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韓国文大統領、就任演説と現状に7つの落差。歴史に残る「日韓壊し屋」に=勝又壽良

「鬱憤社会」へ追い込んだ大きな罪

文氏は、政策の舵を切り替える機会を逸した。それが、盤石の支持基盤とされた理想論に燃える20~30代に大きな失望を招くことになった。文大統領が、就任時に行った演説とかけ離れた政治を行ったからだ。

文政権支持メディアの『ハンギョレ新聞』(1月4日付コラム)は、次のように指摘している。

「鬱憤社会」、韓国社会を説明する新たな修飾語だ。韓国人の43.5%が慢性的な鬱憤状態に陥っており、ひどい鬱憤を基準にすればドイツの4倍水準だと指摘されている。

ハンギョレ新聞が支持を鮮明にしている文政権は、どうして「鬱憤社会」を招いてしまったのか。ソウル大学保健大学院のユ・ミョンスン教授の最近の調査研究でも、同じ結果が出ているという。

この研究で注目を集めたのは、20代や30代など若い層ほど、激しい鬱憤を感じていることだ。

昨年9月にハンギョレ経済社会研究院とグローバルリサーチが発表した調査によると、「政治や経済、社会、環境など総合的に判断した場合、韓国社会の持続可能性」に関する質問に対し、楽観的な見通しが21.7%、悲観的な見通しが42.1%だった。20代において楽観的な見通しを示した割合は19%で、60代と共に最も低かった。

若者ほど、文大統領の就任演説に「痺れ」、熱烈な支持者になったことは十分に想像できる。朴・前大統領が国政壟断疑惑で弾劾・拘束されるという不名誉な事件から脱け出して、希望ある政治を期待したのである。

ところが、文政権になっても改善されるどころか、むしろ状態は悪化しているのだ。こうして、韓国の未来に対する絶望感を生んでいる。

20代女性たちの絶望が「特殊出生率の急減」として示現

特に目を引くのは、大半の項目で20代女性は、韓国社会がこれ以上持続可能ではないという明確で一貫した認識を示していることである。20代女性は、「韓国社会の持続可能性」について16.6%だけが楽観視していると答え、20代男性(21.2%)に比べてもっと悲観的な見通しを示した。

韓国は、学歴社会である。4年制大学進学率は、男子52.89%(2018年、世界順位7位)、女子58.59%(2018年、世界10位)である。ちなみに日本は、男子が世界8位(52.58%)、女子は22位(46.25%)である。韓国女子は、男子を上回る進学率だ。それにも関わらず、就職で大きなハンディキャップを負わされている。期待した文大統領は、何らの改善策も提示できないどころか、むしろ悪化している。こうなると20代女性が、「韓国社会の持続可能性」について、悲観的になるのは当然であろう。

韓国社会の持続性に大きな疑問をもつ若い女性が、人生においてどういう行動を取るか明らかである。非婚化という人生設計である。将来性の持てない韓国で、結婚して子どもを持つことがどれだけリスクが高いか、という結論を出しても不思議はない。

実は、文政権になって以来、合計特殊出生率が急激に落ち込んでいる。この裏には、若い女性の国家への「絶望感」がもたらした現象と読むべきであろう。文大統領は、国民に希望を与えず、絶望感を押し付けてしまったのだ。

韓国の合計特殊出生率は、2019年が0.92人。昨年は0.8人台に落ち込む。世界最低記録を塗り替えている。このまま、減少に歯止めが掛らなければ、地球上から韓国が消えるという劣悪状態に追い込まれるであろう。その認識が、文政権に希薄である。

Next: 文政権の評価は?就任演説と現実に大きな食い違い

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