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韓国文大統領、就任演説と現状に7つの落差。歴史に残る「日韓壊し屋」に=勝又壽良

7つの視点で採点すれば0点

ここで、冒頭の文大統領就任演説と現実が、どれだけ食い違っているか。「仮決算」をしておきたい。

1)「韓国社会の『統合と共存』を図ると言った公約はどうだったか。実績は、まったく逆である。「分裂と反目」を激化させたのだ。「積弊一掃」は、保守党政権で積み上がった弊害を大掃除するという名目により、朴政権の主要ポストの人間を獄窓に繋いだのである。官軍と賊軍の関係である。勝てば何でも許される。この調子で、政府関係機関の役人も任期半ばで強引に退職を迫った。いわゆる「論功行賞」を露骨に行ったのだ。在野の運動家が、願ってもない「官員」様に昇格した。

2)「2017年5月10日は、真の国民統合が始まった日として歴史に記録される」とした。これほどのウソはない。「国民統合」とは、反対派の人物でも適材適所の人事を断行するという意味である。現実は、味方陣営からの長官(大臣)採用で、野党が反対しても押し切る人事が、実に26回も行われている。何が、「国民統合」かと、鼻白む事態である。最大の失態人事は、法務部長官にチョ・グク氏(ソウル大学教授)を野党の反対にも関わらず就任させ、後に検察によって起訴されるという大恥をかく結果になった。

3)「国民と意思疎通図る大統領になります。大統領が直接、メディアと記者会見する」と約束した。前大統領の朴氏が「不通大統領」と揶揄されていたことを意識した発言である。これも、真っ赤なウソとなった。記者会見は数えるほど。不都合な事態が起こると雲隠れして、発言しない。前記の「チョ・グク」事件もそうであった。国民に謝罪するのでなく、辞任したチョ氏を慮(おもんばか)るという錯綜した感覚だ。ソウル市長のセクハラ自殺事件も、ついに「無言」を貫いた。

4)「今回の大統領選挙には勝者も敗者もいない。共に協力しよう」と約束した。これも空手形である。国会運営では、野党を完全無視する与党へ忠告もしない無関心ぶりだ。大統領などの犯罪捜査する機関である、高位公職者犯罪捜査処(高捜処)法案改正では、野党の意見をすべて無視し、高捜処トップの人事では野党一致という人事項目を削除するお手盛り議案を成立させた。この法律は、検察に文氏の捜査をさせない目的の法律である。

5)「保守、進歩の葛藤は終わらなければなりません。大統領みずから直接対話します。野党は国政運営の同伴者です」と歯の浮くような綺麗事を言った。これも、前記の高捜処法案改正で、反古にしてしまった。文氏は、与野党の対立に一切、無関係を装っている。

6)「能力と適材適所を人事の大原則にします。私に対する支持如何とは関係なく、有能な人材を三顧の礼で迎え入れます」も実行されずにいる。すべて、論功行賞で人事を行っている。文大統領は過去4年近く、ごく少数の限られた人材プールを活用して「回転ドア式の人事」をしてきた。野党の同意なく強行した長官級の任命は26回に達する。人材プールは、学生運動家と市民運動家上がりの在野人である。政策立案に無縁だった人たちが、さも専門家のように振る舞う。漫画である。

7)「私は大韓民国大統領の新しい模範となります。国民と歴史が評価する成功した大統領になる」と意気込んだが空振りである。国民と歴史が評価する成功した大統領とは逆に、最悪の大統領になるのは確実である。とりわけ、日韓関係では、最悪最低の大統領としてすでに「当確」である。

韓国政界は、今年4月から次期大統領選への動き一色になる。大統領候補者で、日韓関係改善を取り上げる者がいるはずない。反日ムードの強い韓国で、日韓問題を口にしても票は集まらないのだ。

日韓問題は、文氏の残り任期中に進展しないだろう。日韓関係を破壊して、何の修復も出来ずに終わる意味で、文氏は確かに歴史に残る大統領である。「日韓壊し屋」として記録されるのだ。

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  • 「断交寸前」反日判決、旧慰安婦賠償で危機招く文在寅「日本は無縁」(1/11)
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  • ワクチン開発競争、米国が中国制し7~9月供給、英国も続くが日本は3月開始へ(6/29)
  • 過剰負債の中国は庶民救済に壁、24省で大洪水被害も重圧、景気回復望めず(6/25)
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  • 国際感覚ゼロの韓国、香港問題で中国へ擦り寄る悲劇、景気回復は2年以上先(6/1)

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2020年5月配信分
  • 経済無策の文政権、コロナ禍・米中対立の悪影響を凌ぐ道なし、財政依存の限界明らか(5/28)
  • 経済混乱を隠す中国、香港・台湾への強硬策で米国と激突、韓国の見苦しい狼狽(5/25)
  • 検察のメスが入った元慰安婦支援運動、たった1人で率いて韓国食い物に(5/21)
  • 李朝と同じ改革無関心、既得権益集団が支配する社会、コロナ後の失速は確実(5/18)
  • 「ウソで固めた」中国、冷戦勝負どうなるか。米国は貿易・技術・資本市場3面の排除で決定的優位へ(5/14)
  • コロナ後の米中新冷戦、米国はTPPへ復帰し中国包囲網、韓国の日本接近(5/11)
  • 家計債務急増、免れない韓国経済の衰退、いずれ「第二のギリシャ」へ(5/7)
  • 深まる米中コロナ対立、揺さぶられる韓国二股外交、米の脱中国圧力に屈するか(5/4)

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2020年4月配信分
  • コロナ後の世界、米国の優位増し中国は凋落、韓国の風見鶏も苦境(4/30)
  • 北朝鮮・金正恩氏に脳死説、南北関係に転機も韓国に本格支援する力はない、米国に有利(4/27)
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  • コロナで世界を敵に回す中国、建国以来の最大危機、金融面で大恐慌乗り切れるか(4/20)
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  • 中国武漢市の「終息宣言」早とちり、米は科学力で対抗し最後は「米中経済分断」措置へ、韓国どうする?(4/6)
  • 今年の中国は最悪ゼロ成長、韓国経済水没は不可避、脱出口は?(4/2)

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2020年3月配信分
  • 「世界的現金不足」時代へ、韓国は流動性軽視が仇、通貨危機に見舞われて当然(3/30)
  • 「コロナ蔓延」米中対立へ火に油、米は外交官引き上げ「戦時体制」、韓国どうする?(3/26)
  • 世界コロナ感染 欧米も直撃し大災害 韓国経済危機は2年続く(3/23)
  • 「ウォン沈没」、ドル不足対策空振り、正念場を迎える文政権、日韓通貨スワップにすがる(3/19)
  • やっと気付いた韓国 最後の安全弁は日韓通貨スワップ協定 掌返しで日本へ低姿勢(3/16)
  • 中国「コロナ」で孤立、米国も感染者1000人超、リスク忌避で「米中分断論」(3/12)
  • 日本の入国制限に反発する韓国、「コロナ」検査能力を自慢も日本の治療体制に及ばず(3/9)
  • 新型ウイルス禍、米国経済へ波及し中国の早期回復不可能、韓国は大きな試練迎える(3/5)
  • ウイルス禍で孤立する中国 「中韓運命共同体」を信ずる韓国はどうなるか(3/2)

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2020年2月配信分
  • ウイルス感染、韓国は最大被害国、総選挙で文政権の敗北不可避(2/27)
  • 中国はSARS上回る大打撃が確定 韓国に波及する通貨不安を防げるか(2/24)
  • 韓国「低血圧」経済、中国不況が直撃、最大の被害国へ転落(2/20)
  • 米中、ウイルス禍でデカップリングに現実味、中国が原因究明に非協力(2/17)
  • 韓国、再びGSOMIA破棄の動き、4月総選挙で窮地挽回の「奇手」は成功しない(2/13)
  • 新型ウイルス 8月に終息? 被害額はSARSの100倍(2/10)
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勝又壽良の経済時評』(2021年1月14日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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勝又壽良の経済時評

[月額864円(税込)/月 毎週木曜日(年末年始を除く)予定]
経済記者30年と大学教授17年の経験を生かして、内外の経済問題について取り上げる。2010年からブログを毎日、書き続けてきた。この間、著書も数冊出版している。今後も、この姿勢を続ける。

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