し下げるような見え方になる状況です。
しかし、M&Aの影響を除くと、スライド右側のグラフに示されているように120万円超となり、前四半期からARPAの成長が加速しています。
後のスライドでも言及しますが、「AKASHI」はグループジョインからわずか数ヶ月でクロスセルの成果が出ており、当社として非常に期待している領域です。
国内最大級のバックオフィスSaaSプロダクトラインアップに加え、AIによる自律的な業務支援も可能に

やはり中堅企業領域の強さは、幅広いプロダクトラインアップとそれぞれのプロダクトの競争力にあると考えています。
今月末に「マネーフォワード AI Cowork」の発表を予定しており、当社が培ってきた既存の顧客基盤やデータアセットを活用することで、さらなるARPA向上と顧客層の拡大を実現できると期待しています。
全社売上総利益/バックオフィス向けSaaS事業”Gross Profit Margin”推移

バックオフィス向けSaaS事業の売上総利益率(Gross Profit Margin)の推移です。売上総利益率はカード事業の増減に影響を受けますが、Fintech領域の影響を除いたバックオフィス向けSaaS事業のGross Profit Marginは、89パーセントと引き続き高い水準を維持しています。
EBITDA(四半期推移)

調整後EBITDAについてです。調整後EBITDAは22億円、調整後EBITDAマージンは約16パーセントで、前年同期比で約10ポイント改善しています。
EBITDAの実額やマージン比率はカード事業による売上の増減の影響を受けますが、後述のとおり、事業キャッシュフローの観点では前四半期比で増加しています。今期は、期初にご説明したとおり、AIへの投資を強化しつつ、確実にマージン拡大を実現していきたいと考えています。
売上原価・販売費及び一般管理費の構造(対売上高比率、EBITDAベース)

コストの内訳についてです。カード事業の売上減少の影響や新卒社員の入社等により、前年同期比では、人件費率が1年前の52パーセントから46パーセントに減少しており、規律ある投資と収益性の改善を引き続き進めています。
従業員数の推移

人員数の推移についてです。増加の主な要因は、AIプロダクト開発に関する人員強化です。また、新卒社員が40名程度増加しています。
従業員1人当たり年間売上高 (除く、HIRAC FUND)・ARR

生産性についてです。従業員1人当たりの年間売上高は、カード事業の売上の影響を受けるものの、ARRでは1人当たり1,600万円を超え、着実に増加するトレンドとなっています。
全社的なAI活用の推進により、生産性が飛躍的に向上。今後更なる改善に注力

生産性とAI活用については、プロダクト開発だけでなく、社内での活用も着実に進めています。開発サイドでは、各種AIツールの活用により、開発のリードタイムを最大30パーセント短縮し、全社員のほぼ100パーセントが生成AIを活用している状況です。
引き続き、エンジニアサイドだけでなく、営業やカスタマーサクセス、コーポレートなど、全社的にAIの活用を進め、生産性向上につなげていきたいと考えています。
バランスシートの状況

バランスシートとキャッシュフローについてご説明します。事業キャッシュフローは四半期で10億円と過去最高額を更新しました。
EBITDAはカード事業の売上増減の影響を受けますが、中堅企業向けARR純増が過去最高額となったことに伴い、契約負債の積み上がりが前四半期比で加速し、キャッシュフローが増加しています。
現預金残高推移分析

第1四半期の決算でご説明したとおり、請求代行事業による一時的な現預金の増加として240億円が発生しましたが、これは月をまたぐことで解消されています。
辻より、ビジネスハイライトについてご説明します。
M&A・アライアンスによりHR領域の競争優位性を強化

辻:ビジネスハイライトでは、法人向けバックオフィスSaaSの中堅企業領域における主要な取り組みと「No.1 バックオフィスAIカンパニー」戦略に向けた主要な取り組みについてご説明します。
まず、法人向けバックオフィスSaaSの中堅企業領域での取り組みについてご紹介します。これまで当社は、グループジョインやアライアンスを通じてプロダクトラインアップの拡充を行ってきました。このたび、HR領域において過去最大のオーガニックARR純増を達成しました。
さらに、2026年4月に「AKASHI」事業をソニービズネットワークスさまから事業承継し、「マネーフォワード クラウド勤怠Plus」としてリリースしました。これにより、ワンベンダー導入を求める従業員1,000名超規模の企業さまからの受注が可能となりました。
グループジョインからまだ2ヶ月ですが、クロスセルがすでに進展しており、HR領域において過去最大規模の案件を受注しています。
また、グループジョインしたシャトク社のプロダクトをリブランディングした「マネーフォワード クラウド福利厚生賃貸」というサービスは、2024年12月にグループジョインしてから1.5年でARRが3倍以上に成長しており、既存プロダクトとのシナジーが確実に発揮されていると考えています。
今後も競争優位性の強化に向けて、M&Aやアライアンスを通じたプロダクトラインアップの拡充を継続していきたいと考えています。
『マネーフォワード クラウド連結会計』が中堅市場にてシェアNo.1を獲得

中堅企業領域における「マネーフォワード クラウド連結会計」は、もともと年商10億円から100億円未満でNo.1のシェアを有していました。今回、新たに100億円から500億円未満の領域でもシェアNo.1を達成しました。
これにより、年商10億円から500億円未満の市場全体でシェアNo.1を獲得しています。また、連結会計市場においても売上成長率が2年連続でNo.1を記録しており、順調にシェアの拡大が進行中です。
【事例】多店舗展開に伴い増加した業務負荷を、ビジネスカードとクラウドサービスで最適化

「マネーフォワード ビジネスカード」を追加導入したお客さまであるピソラさまの事例をご紹介します。ピソラさまは飲食店事業として現在、約60店舗のイタリアンレストランを展開されています。
店舗拡大の過程において、もともと「マネーフォワード クラウド経費」のサービスをご利用いただいていました。
これまで「マネーフォワード クラウド経費」については、スライドのBefore・Afterでご覧いただけるとおり、Beforeでは店舗で現金精算のために出張対応を行ったり、領収書を確認したりするかたちで、オペレーションがかなり煩雑化していました。
しかし、「マネーフォワード クラウド経費」サービスと「マネーフォワード ビジネスカード」を両方ご利用いただくことで、利用明細がリアルタイムで確認できるようになり、店舗と従業員さまの双方における負担軽減と効率化が実現したという、うれしいお声をいただいています。
このように、「マネーフォワード クラウド経費」と「マネーフォワード ビジネスカード」の両方をご利用いただくことで、大幅な事務作業の負担軽減を実現していきたいと考えています。
マネーフォワードはNo.1バックオフィスAIカンパニーへ

「No.1 バックオフィスAIカンパニー」に向けた取り組みについてご説明します。
3つの成長戦略を掛け合わせ、No.1 バックオフィスAIカンパニーへ

当社では、「No.1 バックオフィスAIカンパニー」に向けた取り組みとして、主に3つの戦略を推進しています。
1点目はAIプロダクトの開発・提供、2点目はバックオフィスSaaSの価値向上、3点目はM&A戦略の遂行です。これらを確実に実行することで、市場シェアの拡大に加え、既存顧客へのアップセル・クロスセルを通じたARPAの向上を目指します。
SaaS × Fintech × AIで描く成長戦略

Money Forward Businessセグメント全体の成長戦略についてです。現在は、既存のバックオフィスSaaS事業が非常に高い成長率を示していることから、引き続き、顧客基盤やARPAの拡大による成長を見込んでいます。
また、既存顧客基盤にFintechサービスを組み合わせることで、先ほど示したような顧客の利便性向上を実現し、ARPAおよび収益のさらなる向上を目指します。
AIについては、現在もほとんどの時間をAIに使っていますが、AIサービスの拡大ならびに新規サービスの提供によって、Money Forward Businessセグメント全体の成長をさらに加速させることができると考えています。
AI Agent FY26上期も多くのAIエージェントをリリース

スライドは、AIエージェントのご紹介です。上期には、AIによる経費精算、請求管理、財務会計、経営管理、契約管理の5つのAIエージェントを新たにリリースしました。一部のAIエージェントは有償提供を開始しています。
今後も順次、プロダクトマーケットフィットを経て有償化を進めていく予定です。
AI Agent 2Qでは経理財務領域におけるAIエージェントを続々とリリース

第2四半期では、経理財務領域におけるAIエージェントをリリースしました。スライド左側の予実管理システム「Manageboard」には、「業績分析エージェント」を搭載しました。
これにより、膨大な仕訳データをAIがワンクリックで自動解析し、これまで手作業で作成していた月次決算資料や経営陣向けの報告資料、顧問先への月次レビュー業務の効率化が可能となっています。
スライド右側の「マネーフォワード クラウド会計Plus」では「カスタム帳票作成エージェント」を搭載しました。AIに自然言語で指示を出すことで、自動で帳票作成を行うサービスも提供しています。
この機能は、ユーザーから期待が大きい部分であり、「これまで部署や決算期をまたぐ複雑な帳票の作成に15分、20分とかかっていたところが、10秒ほどで帳票作成が可能になった」という高評価の声もいただいています。
AI Native 7月下旬より『マネーフォワード AI Cowork』をリリース予定

7月下旬には、4月に発表した「Money Forward AI Vision 2026」に基づいた「マネーフォワード AI Cowork」のリリースを予定しています。
「マネーフォワード AI Cowork」は、統制や業務ルールをあらかじめ組み込んだ、自律的に業務を遂行するAIサービスです。経理・労務・法務などの幅広い業務を横断的に支援し、業務効率化を進めることが可能になります。
新しいAIサービスであるため、現在はバグ修正やさまざまなテストを実施しながら、開発を進めている段階です。リリースを楽しみにしていただければ幸いです。
AI-BPO 【事例】『マネーフォワード おまかせ経理』の導入により、 属人化解消と業務標準化を実現

AIエージェントの「マネーフォワード AI Cowork」とは異なる分野ですが、AIを活用したバックオフィス業務代行サービス「マネーフォワード おまかせ経理」の導入事例をご紹介します。
スライドには、従業員9名の美容室の事例が掲載されています。この企業では、ベテランの担当者が退職したという状況がありました。こちらの経理業務には、当社の「マネーフォワード おまかせ経理」というサービスを導入いただきました。
このサービスでは、記帳代行業務に加え、給与計算・振込、支払代行、試算表の作成まで経理業務全体を一括で対応しています。その結果、ワンベンダー契約を纏め、これまで属人化してアナログ運用となっていた業務フローを標準化・最適化できる点が評価され、選ばれました。
さらに、「マネーフォワード クラウド」サービスを活用いただくことで、それまで経理担当者しか把握できなかった財務状況を経営陣がリアルタイムで確認できるようになり、経営判断のスピード向上にもつながっています。このような点を特に喜んでいただいています。
AI-BPO AI-BPOサービスの提供により、高収益化とARPA向上を実現

「マネーフォワード おまかせ経理」のAI-BPOサービスでは、AIを活用して業務の自動化を進めています。AIを活用し、高収益なBPO事業を目指すとともに、クラウドサービスを上回るARPAの達成を目指しています。
さらに、デジタルワーカーが人件費の代替となることで、高いARPAの実現を図っています。現在も逐次改善を進めており、生産性は着実に向上しています。例えば、業務プロセスのエージェント化により、振込業務の工数を約50パーセント削減することができています。
プロセスや組織体制の見直しの効果により、現在では従来と同じ社員数で約3倍の顧客数を担当できるようになっています。入力業務については、年内に約50パーセントの工程を自動化できる見込みです。
今後も、顧客基盤の拡大とAI活用による生産性改善を進め、AI-BPO事業のさらなる成長を目指していきます。
AI-BPO WhippleWood CPAsのPMIが順調に進捗

昨年10月にAI-BPO事業の強化を目的にグループジョインしたWhippleWood社も、AIツールの活用で生産性向上が大きく進んでいます。
記帳代行業務では、従来手作業で行っていた費用按分作業や給与の記帳作業が120分から15分に短縮され、新規見込み客の獲得スピードも前年対比で4倍に向上するなど、日々改善が進んでいます。
こうしたノウハウを国内事業のパートナーである士業事務所へ展開するとともに、当社のプロダクト開発にも反映します。国内チームとの連携をさらに強化し、AI-BPOの取り組みを一層加速させていきます。
AI-BPO AI-BPOの強化のため、米Gerstle Rosen & Goldenberg(GRG)がグループジョイン

今回、WhippleWood社のPMIが順調に進捗している背景を踏まえ、Gerstle Rosen & Goldenberg, P.A.社(GRG社)がグループに加わりました。
WhippleWood社とGRG社は、それぞれカバーする業務の領域が異なっており、この2社の運営を通じてAIを活用した生産性向上の知見を蓄積できると考えています。
今回、この2社をグループジョインしたことにより、当面は両社の運営に注力し、グループ全体の売上および利益の拡大に貢献していきます。また、AIの開発や導入にも引き続き力を入れていきたいと考えています。
AIについてよくいただくご質問①

AIに関してよくいただく質問をQ&A形式でスライドにまとめましたので、一部を抜粋して簡単に取り上げたいと思います。3つの質問をご用意しました。
1つ目は「日本のクラウド化率は欧米と比較してまだ低いが、AIの進化はクラウドベンダーにとってどのような影響を及ぼすのでしょうか?」というご質問です。クラウド化率が低い日本において、クラウドベンダーへの今後のAIの影響がどのようになるかというものです。
私たちは、AIの進化は大きなビジネスチャンスであると考えています。日本のクラウド化率は欧米と比較して依然として低く、25パーセントから30パーセントとされていますが、中堅・中小企業の領域ではオンプレミス型システムを利用している企業が依然として多数を占めています。
一方で、オンプレミス型の基幹システムは、AIエージェントや生成AIへの対応について、データベースの問題上、一定の限界があると考えています。そのため、今後はAI化が進むにつれ、多くの企業でクラウドSaaSへの移行が加速すると予想しています。
また、AIの活用は既存のオンプレミス市場の置き換えにとどまらず、AI-BPOやAIネイティブプロダクトを通じて、新たにデジタルワーカーといった大きな市場機会を創出しており、当社のTAMをさらに拡大させるものと思います。
AIについてよくいただくご質問②

2つ目は「AIプロダクトや社内AI活用によりトークン利用料が増加することで、FY2028の中長期財務ターゲット達成や収益性改善に影響はありますか? AI機能やプロダクトのマージンについては、どのようにコントロールしていくのでしょうか?」というご質問です。
FY2028の中長期財務ターゲットは、AIがここまで台頭する前に作成・公表したものです。そのため、AIはターゲットの達成を後押しするプラス要素になると考えています。なお、中長期財務ターゲットにはAIプロダクトによる売上高は含まれておらず、こちらはアップサイドになります。
先ほどもご説明したとおり、多くのAIエージェントやAI機能をリリースしていますが、今後プロダクトマーケットフィットが完了次第、順次有償化を進めていきたいと考えています。
AI機能に伴うトークン利用料については確かに大幅に増加していますが、プライシングに反映する方針を採用し、一定の期待利益率をもとに逆算して設計を行っています。
また、単純な計算処理にはトークンを使用せず、従来のマシンラーニングを社内で活用することで、コスト抑制に取り組んでいます。さらに、社内でも生産性向上を目的にAI活用が進んでおり、着実なマージン拡大が実現しています。
トークンコストを含めても、中長期財務ターゲットで想定しているコストの範囲内で推移する見込みです。
FY2026の売上高対比人件費・外注比率は57パーセントから61パーセントと予測していますが、AIツールのトークンコストを含めてもこのレンジ内に着地し、前年度の売上高対比人件費・外注比率を下回る見込みです。しっかりと収益性を向上させていきたいと考えています。
AIについてよくいただくご質問③

3つ目は「7月にリリースを予定している『マネーフォワード AI Cowork』と、『汎用AIツール×MCP』でできることの違いは何でしょうか?」というご質問です。
企業が生成AIをバックオフィス業務で活用するのは、実際には難しいと日々感じています。その理由として、個人が生成AIを使用すると、ガバナンスの確保やセキュリティの担保が難しく、想定以上の動作を起こしてセキュリティリスクが生じる可能性がある点が挙げられます。
そのため、生成AIが社内ルールや業務プロセスに従って正確に動作する仕組みが必要です。「マネーフォワード AI Cowork」は、統制や業務ルールをあらかじめ組み込み、バックオフィス業務に最適化した「SaaS×AI」をパッケージとして提供する予定です。
この点が、汎用AIツールやMCPとの大きな違いだと考えています。将来的には、社内規程や業務プロセスを完全に理解し、一連の業務を支援できる世界を目指しています。
「未承認の申請を一覧で出して」と「マネーフォワード AI Cowork」に話しかけることで、「マネーフォワード クラウド勤怠」「マネーフォワード クラウド経費」など複数のプロダクトをまたいで対応すべきタスクを洗い出してくれるイメージを持っていただければと思います。
バックオフィス領域では高い専門性や正確性が求められますが、ITリテラシーにかかわらず、利用者が個別の設定やチューニングを行うことなく業務にそのまま利用可能なAI機能を提供できる点、さらにAPIが公開されていないデータにも対応可能である点が大きな特徴と考えています。
『GitHub』への不正アクセス発生の概要と影響

最後に、「GitHub」への不正アクセス発生の概要とその影響についてご説明します。5月に発生した不正アクセスにより、多くのステークホルダーのみなさまに多大なるご心配とご迷惑をおかけしましたことを、あらためて心より深くお詫び申し上げます。
今後も、セキュリティ強化を最優先として進めていきます。セキュリティへの投資も着実に進めていく形で織り込んでいます。
今回のインシデントにおける業績への影響については、Money Forward Homeセグメントで一部、15日間のサービス停止に相当するプレミアムサービスへの影響がありました。
一方で、Money Forward Businessセグメント、Money Forward Xセグメントへの影響は現時点では軽微であり、インシデントの影響を織り込んだ上で、今回、上方修正を発表しています。
引き続き、セキュリティの向上を図りながら、上方修正後のガイダンス達成を目指し、下期も取り組んでいきます。今後とも、ご指導とご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
