文政権への批判意見は封殺される
文政権を批判する意見が、陣営内でボツボツ出始めた時、文在寅「紅衛兵」(約1,000人)は、SNS上で猛烈な逆批判をし、それは人身攻撃をするほどの酷さであった。文政権への批判意見が、こうして完全に封殺されたのである。
朴槿惠氏は、知人を国政に絡ませ壟断(ろうだん)したとして非難されてきた。文氏は、「紅衛兵」がその役割を演じていた点で、まったく同じ構図である。朴氏は、特定人物である。文氏は、不特定多数という点で暴力団的な圧力を国政に掛けたのである。
文氏は、こういう紅衛兵の存在に「スパイスのように刺激があってよい」と受け入れていたのだ。その認識が、韓国政治を混乱の坩堝に追込んだと言える。文氏自身が、紅衛兵の暗躍で反省する機会を逸したと言える。
文在寅「紅衛兵」とは、カルト的集団である。具体的は、次のような振る舞いをしてきた。
反対派を徹底的に叩く「敵・味方」の二元論的思考、責任を相手に擦り付ける他責思考、文氏を持ち上げるために手段を選ばないなど、言論の暴力を恣(ほしいまま)に「楽しん」できた集団である。
韓国では、このカルト集団に対して、「ムンパ(文在寅の追っかけの意)」、あるいは「テッケムン(頭が割れても文在寅の意)」と呼んで、多くの人々にとって恐怖や嫌悪の対象だった。
ただ文氏から、前述のように「スパイスが効いて面白くしてくれる」と「お墨付き」をもらって以降、このカルト的集団は現実世界でもインターネット上でも徒党を組んで、文大統領の親衛隊として暴れ回った。言論の自由が建前の民主主義社会では、極めて扱い憎い存在になったのである。文氏は、これを悪用したのだ。
文親衛隊も勢いを失った
文親衛隊の「ムンパ」や「テッケムン」の存在は現在、どうなったか。韓国社会全体が、しだいに相手にしなくなってきたという。
文大統領の支持率が30%台前半で低迷し、不支持率は60%台後半になっている現状で、親衛隊が暴れて歩く舞台が狭まってきたのは当然である。
こうして、文批判が政権支持メディアを含め一斉にマスコミに、登場するようになった。もはや、親衛隊が出る幕でなくなったのである。
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