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中国で「わりかん保険」が大流行。治療費払い渋り防止の斬新な仕組みとは=牧野武文

なぜ分担金は跳ね上がらない?

ところで、この仕組みだと分担金が青天井で上がっていく危険性があります。極端なことを言えば、加入者全員が互助金支払いを申請したら、その月の1人あたりの分担金は30万元+8%の32.4万元になってしまいます。

これを防ぐために当局の規制がかけられています。それは各運営会社が互助金支払いの準備金を用意し、それに応じて、毎年、分担金の上限額を定め、加入者に事前に通知をするように指導されています。現在の相互宝の分担金の上限は188元になっていて、万が一、それ以上の互助金支払いが必要になった場合は、運営会社が準備金から充当して支払うことになっています。

加入をして、万が一、保障対象の病気になった場合も、スマホから簡単に互助金支払いを申請することができます。診断書などの必要書類をスマホで撮影してアップロードし、必要事項を記入するだけです。その書類が偽造でないかどうかは、人工知能による画像解析でチェックされます。運営会社の調査員が裏付け調査を行い、問題がなければ互助金が支払われます。

運営が支払いに迷う案件は加入者の投票で!

しかし、問題を含んだ支払い申請もあり得ます。公平性を保つために、互助金支払いには細かい条件がたくさん設定されていますが、それを満たしていない場合、運営会社は互助金支払いをすべきなのかすべきでないのか迷うことになります。

このような場合、プライバシー情報を隠して情報を公開をし、なんと加入者の投票で支払いを決めるのです。

ここはかなりユニークな仕組みなので、実例を上げて詳しく紹介してみましょう――

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・ネット互助が抱える多くの課題
・加入者の頭打ち現象にどう対処?
・ネット互助の肝は規模数
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  • vol.053:保険金の支払いは投票で決める。加入者1億人を突破した「わりかん保険」(1/4)

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  • vol.036:デジタル界の無印良品になりたい。中国製造業を変えた小米(シャオミ)創業者「雷軍」(9/7)

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2020年5月配信分
  • vol.021 感染拡大で実戦投入された人工知能テクノロジーの数々(5/25)
  • vol.020 経済復活の鍵は「ライブEC」。感染拡大から広がる新たな販売手法(5/18)
  • vol.019 生き残りを賭ける飲食業。鍵は「外売」(デリバリー)(5/11)
  • vol.018 ニューノーマル。終息後の新日常は、以前とどう変わるのか?(5/4)

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2020年4月配信分
  • vol.017 アリババとテンセント。ECビジネスをめぐる衝突(4/27)
  • vol.016 敗走するアマゾン、カルフール。理由はグローバルとローカルの衝突(4/20)
  • vol.015 中高年にスマホ決済を浸透させた台湾庶民派スーパー「PX Mart」の取り組み(4/13)
  • vol.014 1日で4.1兆円売り上げる「独身の日」は、どのように生まれたのか?(4/6)

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2020年3月配信分
  • vol.013 1日で420億円の商品を売る。網紅の桁外れの販売力の仕組み(3/30)
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image by:kdshutterman / Shutterstock.com
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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード』(2021年1月5日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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